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【韓国MERS感染】
感染広げたサムスンソウル病院 財閥式経営が裏目? 当局との癒着、疑う声も
【ソウル=名村隆寛】中東呼吸器症候群(MERS)コロナウイルスの感染が広がる韓国で、感染者を最も多く出したソウルのサムスンソウル病院による院内感染対策のずさんさに批判が集中している。同病院は、韓国最大財閥「サムスングループ」の傘下にあり、その影響力を利用した当局との癒着の疑いが持たれているほか、収益を最優先する経営方式も問題視され始めている。
韓国最高レベルの医療専門家と技術、設備を備えているといわれる同病院は、韓国では誰もが認めるトップ級の総合病院だ。5月20日に、最初の感染者を確認したことで注目された。
ところが同病院には、平沢聖母病院(京畿道平沢市)でこの最初の感染者から感染した患者も5月末に転院してきており、治療を受けていた。
この2次感染者が8日ほどの間、病院内を歩き回り汚染を広げたことが、保健福祉省により発表されている。また、治療に当たった医師2人も感染していたのに隔離されず、勤務を続けていた。