日米財務相:円安・ドル高けん制「経済に悪影響」

毎日新聞 2015年05月29日 10時55分

 【ドレスデン坂井隆之】先進7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議のため独東部ドレスデンを訪問中の麻生太郎財務相は28日午前(日本時間同日夜)、米国のルー財務長官と会談。「為替レートの無秩序な動きは経済に悪影響を与える」とのこれまでのG7の合意を再確認し、足元の急速な円安・ドル高の進行をけん制した。麻生氏は同日夜の会見で「荒い動きがある。市場の動きを注意深く見ていきたい」との姿勢を示した。

 外国為替市場では、米国の利上げ観測などを背景に円売り・ドル買いが進み、28日は円相場が一時1ドル=124円台半ばと約12年半ぶりの水準まで下落した。米国では輸出企業の業績悪化懸念などから議会で不満が強まっているほか、日本でも円安に伴う輸入品の価格上昇が家計を圧迫する懸念が出ており、日米が急速な為替変動へのけん制で足並みをそろえた形だ。

 ただ、世界経済について議論を行ったこの日のG7の会議では、「為替についての話はなかった」(財務相同行筋)といい、各国の成長戦略や行財政改革の必要性などに議論が終始したという。

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