猫を償うに猫をもってせよ

2015-06-14 このエントリーを含むブックマーク

 いったいいつから、殺人犯が手記を刊行してはいけないということになったのだろう。では永山則夫は、佐川一政は、木嶋佳苗は、永田洋子は。いやほかにも手記はたくさんある。

 つまり少年法によって、二人殺しながら死刑にならなかったのが許せんと言うなら、それは少年法の改正を訴えればいいだけのことで、少年Aがいくら懇願したって死刑にはしてくれないのである。

 永山は印税を遺族に支払ったからいい、と言うなら、遺族に支払え、と言えばいい。木嶋はまだ判決は確定していないが、それが本質的な問題かどうかは分からない。

 永山が文藝家協会から入会を拒否されたことに抗議して退会した柄谷行人、中上健次、筒井康隆、井口時男のうち、三人はまだ生きているが、こういう人たちもネット上リンチの対象にしたらどうか。

 こういう、ほかの例を踏まえない愚論が多すぎる。