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 財政危機のギリシャに対し、欧州連合(EU)や国際通貨基金(IMF)などが追加の金融支援を行うかどうかの交渉で、IMFがEUなど欧州の支援者側にギリシャが抱える債務(借金)の軽減を求めていることがわかった。交渉の難航でギリシャが借金を返せない債務不履行(デフォルト)に陥る懸念が強まっており、ギリシャに改革を要求すると同時にEUなどにも負担を求めている。

 IMFのチーフエコノミストのブランシャール氏が14日、IMFの公式ブログで明らかにした。ブログによれば、先週の協議で、IMFなどは「反緊縮」を掲げるギリシャに、財政再建目標の引き下げや、より限定した構造改革などを提案。ブランシャール氏はこの実現には、①ギリシャが目標達成のために信頼できる方策を打ち出す②(EUや欧州中央銀行〈ECB〉といった)欧州の債権者がギリシャに対し、追加的な支援や、債務返済期限の見直しなど債務軽減に応じる――の二つの条件が必要だとした。

 ただ、ギリシャを支えてきたユーロ圏の国々は安易に債務軽減を認めると、国民の反発を招く可能性があり、難しい判断を迫られそうだ。この週末もギリシャとEU側が協議したが、物別れに終わっており、ブランシャール氏は「これらの線に沿って合意がなされることを望む」と指摘した。(ロンドン=寺西和男)