党首討論で民主党の岡田克也代表の質問に答える安倍晋三首相=17日午後、国会・参院第1委員会室(酒巻俊介撮影)

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 安倍晋三首相は17日の民主党の岡田克也代表との党首討論で、12日の衆院厚生労働委員会で同党議員に入室を阻まれた渡辺博道委員長(自民)が負傷した問題について「言論の府である委員会の議論を抹殺するもので、極めて恥ずかしい行為だ」と激しく非難した。

 これに対し、岡田氏は暴力による阻止を重ねて正当化し、与党が「強行採決」を行う場合は再び実力行使で阻止することを示唆した。

 首相は冒頭にこの問題を取り上げ、渡辺氏の入室を「暴力を使って阻止した」と強調。「反対なら堂々と委員会に出て反対の論陣を張ればいい」と訴えた。岡田氏ら民主党幹部が暴力による審議妨害を肯定していることを「大変残念だ」と述べ、「民主党代表として二度とやらないと約束していただきたい」と迫った。

 だが、岡田氏は「公正な議会運営を確保できるかが問題だ」とはぐらかした上で、「強行採決をしないと約束するか。それをせずこちらだけ責められても困る」と開き直り、今後も暴力による阻止をにおわせた。暴力を否定しない岡田氏に対し、首相はその後も計4回、「質問に答えていない」などとただしたが、岡田氏は無視した。