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【日韓国交正常化50年】
朴正煕と産経新聞-日韓関係の変化象徴
これが90年代以降に逆転する。韓国の民主化で金泳三、金大中、盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権など“野党政権”が誕生し、さらに北朝鮮に対する融和的なムードが広がったからだ。歴史認識でも韓国に遠慮していた日本の自己主張が表面化した。東西冷戦が終わり韓国も発展し大きくなったのだから「韓国に言いたいことを言おうじゃないか」というわけだ。
その結果、慰安婦問題など歴史認識をめぐって日本の立場を主張する産経は反韓的といわれ、韓国の立場を支持する朝日は良心的になった。
娘・朴槿恵(パク・クネ)時代の韓国に産経新聞の記者が名誉毀損(きそん)で裁判にかけられていることを父は草葉の陰でどう思っているだろうか。お互い残念なことだが、これは時代および日韓関係の変化の象徴である。(ソウル駐在客員論説委員 黒田勝弘)