Updated: Tokyo  2015/06/18 08:41  |  New York  2015/06/17 19:41  |  London  2015/06/18 00:41
 

ギリシャ首相、合意拒否の責任負う用意-EUは協議決裂に備え

Share Google チェック

  (ブルームバーグ):ギリシャのチプラス首相は17日、債権者側が要求する救済条件について、受け入れられないものであれば拒否しその責任を負う用意があると表明した。

この発言を深刻に受け止め、欧州ではオランダやポルトガル、ドイツの当局者らが協議の決裂に備えていることを明らかにした。

同首相はアテネで記者団に、実行可能な解決策があれば「ギリシャ国民に選ばれたギリシャ政府は、それを遂行する重荷を背負うだろう」と言明。その上で、そのような解決策がない場合には「ギリシャに大きな害をもたらす政策を続けることに『はっきりノー』と言う責任を負う」と語った。

ドイツのショイブレ財務相はベルリンでの議会証言で、ユーロ圏によるギリシャ救済プログラムが合意ないし延長なしに失効した場合に備え緊急対応計画を策定していることを明らかにした。ユーロ圏財務相会合(ユーログループ)議長のデイセルブルム・オランダ財務相もハーグで議員らに、オランダばかりでなく欧州委員会や欧州中央銀行(ECB)という欧州レベルで起こり得る事態に対して準備していると述べた。

ギリシャ銀行(中央銀行)のストゥルナラス総裁も合意不成立はユーロ圏ばかりか欧州連合(EU)離脱につながりかねないと警告。17日公表の年次金融政策報告で、債権者との「合意の不成立は痛みを伴う道のりの始まりで、デフォルト(債務不履行)を皮切りに最終的にユーロ圏からの離脱、さらに恐らくはEUからの離脱に至るだろう」と記した。

与党・急進左派連合(SYRIZA)の一員であるコンスタントポロ議会議長はこの報告書の受け取りを拒否。そればかりか、自身が組織した「債務真実委員会」の暫定報告を公表した。同議長はこの中で、ギリシャの債務は「憎むべきもの」であり、返済すべきではないとしている。

債権者側としては、ギリシャに示した提案に対する応答がチプラス首相からまだないため、18日の会合でのギリシャ協議は短時間で終わるだろうと、EU当局者が匿名を条件に述べた。同日の進展は望みにくいため、次の山場は25、26両日のEU首脳会議になる。

欧州委員会のモスコビシ委員(経済・通貨担当)はそれでも、18日の会合での前進を目指すとし、付加価値税率と年金、財政赤字という争点が議論されるだろうと述べた。

同委員はこれら3点について「具体的な措置をギリシャが提案するのを待っている。無茶なことを要求しているわけではない」と発言。確かに人道的なプログラムも必要だろうが、「改革プログラムも必要だ」と論じた。

原題:Tsipras Vows to Reject Unfair Deal as EU Braces for Collapse (4):Tsipras Ready to Take Responsibility for Rejecting Aid Deal (1)(抜粋) Greece Told Reform Isn’t Crazy as Central Bank Warns of EU Exit

記事に関する記者への問い合わせ先:アテネ Marcus Bensasson mbensasson@bloomberg.net;アテネ Nikos Chrysoloras nchrysoloras@bloomberg.net

記事についてのエディターへの問い合わせ先: Alan Crawford acrawford6@bloomberg.net Ben Sills, Andrew J. Barden

更新日時: 2015/06/18 06:45 JST

 
 
 
最新のマーケット情報を携帯でご覧いただけます。ぜひご利用ください。