ギリシャと債権団、ともに態度を硬化 「非常事態」に備える必要
[アテネ/ブリュッセル 15日 ロイター] - ギリシャ債務問題の打開に向けた協議が14日に物別れに終わったことを受け、ギリシャ側も債権団側も態度を硬化、15日にはドイツ出身のエッティンガー欧州委員から「非常事態」に備える必要があるとの発言が飛び出すなど、混迷は深まっている。
14日の協議が物別れに終わったことについて、ギリシャ政府はこの日、協議再開のために提案を再提出する見込みはないと表明。チプラス首相は、ギリシャの尊厳を守る責任があるとし、再建団側が要求している一段の年金削減などを拒否する姿勢を鮮明にした。
欧州債権団との交渉が暗礁に乗り上げるなか、チプラス首相は18─20日にロシアを訪問し、同国で開催される経済フォーラムに出席するほか、プーチン大統領と会談する。
チプラス首相がロシア入りする18日には、ユーロ圏は財務相会合を開催。欧州連合(EU)当局者は、ギリシャがこの日までに改革事項をめぐる新たな提案を提出しなければ、ユーロ圏はギリシャに対し欧州側の要求を受け入れるかユーロ圏を離脱するか、最後通告を行う可能性があるとしている。
今月末に16億ユーロの国際通貨基金(IMF)融資が返済期限を迎えるまであと2週間。この日もギリシャの銀行からの預金流出は続き、銀行筋によると15日の流出額は約4億ユーロ(4億4900万ドル)に達した。
欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁はこの日に欧州議会で行った証言で、ギリシャの銀行に対する緊急流動性支援(ELA)について、支払い能力があり十分な担保を持つ限り続ける考えを表明。
ただ、「ギリシャ政府が市場から資金調達できない場合、財政ファイナンスの禁止規則を回避するために、ECB供給の流動性を使用することはできない」とし、支援には制限が存在するとの認識も示した。
こうしたなか、南ドイツ新聞(電子版)は、週内にギリシャ支援協議が合意に達しない場合に備え、ユーロ圏がギリシャの銀行に対する資本規制導入を含む緊急対応策で合意したと報じた。 続く...
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