泗水康信、田中久稔
2015年6月17日13時27分
戦後70年。戦争経験者が亡くなったり高齢化したりして、記憶の風化を心配する声が強まっている。軍民が入り乱れ、住民に多くの犠牲者が出た沖縄戦も例外ではない。体験をいかに継承するか。沖縄では次世代の取り組みも本格化している。
■ひめゆり、学芸員が体験代弁
16日、沖縄県糸満市のひめゆり平和祈念資料館では、学芸員の前泊克美さん(38)がマイクを握っていた。「70年前、みなさんと同じ年齢だった彼女たちは『お国の役に立つことができる』と負傷兵の看護に行った」。修学旅行で東京から来た高校生が耳を傾けた。
資料館で続いてきた「ひめゆり学徒隊」の生存者による団体向けの講話は、語り部の高齢化により今年3月で幕を閉じた。4月以降は、20~50代の学芸員ら6人が後を引き継いでいる。
「本人に代わることはできない」と前泊さん。この日は、元学徒の上原当美子さん(87)の講話の映像をはさみ、当時の時代背景や映像で語りきれなかった部分を補うようにして上原さんの体験を代弁した。
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