小笠原沖地震:M8.1に修正 気象庁
毎日新聞 2015年05月31日 17時16分(最終更新 05月31日 23時27分)
小笠原諸島西方沖の巨大地震について、気象庁は31日、地震の規模を示すマグニチュード(M)を8.5から8.1に、震源の深さを約590キロから682キロに修正した。地震のエネルギーは当初発表の約4分の1になる。1900年以降のM8以上の地震としては、70年のコロンビアの地震(M8.0、深さ645キロ)を抜いて、世界で最も深い震源になるという。
気象庁によると、地震直後は津波の情報を迅速に提供する必要から、当初は3分以内に観測された震源から700キロ以内の小笠原諸島と伊豆諸島の4地点の観測値のみで計算してM8.5とした。その後、2000キロ圏内の101地点のデータで再計算したところ、結果が変わった。
非常に深い場所で地震が起きた理由について、平田直(なおし)・東京大地震研究所教授は「震源の太平洋プレートは地球で最初に生まれたプレート。冷却が進み、内部の岩石が他の場所より重くて硬いと考えられており、破壊されやすい可能性がある」と指摘する。震度1以上の揺れは1885年の観測開始以来初めて全都道府県で確認され、沖縄県では体に感じる揺れがなかった東日本大震災を上回った。
総務省消防庁や東京消防庁によると、地震で東京、神奈川、埼玉の3都県で少なくとも計12人がけがをした。【鳥井真平、斎藤広子、松本惇】