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国会包囲で「戦争法案、絶対反対!」 安保法案反対集会に野党党首級も参加

産経新聞 6月14日(日)18時16分配信

 集団的自衛権の行使容認を含む新たな安全保障関連法案に反対する抗議行動が14日、国会周辺で行われた。主催した「戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会」によると、約2万5千人が参加。国会を取り囲み、「戦争法案、絶対反対」「安倍政権の暴走止めよう」などとシュプレヒコールを上げた。

 集会には、法案に反対する野党の党首級も参加した。民主党の長妻昭代表代行はマイクを握り「要件が整えば集団的自衛権を際限なく行使できるというのは、どう考えてもおかしい」と主張。「政府は『歯止めはある』といっているが、国会質疑で確認した限り歯止めはほとんどない」と訴えた。辻元清美政調会長代理も参加した。

 共産党の志位和夫委員長は、衆院憲法審査会で自民党推薦を含め憲法の専門家3人全員が安全保障関連法案を「憲法違反」と断じたことに触れ、「潮目が変わりつつある。憲法を変えるために作った憲法審査会が戦争法案を進める一番の障壁になっている。痛快な話だ」と述べた。

 社民党の吉田忠智党首は「リスクが高まることを認めない不誠実な安倍政権の対応に、強く抗議をしなければならない」と訴えた。

 評論家の佐高信氏は、安倍晋三首相が4月の訪米時に英語で演説したことについて「なぜ植民地でもないのに英語で演説しなければいけないのか。あれほど米国にこびた卑屈な日本の首相は今までなかった」と非難。その上で「安倍は『日本の国民を守る』と御託を並べているが、本当に守る気がないということをあの演説が示している」と、首相を呼び捨てにしながら持論を展開した。

 ジャーナリストの鳥越俊太郎氏は「国民が反対をしていることを無視して進むのは独裁以外の何者でもない。あのアドルフ・ヒトラーがやろうとしていることと同じだ。安倍政権ではなく『アベドルフ政権』だ」などと首相をののしった。

 民主党のブレーンでもある山口二郎法政大教授は「憲法を守る市民の力が日本を戦争に巻き込まれないようにしてきた。これが歴史の事実だ」と訴えた。

最終更新:6月14日(日)18時16分

産経新聞