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【政治】

砂川根拠「間違った理解」 長谷部氏ら批判

安保法案について話す長谷部恭男氏(右)と小林節氏=15日、東京・有楽町の日本外国特派員協会で

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 安全保障関連法案について、衆院憲法審査会の今月四日の参考人質疑で「憲法違反」と明言した長谷部恭男(やすお)早稲田大教授と小林節慶応大名誉教授は十五日午後、東京都内の日本外国特派員協会で記者会見した。冒頭発言で長谷部氏は、政府・与党が砂川事件の最高裁判決(一九五九年)を根拠に安保法案は「合憲」と主張していることに対し「砂川事件判決は、集団的自衛権についてなにも議論していない。間違った理解だ」と批判した。

 小林氏は冒頭発言で「改憲せずに安保法案の政策を推進することは法の支配を壊す」と法案に強い懸念を示した。同時に「安保法案は違憲だ」との見解も重ねて表明した。

 長谷部氏は、自民党内から憲法学者に批判が出ていることに対し「今の安保法案は日本の安全をむしろ危うくする。日本の安全を守りたいなら学者の意見を聞くべきだ」と述べた。

 長谷部、小林両氏は憲法学の第一人者。四日の参考人質疑には、笹田栄司早稲田大教授を含めた三人で出席し、全員が安保法案を違憲と明言した。長谷部氏は自民党からの推薦で参考人出席していた。

 これに対し、安倍晋三首相は「憲法の基本的論理は全く変わっていない」などと反論。長谷部氏らに対し、自民党内からは「憲法の番人は最高裁であり、学者ではない」(高村正彦副総裁)といった反発も出ている。

 

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