とにかく博士が工場に行くと、確かに柱といい、流し台、機械基礎なども、錆だらけになっていた。
担当者の人は純水で何でも洗えば、表面がきれいになると信じていろいろなところを洗ったのだという。以前「マーライオンの口から海水」のところでお話したとおり、純水は、水道水に比較して数百分の1程度の塩類しか含まれていない。よって、純水が金属類に接触すればたちどころに表面層を溶解してしまう。洗った直後は金属のきれいな面が見えるかもしれないが、すぐさま錆の成長が始まっている。
そんな話を聞いていた担当者は、柱や基礎は鉄材だからともかく、何でステンレスの流しが錆びるんだ…と文句を言っていた。
ステンレスにはグレードがあり、日本のSUS304のグレードならば信頼できるが、安い価格のものはたいていがSUS403であり、ニッケルが混ざっていない。ニッケルは近年値段が上がっているためにこうしたステンレスが特に海外では使われていることが多い。塩酸や、硫酸に弱く、工場内で使えるものではないと、水乃博士が語ると、そういえばこの流しは輸入品で安かったなどと言う。
工場は、その後、すべての流しが買い換えられて、柱や基礎には防食塗料と耐酸コーティングが施された。
さてもう一つ、メッキ工場からクレームがあったことがある。
そのお客は、博士にいい純水を作ってくれとだけ頼み、製品の内容は知らせていなかった。純水の純度は、12MΩ・cmを示していた。製品がすべて、光沢が無いと言う。亜鉛メッキをこの純水で洗ったらしい。光沢ができるわけが無い。すぐに、博士は純水装置のバイパスラインを設けて、純度を低下させて1MΩ・cmに調整した。製品は、すぐに検査に合格するようになったという。水質がよければ、良いというわけではないのだ。
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純水で洗っても、見た目がきれいになるわけではない。
超純水では、肌が荒れるように…
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