シベリア抑留:若手研究者に奨励賞創設 村山常雄さん記念

毎日新聞 2015年06月16日 19時17分

 シベリア抑留の死亡者名簿を作り、昨年88歳で死去した村山常雄さんの業績をたたえるため、研究者や抑留経験者らが16日「村山常雄記念シベリア抑留研究奨励賞」を創設すると発表した。1年おきに40歳以下の研究者に賞金20万円を授与する。

 第二次大戦後、旧ソ連のシベリアなどに連行され、重労働を強いられた日本人が多数死亡した。村山さんは新潟県出身。4年間の抑留から帰還後、旧ソ連政府提供の不正確な表記の名簿などをもとに、約4万6300人の死亡者名簿を作り、2007年に出版した。このうち約3万4000人の氏名は正確な漢字表記を割り出した。

 賞を運営する「シベリア抑留者支援・記録センター」によると、16年3月末までに発表された抑留関係の論文を対象に第1回の受賞者を選考し、村山さんの命日の5月11日に発表する。村山さんが寄託した100万円を活用するという。

 選考者の一人の富田武・成蹊大名誉教授は「若い人たちに研究の裾野を広げたい」と設置の理由を説明した。村山さんの妻カズさん(83)は「遺志を継いでくださる方がいるなら、ありがたい」と話した。【青島顕】

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