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南沙諸島“新たな埋め立て計画ない”
6月17日 4時28分

南シナ海を専門に研究している中国政府系の研究機関のトップは、中国が南沙(スプラトリー)諸島で現在、工事を進めている7か所以外に新たに埋め立てを行う計画はないという見方を明らかにしました。
南沙諸島での中国による埋め立て工事について、中国政府は詳細を明らかにしていませんが、フィリピン政府は、中国が7か所の浅瀬で工事を進めていると公表しています。
これについて、南シナ海の領有権や資源開発を専門に研究する政府系の研究機関「中国南シナ海研究院」の呉士存院長は16日、NHKのインタビューに応じました。
この中で呉院長は「私の知るかぎり、7か所以外の浅瀬を埋め立てるという話はない」と述べ、中国が新たに埋め立てを行う計画はないという見方を明らかにしました。そのうえで、「今、進めている浅瀬の建設工事が終われば、当面は南沙諸島の主権を守ることができる」と述べ、現在の建設工事が完了すれば中国の当面の目的は達成できるという考えを示しました。
南沙諸島の浅瀬の埋め立てを巡って、中国外務省は16日、近く埋め立てが完了すると発表しており、呉院長の今回の発言は、中国が今後、当面は新たな浅瀬の開発は行わず、すでに実効支配している7か所の機能強化に力を入れる計画であることを示したものとみられます。

米「施設の建設も停止を」

アメリカ政府は「中国は、埋め立ては停止しても軍事拠点の建設は続ける方針だ」と指摘し、施設の建設も停止するよう求めました。
アメリカ国務省の高官は、16日、記者団に対して、中国外務省が南シナ海で進めている浅瀬の埋め立てを近く終える見込みだとしていることについて、「埋め立ての停止は歓迎するが、同時に中国側は軍事拠点の建設は続けると明言している」と指摘しました。
そのうえで、この高官は「軍事拠点の建設をわれわれは望んでいない。中国側は緊張の緩和どころか逆のことばかりしている」と批判し、来週23日からワシントンで開かれる米中戦略経済対話の場でこの問題を取り上げるとしています。

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