2015年6月16日02時15分
小説「風の盆恋歌」(85年)などで知られる直木賞作家の髙橋治(たかはし・おさむ)さんが13日、肺炎で死去した。86歳だった。葬儀は近親者で営まれた。喪主は妻留美子さんと長男文月(ふづき)涼さん。小説にとどまらぬ幅広い活動に彩られた生涯だった。
53年、東大国文科を卒業後、松竹に入社。小津安二郎監督の「東京物語」で助監督を務めた。同期入社だったのが篠田正浩監督だ。「教養があった彼は助監督という単純労働に耐えられず、早くから脚本を書いていました」と篠田さんは振り返る。
65年には松竹を辞め、舞台演出などを経て、作家活動に。84年、年老いた釣り師の友情を描いた「秘伝」で直木賞を受賞した。82年に発表した「絢爛(けんらん)たる影絵」は、ノンフィクションの手法を取り入れて小津監督を描いた人物伝だ。
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