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シゴトノオト
シゴトがうまくいくヒントがありそう!人気のコノ人に「シゴト」について聞きました
月曜更新
のむらしゅうへい 1993年11月14日生まれ、兵庫県出身。2010年にドラマ『新撰組PEACE MAKER』で俳優デビュー。映画・ドラマ・舞台・CMとオールジャンルで活躍。12年、NHK連続テレビ小説『梅ちゃん先生』に出演し注目の的に。13年『35歳の高校生』14年『若者たち2014』など人気ドラマで存在感を示し、映画『クジラのいた夏』『日々ロック』では主演。舞台にも果敢に取り組み、2015年は 舞台『禁断の裸体』で、文字通り「体当たり」の芝居に挑んだ。
俳優で生きていこう。
そう決めたときに考えかたと行動を変えました
2012年にはNHK連続テレビ小説『梅ちゃん先生』、14年は『若者たち2014』で、
瑞々しくも骨太の演技を見せ脚光を浴びている俳優・野村周平。
まだ21歳という無邪気さをちらつかせながら、ぶれない意思と度胸を感じさせるのが魅力。
これからが楽しみすぎる野村周平の「今」――。
伸びやかな演技は
大自然のおかげかな
映画『愛を積むひと』では、佐藤浩市さんや樋口可南子さんなど、日本を代表する豪華なキャストのみなさんと共演することができました。プレッシャーよりも、この中に名前を連ねることができたうれしさが強かったです。撮影は北海道の美瑛(びえい)という場所で行われました。広大な景色と豊かな自然に毎日囲まれ、シゴトをしているのに心身ともにリフレッシュしちゃいました。あんなに贅沢なロケーションで芝居したのは初めてのこと。自然のエネルギーをたっぷり吸収しながら伸び伸びと演技ができた気がします。
スタッフさんや出演者のみなさんも、「雲待ち」「太陽待ち」などのときには、イライラもせず、かえって自然を堪能している感じでした。朝8時から夕方5時くらいまで撮影して、撮影が終わったら「何食べに行く~?」、そして22時には就寝。健康的です。毎回こんな現場だったらどんなにシアワセだろう! いい思い出ばっかりの作品になりました。佐藤さんと一緒のシーンが多かったのも印象的です。さすが、日本を代表する俳優だ! という場面にたくさん出会いました。「こういったアングルでは、このような演技をすべき」とか「光の加減でどう撮れるのか」、「自分が今、何を求められているのか」など、いろいろな方向から映画というものを把握していらっしゃいました。大先輩の演技のこだわりを、目の前で見ることができたことも贅沢な経験となりました。作品は、北海道で余生を過ごす夫婦の物語です。美しい景色と優しい人間模様が、観る人の心をきっと温めてくれると思います。
大人の仲間入り
空気を読む、調子に乗らない
高校時代、シゴトが全然なかった時期があります。このまま役者を続けていても意味がないんじゃないか……、もう辞めてしまおうか? と悩みました。そのとき『梅ちゃん先生』への出演が決まったんです。再び、演技って楽しいという気持ちが目覚め、高校卒業後は、俳優業1本でやっていこうと、このときに決意しました。同時に、これまでと同じシゴトへの向き合いかたではいけない、と気がつきました。シゴト1本=大人の仲間入り。それまでは、学校に通っている自分は、まだ子どもだから自由に振る舞っていても問題ない、と思っていました。もしかしたらこの考えかたが、シゴトを遠ざけていたのかもしれないですね。大人の第一歩として、空気を読んで、他人が何を思っているのかを察することを心がけるようになりました。すると、コンスタントにシゴトがいただけるようになりました。大きな役も増えてきましたが、そこでも注意が必要。 調子に乗らないように、常に初心に戻るようにしています。シゴトをもらえるのは自分の力だけではない。地に足を着けながら、周りの人への感謝を忘れないようにしたい。「オレがすげ~からシゴトが来るぜ!」なんてあぐらをかいているような、ヘンなヤツにはなりたくないんです。
目標もビジョンもなし
大事なのは「今」
一時期は、学園ドラマに生徒役として出演する機会が多くありました。当たり前ですがその教室には、若い俳優が山ほどいます。僕と同年代の俳優、めっちゃくちゃ多いんです! ライバル視ですか? 争いごとは好まないタイプですから、そういう考えかたはないかな(笑)ひとつ、「決して流されないようにしよう」と肝に銘じています。学園ドラマの現場って学校の休み時間と一緒、ワイワイうるさく、みんなが集まると大騒ぎになってしまうんです。
一緒になって騒ぐのではなくて、スタッフさんへの気遣いを忘れない、シゴトなんだから……そういう意識はしています。俳優は、自分とは別の人生を経験できるから楽しいですね。日常生活では、考えも及ばないような役柄を想定し、非現実的なことを考えている時間も、おもしろいです。今の僕に必要なことは、いただいた役を精いっぱいやること。いろんなことをオールマイティにできるようになりたいです。目標を持ったり明確なビジョンを描いたりするよりも、目の前の「今」を一所懸命考えるのが必要な時期だと思っています。夢を見ることはありますよ。ハリウッドに進出して、ガレージのある、でっかい家に住んで、自家用ジェットで年に1回くらい撮影に行く……みたいな(笑)そういう、とんでもない妄想も「今」の僕を動かす原動力になっています。
Ⓒ2015「愛を積むひと」製作委員会
最愛の妻の死、娘との再会、北海道での出会いをきっかけに、主人公・篤史(佐藤浩市)の変化する心を描いていくヒューマンドラマ。「日本で最も美しい村」の北海道・美瑛町で撮影された映像の美しさを堪能したい。「次に何を残さなければならないのか……、メッセージのある作品です!」と野村周平くん。
■監督/朝原雄三 ■出演/佐藤浩市、樋口可南子、北川景子、野村周平、杉咲花