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[E3 2015]「シェンムーIII」の企画はファンの声がきっかけで立ち上がった。鈴木 裕氏への合同インタビューを掲載
そんなE3 2015の大きなトピックの1つとなっているシェンムーIIIであるが,プレスカンファレンスの翌日にあたる北米時間2015年6月16日,同作を手がける鈴木 裕氏に短時間ながら合同インタビューが行われた。本稿では,その模様をお伝えしよう。
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「シェンムー III」のKickstarterプロジェクトページ
――まずは,Kickstarterキャンペーンの成功,おめでとうございます。
鈴木 裕氏(以下,鈴木氏):
ありがとうございます。出足はいかがですか,順調ですか,といろいろな人に聞かれるのですが,Kickstarterは初めてなものですから,実感がないというのが正直なところですね。
でも,(KickstarterのシェンムーIIIのページにアクセスが多すぎて)サーバーがクラッシュしたという話や,1 million,2 millionに到達したスピードがゲームでは1位だったという話を聞いて実感が沸いてきたので,やって良かったと思っています。
ただ,より多くのことにチャレンジできるよう,できるだけたくさん予算が集まるとありがたいです。
鈴木 裕氏(YS NET) |
――ひとまずのゴールを迎えたということで,これで開発がスタートするという認識で良いでしょうか。
鈴木氏:
普通はそういう認識でいいと思います。ただ,厳密には募集期間が終わるまではキャンセルが可能なので,キャンセルされてしまうとできなくなってしまいますね。
――Kickstarterで募ったお金だけでプロジェクトを遂行するのでしょうか。
鈴木氏:
それは違いますね。YS NETの調達資金とKickstarterを合わせて進める予定です。
――SCEのプレスカンファレンスに登壇されたのは,お誘いがあったからですか。それとも,お願いして登壇することになったのでしょうか。
鈴木氏:
SCEさんとは,パートナーとしてシェンムーIIIのプロジェクトに興味がありますか,という話をしたのが最初ですね。もともとシェンムーは,「移植してほしい,復活してほしいソフト」のかなり上位にあるという話を,以前から聞いていましたから。
これを自分で言うと手前味噌になってしまいますけど,「ゲームの歴史上,重要なタイトルであるシェンムーをみんなが望んでいる。もしIIIを立ち上げるのであれば協力する」と言ってもらえたんです。
Kickstarterについては,こちらからした提案なのですが,だったらということでカンファレンスの場を設けてもらいました。
――シェンムーIIIが立ち上がったきっかけは,ファンからの声だったということですね。
そうですね。もう10年以上前からそういう声が届いていたので,やる方法がないかと模索していました。ですから,Kickstarterを知る前から,パートナー探しに動いてはいましたが,条件が合わなかったりして,なかなかスタートできなかったんです。
その点,Kickstarterの皆さんと一緒に作っていく性質は相性が良いと思います。シェンムーを待っているファンの声には2種類あって,ストーリーの続きが気になるという人と,独特のオープンワールドで遊びたいという人がいます。でも,それを両方やろうと思ったら,開発費がかさんでしまって,いつまで経ってもスタートできません。
ですから,オープンワールドの要素はある程度用意しつつ,お金が集まった範囲でミニゲームやアルバイトの数を増やすなど,スケーラブルに拡張して要望に応えていくという形にできれば,と考えています。
――オープンワールドの元祖と言われているシェンムーの新作を手がけるにあたって,シリーズのどのような部分を大事にしたいと考えていますか。
ストーリーをフォローすることが,一番大事だと思っています。それから,東洋のスピリチュアルな部分や文化,習慣などがしっかり盛り込まれていて,異文化に興味を持てるというのもシェンムーの良さです。そういったシェンムーらしさは大事にしたいですね。
海外で人気があるといっても,(シェンムーIIIを)海外に向けた作りにするつもりはありません。
――前2作の当時とは,ハードウェアのスペックがまったく違います。今だからこそ,「これをやりたい」という展望はありますか。
鈴木氏:
15年前,シェンムーとIIを計画したときに,同時にIIIの計画もあったんですよ。そのときから,やりたいと思っていることが2つあります。
1つが,涼と莎花の関係を深く掘り下げること。もう1つが,ミニゲームやギャンブル,クエストといった要素について,それぞれのつながりが弱いのでなんとかしたいということですね。直接ゲームの進行に影響したり,強くなって相手をやっつけやすくなったりとか。たとえば,クエストで「技書」をもらい,それによってQTEで特殊な技が出るようになるなど,アイデアを詰めているところです。
――発売の予定を教えてください。
鈴木氏:
2017年の末までにリリースするような計画です。
――それでは,最後にファンへのメッセージをお願いします。
鈴木氏:
長年にわたってシェンムーを待っていてくれた方,コミュニティに参加してくれた方の声は,ずっと僕に届いていました。そのおかげで,こうして新たにスタートを切ることができました。これはサポートしてくれた人達があってこそのことなので,これからも頑張って作っていきます。応援をよろしくお願いします。
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