米ヘッジファンド、サムスン世襲に「NO!」 法廷闘争にも発展 (2/3ページ)

2015.06.16


サムスンの次期トップとみられる李在鎔氏(右から2人目) (ロイター)【拡大】

 合併案では、サムスン物産の株式1株につき第一毛織が新株0・35株を発行するというサムスン物産にとって不利な条件になっている。だが、資産規模でみると、サムスン物産はグループ中核企業、サムスン電子株70億ドル(約8590億円)相当を含め、グループ企業の株式を120億ドル(約1兆4700億円)超保有。資産総額は29兆5000億ウォン(約3兆2580億円)と、第一毛織の3倍を超えている。

 エリオットは9日、第一毛織とサムスン物産の合併を決める臨時株主総会の決議を禁止する仮処分訴訟を提起するなど、サムスン側と全面戦争に突入する構えを見せた。

 サムスン物産は5・76%の自社株を、いわゆるホワイトナイト(白馬の騎士)である化学メーカーのKCCに譲渡した。英国に上場する株式預託証書を上場廃止にすることで、英国での訴訟を回避するとの観測も浮上する。

 こうした防御策に対し、エリオット側は、サムスン物産の自社株処分が違法だとして仮処分訴訟を提起する姿勢を打ち出した。

 資産家のポール・シンガー氏が1977年に創業したエリオットは、アクティビスト(物言う株主)として知られ、260億ドル(約3兆1900億円)超の資金を運用している。

 その凄腕ぶりが話題になったのが、アルゼンチン国債をめぐる一件だ。2001年に債務不履行(デフォルト)を宣言した同国の国債を安値で大量に買い集めたうえで、米国の裁判所に償還を求める訴訟を起こし、15億ドル(約1840億円)超の支払い判決を勝ち取った。中央日報は「法廷闘争の勝率は6割を超える」と報じている。

 

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