東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 政治 > 紙面から一覧 > 記事

ここから本文

【政治】

首相、具体的説明を拒否 集団的自衛権行使 岡田氏「違憲」

写真

 安倍晋三首相と民主党の岡田克也代表ら野党三党首による党首討論が十七日、行われた。首相は安全保障関連法案に関し、他国を武力で守る集団的自衛権の行使が許される具体的な状況の詳細な説明を拒んだ。政府が集団的自衛権の行使を容認する理由に挙げる安全保障環境の変化も明確に示さなかったため、岡田氏は「安保法案は違憲だ」と断言した。

 安保法案を違憲と批判する声が憲法学者を中心に広がって以降、首相が国会で答弁するのは初めて。首相は「安保法案の正当性、合法性には完全に確信を持っている」と強調した。

 首相は集団的自衛権行使の事例として、朝鮮半島有事の際に日本へのミサイル攻撃を警戒する米艦の防護を例示。詳細な状況を明らかにすれば、日本が武力行使に踏み切る判断基準が他国に知れ渡ると指摘し、「国際的にも、こんなことをすべて述べているリーダーはいない」と述べた。

 岡田氏は、安倍政権が昨年七月の閣議決定で集団的自衛権の行使を容認する理由に安保環境の根本的な変容を挙げたことを踏まえ、首相が戦時の機雷掃海に意欲を示す中東・ホルムズ海峡の状況変化をただした。首相は「国際社会全体の変化を言っている。お互いにより助け合わなければならない時代になった」と、ホルムズ海峡の状況変化には言及しなかった。

 これに対し、岡田氏は「時の内閣に武力行使や憲法判断を白紙委任しているのと一緒だ。立憲国家ではない」と批判。「集団的自衛権は要らない」と語気を強めた。首相は質問に正面から答えず、岡田氏に逆質問する場面が目立った。

 維新の党の松野頼久代表は、政府の安保法案に関し「(与党との)修正協議に応じるつもりはまったくない」と表明。共産党の志位和夫委員長は、戦闘中の他国軍を支援する活動について「武力行使と一体不可分だ」と批判し、安保法案の即時廃案を求めた。

 

この記事を印刷する

PR情報