年収230万円では、日々の生活も厳しい。結婚したくとも収入面で難しい。かつて2人ほど交際した女性もいたが、同じ福祉業界で働く者同士でも実家という壁が立ちはだかった。
「10年程前に交際した女性のご両親からは、『もっと年収のいい業界に転職するならば』という条件をのまなければ結婚は認めないと。5年前に交際した女性のご両親もそうでした。あまりにも年収面で不安があると。実際、60歳を超えた両親と同居。親がかりでの生活なので、あまり偉そうなことはいえませんが……」(同)
山藤さんのこうした状況をみかねた両親は、地元の結婚相談所に相談した。だが結婚相談所からは、こう言われたという。
「とても大事なお仕事をされていらっしゃることはわかります。でも年収350万円以上はなければお世話することは難しいです。いくら正社員でも厳しい……」
年に2度、自腹で酒を飲み、風俗に行き憂さを晴らす
結婚も出来ず、かといって40歳も半ばを迎えた年齢で今さら転職も出来ない。小遣いは毎月2万円。休日はスマホで無料映画三昧だ。年に2度、スナックで2万円程度の予算で酒を飲み、指名料込みで1万5000円ほどのファッションヘルスに行き、憂さを晴らす。それが楽しみだ。
毎日の食事は、昼は激安で知られるドラッグストアで買ったカップラーメンかパンで済ます。昼食代は200円以内。夜はスーパーの半額になった弁当や惣菜で腹を満たす。今の夢は、ワンコインのコンビニ弁当を昼に食べること、だ。
「親に渡すお金が月7万円。残りはインターネットのプロバイダー代金や中古で買った車の維持費です。貯金は毎月5万円しています。老後を考えるととても蓄えとはいえません。病気でもするとどうなるか。不安です」(同)
厚生労働省によると、10年後の2025年には全国で約700万人になると予測、65歳以上の約20%、5人に1人という計算だ。進み行く高齢化社会の受け皿である福祉業界の待遇改善を早期に図らなければ10年後、介護を受けられない人が出る恐れがある。今こそ、手を打たなければ後に悔いを残す。急ぎ手を打つことが必要だ。
(取材・文/秋山謙一郎)