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【党首討論】
「集団的自衛権はいらない」岡田氏 安保法制めぐり抵抗野党の限界も露呈
安全保障関連法案をめぐる論戦が繰り広げられた17日の党首討論で、民主党の岡田克也代表は法案を「憲法違反だ」と断じ、安倍晋三首相を追及した。しかし首相の「逆質問」には回答を避け続け、国民をどう守るかの具体的な見解を語らないまま「抵抗野党」の限界を露呈した。
この日の党首討論で焦点の一つになったのが、朝鮮半島有事での「米艦防護」だった。首相は「公海上で日本のため警戒監視に当たっている米艦が攻撃されても守らなくていいのか」と問題提起し、「集団的自衛権という言葉が使われているからダメなのか。党内をまとめられないからダメなのか」と岡田氏に迫った。
岡田氏はこう応じた。
「半島有事ではまず、韓国にいる日本人を無事に日本に移動させることだ。海上自衛隊には海上警備行動などで守らせる。不測の事態を防ぐのが先だ」
岡田氏は、集団的自衛権を行使しなくても半島有事に対応できると主張したかったようだ。しかし、議論の取り違えがある。首相は退避する日本人を乗せた船ではなく、「警戒監視中の」米艦の防護について尋ねたのだ。
半島有事の際、弾道ミサイル警戒に加え、民間人の退避でも日米両国などが一体で作戦を展開する可能性が高い。退避する人を乗せた船だけでなく、その防護や警戒監視などにあたる米艦船も、作戦の一環で展開することが予想される。