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【韓国MERS感染】
死者は21人に WHO「緊急事態該当せず」、高水準の監視必要と強調
【ベルリン=宮下日出男、ソウル=名村隆寛、モスクワ=黒川信雄】世界保健機関(WHO、本部スイス・ジュネーブ)は17日、韓国での中東呼吸器症候群(MERS)コロナウイルスの感染拡大について、「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」には該当しないとの見解を発表した。一方、各国には韓国の状況を「警鐘」として受け止め、予期せぬ感染症の拡大に備えるよう求めた。
フクダ事務局長補は同日の記者会見で、今後も感染者が見つかる可能性はあるが、新たな感染は減少しており、韓国政府も感染が疑われる人の追跡・監視などに尽力していると指摘。このため、16日の専門家による緊急委員会では全会一致で緊急事態にあたらないとと結論づける一方、「韓国は高水準の監視を保つことが重要だ」と強調した。
WHOは現段階での渡航や貿易の制限導入も必要はないとの見解を示した。
韓国の聯合ニュースは17日、同国でMERSウイルスの感染により54歳の女性と69歳の男性が死亡したと報じた。これにより死者は21人になった。また、新たに8人の感染者が確認され、感染者は死者を含め計162人となった。医療施設や自宅での隔離対象者は6500人を超えた。