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【埼玉】

風刺漫画で「護憲」「脱原発」 神奈川の橋本さん

風刺漫画展を開催する橋本勝さん=神奈川県逗子市で

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 1960年代から風刺漫画を描き続けている橋本勝さん(73)=神奈川県逗子市=の作品展が17日から小川町立図書館ギャラリー(小川町大塚)で開催される。橋本さんは憲法9条や原発、在日米軍基地などを題材にした作品を次々と発表し、最近では参加した集会に自らの作品を掲げて「護憲」や「脱原発」を訴えている。21日には展示会場を訪れ、大型化した自作を用いての「紙芝居」も実演する予定だ。(桜井章夫)

 橋本さんはデザイン学校を卒業後、都内の広告会社でイラストなどを手掛けていた。洋画関連の仕事でイラストを描いているうちに政治への関心が高まり、六六年に風刺漫画作品集を発行したのが風刺漫画家としてスタートだった。「チャプリン映画の影響が大きかった。最大の悲劇は戦争だが、ユーモアや笑いのなかに人間の感性に訴えるものがある」と話す。

 これまでに橋本さん作の数多くの風刺漫画が新聞や雑誌などに掲載された。著作には「戦争ってナンダ!?」「映画の名画座」「脱原発しかない」「憲法絵本 生きる!生かせ!日本国憲法」など。九六年度には「20世紀の366日」が第二十五回日本漫画家協会賞優秀賞を受賞している。

 作品展で紹介するのは約三十点。「9」形テーブルに世界の民族が笑顔で着席し、憲法九条の意味を訴える「戦争のない世界」や、核廃棄物を背負った人々がさまよう「原発は未来への大きな負担」、死に神を乗せたオスプレイが傾いて飛行している「オチプレイはいらない」など。タイトルがなくても一目で理解できる作品がほとんどだ。

 最近では作品を大型化して組み合わせた紙芝居も制作、反戦集会などに持参して会場で披露している。今年四月には名古屋市、今月は東京・銀座と福岡市で実演した。橋本さんは「憲法九条にしても原発にしても非常に危険な時を迎えている。笑いのなかに問題の深刻さを感じてもらえれば。紙芝居は作品解説を兼ね、私の肉声で問題を訴えたいから」と話している。

 作品展は、橋本さんの友人で川越市を中心に活動している「中国帰還者連絡会平和記念館」事務局長の芹沢昇雄さんが中心となって実行委員会を設立し、開催となった。二十八日まで。入場無料。休館は二十二、二十五日。問い合わせは実行委員会=電080(9778)2244=へ。

 

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