韓国の中東呼吸器症候群(MERS)感染では、最大財閥サムスングループに属するサムスンソウル病院のずさんな院内感染防止策が浮き彫りになった。行政当局の対応が手ぬるいのは財閥への配慮かと世論の不信感を招いており、さながら「サムスンソウル病院問題」の様相だ。
15日の保健福祉省の発表では、新たな感染者が13、14両日に計12人確認され、感染者は計150人になった。14日に男性2人が死亡し、死者は16人。隔離対象者は15日時点で5200人を超え、終息の兆しはない。
韓国の感染者の約半数はサムスン病院で感染。5月27〜29日に感染者の男性(35)を応急処置室で治療した際、医師や他の患者に感染が広がった。サムスン病院は3571人を隔離するなどして管理していると発表しているが、同病院で感染が確認された72人のうち34人は管理対象外だった。(共同)