記事詳細
【異色のサイバー指揮官(3)】
情報保全で「ログ」の重要性説いたら担当部署へ異動に…羽室英太郎・奈良県警本部長
--平成17(2005)年には警察庁のサイバーテロ対策技術室長に就任されました
羽室 今は内閣官房にも同じような機能の組織ができましたが、世界でサイバーテロ対策の重要性が叫ばれていた11年の時点でも、日本ではインターネット空間でどのようなウイルスが活動し、どういうところが攻撃されているかを恒常的に測定したり、公表する組織はなかったんです。そこで、対策室で取り組むことになりました。
--具体的にはどのようなことを
羽室 サイバー攻撃を防止する目的は、国民の生活がきちんと保たれるようにすることが主眼です。公共団体や民間事業者と連携しながら、防御態勢をきちんとつくるための指導をしています。
--常に進化するサイバー攻撃に必要な対策とは
羽室 まず「守る」という観点の対策が非常に重要だと思います。民間事業所を訪問すると、「よそはどれくらい予算使ってますか」ということばかり気にしている。まだまだセキュリティーに対する認識や、投資が不十分なところもあります。そういった部分のレベルアップの必要性も継続して説明し、お願いしていかなければならないと思っています。
--警察の組織自体も変わってきました
羽室 「サイバー犯罪」や「ハイテク犯罪」など、一口に言ってもいろんな形態があります。昨年度、警察庁情報通信局情報技術解析課には「高度情報技術解析センター」が設置されました。そこでは、都道府県警察で行う解析で役立つようなソフトウエアを、現場の要望に応じてつくって配布しています。
--警察が独自で制作しているのですか
関連ニュース
- 【異色のサイバー指揮官(1)】元ラジオ少年の理系学生が警察へ、ハイテク犯罪と向き合う…羽室英太郎・奈良県警本部長
- 奈良県警に女性刑事だけの機動捜査隊「CLOVER」…性犯罪、ストーカー事件へ24時間態勢、「捜査1課」出身の猛者も
- 【異色のサイバー指揮官(2)】警察官へ「デジタルのイロハ」講義、まずは“モザイクの外し方”から…羽室英太郎・奈良県警本部長
- スーパーの「レジ」もサイバー攻撃の標的に 国内でも6件確認、購入者のカード情報が狙いか
- 危険ドラッグ対策、サイバーパトロールで成果…鳥取県内で販売しないようネットで要請
- 企業秘密は国を挙げて守れ…特許庁が警察庁、経産省所管機関と連携して産業スパイ、サイバー攻撃対策