◇マーリンズ2−1ヤンキース
マー、初対戦のイチにも試合にも負けた−。大リーグは15日、各地で行われ、ヤンキースの田中将大投手(26)は交流戦・マーリンズ戦に先発し、7イニングを9安打2失点と粘ったが、2敗目(4勝)を喫した。マ軍のイチロー外野手(41)は2番・中堅で5試合ぶりに先発出場し、4打数2安打。田中との公式戦初対戦は右前打、二塁内野安打、見逃し三振、遊ゴロの内容だった。ジャイアンツの青木宣親外野手(33)は交流戦・マリナーズ戦で4打数1安打1打点。チームは1−5で敗れ、ホーム9連敗となる5連敗を喫した。
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メジャー15年目を送る最年長野手の打撃技術に、2年目右腕が脱帽した。大リーグファン垂ぜんの夢の対決が実現したのは、試合開始から8分後の午後7時19分。1回裏のマーリンズの攻撃で、2番イチローを迎えると「意識はしましたね。この舞台で対戦できたっていうのは。自分が小学生のころとか想像がつかなかった」と、マウンド上の田中も平静を装いながらも、気持ちを高ぶらせた。結果は2球目の93マイル(約149キロ)の直球を右前に運ばれ、公式戦初対決はイチローに軍配。3回の第2打席にも二塁内野安打を許し「2本も打たれてしまったんで、完敗としか言いようがない」とかぶとを脱ぐしかなかった。
ただ、ヤンキースの開幕投手がやられっぱなしで終わるわけにはいかない。5回の第3打席では、1−2と追い込んでからの5球目に、この日最速となる95マイル(約153キロ)の直球で見逃し三振。魂のこもった一球で一矢を報いたが「気持ち的にあったのは、ただ抑えることだけ。イチローさんが追い込まれてスプリットを意識してるところに、ど真ん中のストレートがいった。頭になかったボールじゃないかな」。ポーカーフェースは崩さなかった。
試合は7回2失点と5戦連続クオリティースタート(6イニング以上を自責3以下)をマークしながらも、1−1と同点の7回に7番ディートリッチに決勝ソロを浴びて4月6日の開幕戦以来の負け投手。序盤から制球が甘くなり、今季最多の9安打も浴び「リズムをつかみきれない部分があった。(7回に)ホームランを打たれた打者に2−0になった時点で、『気を付けないと』と思った一球が真ん中にいってしまった」と反省の言葉を並べるしかなかった。 (マイアミ穐村賢)
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