昨日の続きから
そうして精神的発達を遂げようとする子どもたちは、親から分離して、友達や親友を心の拠り所にして成長しようとしていきます。
親から分離するというのは、子どもにとってとても不安なものです。
一時的に消極的になったり、今まで親が働いていても平気だったのにいやがったりとべったりするようになる場合もあります。
また、離れるために反抗的な態度をとったりもします。
これは子どもたちにとっても、親にとっても試練の時なのです。
以前はギャングエイジといって、この年頃特有の子ども集団ができて、自分たち独自のルールで集団をまとめていったり、秘密基地を作って秘密を共有したりして、この試練の時を乗り越えていきました。
子どもは親と離れる痛みを、友達集団や親友の存在を心の支えにして乗り切ってゆき、親は子どものそんな姿を見て手を離す覚悟をつけていったのです。
でも現代は「いじめ」がこれだけ話題になるように、子どもの集団は変わってしまいました。暴力や嘲笑、脅しによって出来ている関係の中では、昔のようにそこを支えにして親離れすることはできません。
親の方も、安心して手を話せないので、自分たちの意向に沿った子は「いい子」として守っていく。
そうでない子は「どうしようもない子」として受け入れようとしなくなってしまったのです。
「いい子」になった子は、本当の自分を持つことができずその不満は、不登校や心身症といった形で現れることもあります。
「いい子」にならなかった子どもたちは、非行に走ったりして不安を紛らわせながらなんとか生きていこうとします。
どちらにせよこの時期をうまく乗り切れなかった子は、宿題を持ち越して生きていくことになります。
そして、その宿題はいつか、大人になってもこなさなくてはならない宿題なのです。