厚生労働省は16日、韓国で中東呼吸器症候群(MERS=マーズ)の自宅隔離対象者で帰国した日本人2人のほかに、本人が隔離対象と分かる前に帰国した日本人が複数いると明らかにした。国内の保健所で経過観察をしているが、厚労省は「いずれも症状は出ておらず、感染リスクは低い」として冷静な対応を呼びかけている。
厚労省によると、韓国で自宅隔離となる対象者は幅広く、日本の基準で定める「健康監視」の対象者とは必ずしも一致しないという。
厚労省などによると、韓国で医療機関を訪れたり、感染者と同じ場所に滞在したりした日本人が帰国したとの通報が、6月に入って複数回、韓国政府からあった。
これらの日本人は韓国から出国した後になって、自宅隔離対象者だったことが判明したという。国内での経過観察の結果、症状は出ておらず、既に潜伏期間を過ぎた人もいる。また、現時点で韓国内に自宅隔離の対象となっている日本人はいないという。
塩崎恭久厚労相は16日の閣議後の記者会見で「韓国から通報があったときには全面的に協力する。必要な対応をこちらがとる」と述べ、両国の連携に問題は無いとの認識を示した。
韓国政府は15日、5200人超の隔離対象者のうち、日本人ら20~30人の外国人が含まれていると明らかにした。いずれもウイルス検査の結果は陰性という。
厚労省は韓国などからの帰国者や入国者について、MERS感染者と接触した場合、潜伏期間の14日間は発熱などの症状がなくても、1日2回の検温を求める健康監視の対象としている。
健康監視で発熱が報告されれば、MERS感染が疑われる患者として、居住地の地方衛生研究所と東京の国立感染症研究所でウイルス検査をし、陽性の場合は発表することにしている。
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