MERS:韓国、自宅隔離対象に日本人家族 既に帰国

毎日新聞 2015年06月15日 18時23分(最終更新 06月15日 23時39分)

ソウル市内でマスクをして歩く人たち=2015年6月15日、AP
ソウル市内でマスクをして歩く人たち=2015年6月15日、AP

 ◇隔離対象者が増加 5200人以上が自宅などに

 【ソウル米村耕一】中東呼吸器症候群(MERS)コロナウイルスの感染者が韓国で拡大している問題で、日本人家族が自宅隔離措置の対象になり、その後、帰国していたことが15日、関係者への取材で明らかになった。感染者が出ている病院と接点があったが、発症しておらず、他人に感染する可能性はないという。また、感染拡大の場になっている大手病院では、感染者が最近まで隔離されていなかったことが判明。終息の兆しはまだ見えていない。

 韓国保健福祉省の15日の発表によると、感染者は14日に5人増えて計150人に。同日に2人が死亡し、死者は計16人となった。感染の拡大を防ぐために隔離対象者を増やしており、15日現在で5200人以上が自宅などに隔離されている。

 特に71人の感染者を出しているサムスンソウル病院では、先月末に感染者と接触した医師と職員の計2人が、隔離されないまま今月10日まで勤務。その後、感染が確認された。地元紙によると、この職員が接触した人数は医療関係者や患者を合わせて394人に達するという。

 サムスンソウル病院は外来患者の受け入れを停止するなど一部閉鎖を決めた。全国各地から患者が集まる名門病院だけに、「感染防止の基本を守っていない(15日付の朝鮮日報)」などとして批判が高まっている。

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