IT速報  投資家、五月氏の本をAmazonレビューしたら開示請求されたという人が話題


一部サイトにおいて、私が自著のレビューについてAmazonに開示請求を行ったことが話題になっていますが、これは事実です。

ただ、批判的な低評価を付けられたから開示請求したというのは事実と異なります。過去に動画や同人誌を何度も出しているのでわかりきっていますが、作品を一度世に問えば様々な意見が出るのは当たり前のことで、好意的な感想もあれば、そうでないものもあることは当然覚悟していました。

したがって今回は「本の内容とは無関係かつ、事実と異なる情報の記載により私の今後の活動に悪影響を与える可能性があるもの」と判断した2件についてのみ開示請求を行っています。また、ここに至るまでに様々な文脈があったことも後ほど説明します。

これに関連して、Amazonがレビュワーにこうした連絡を行うのなら自由なレビューができなくなるのではないかとの懸念を示す意見も見られますが、Amazonにせよ他のWebサイトにせよ、一定の要件を満たした開示請求が来れば事務的にこうした対応を行っていると思われます。そして恐らくですが、Amazonなどの事業者がこれで開示請求に応じることはないと思います。

個人情報を明かせという要求には当然ながら相応の理由がないと応じられませんので、最終的には裁判所に行き、開示に足る事実があるかどうかを判断してもらうことになると聞いています。ですので、レビューの内容が正当性を著しく欠くものでなければ何の心配もないと思います。


本題に入る前に、一部から私にかけられていると思われる嫌疑について先に反証しておきます。

■現在の資産状況について


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金曜時点のカブドットコム証券の評価額です。これに、未上場株が数億円、現預金、貸付金、その他資産で数億円あり、合計すると30億円の中盤が現在の資産額になります。未上場株については一部Exitしたものや含み益のものもありますが、簿価で計算しています。


■レオス在職時の資産増加について

2013年5月にレオス・キャピタルワークスに入社して、翌年6月末で退職するまでに急激な資産増加があったことを疑問視する声が一部であるようです。

・入社時の資産額

2012年12月に12億円まで行った資産が翌年1月には8億円台まで突っ込んだことは既に話している通りですが、その後トレーディングの利益や長期保有銘柄の上昇により、入社時には12億円まで回復した状態になっていました。ですので、その後メディア等で話す時も12億円をベースにしていました。

・在籍中の資産増加要因

これもブログかどこかに書いたと思いますが、アベノミクスに対する命綱として、当時最も良いと思っていた銘柄とその逆の銘柄の2つだけは保有したまま就職しました。

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実際は4つですが、金額的に実質2つです。途中で証券会社を変えて移管しているので日付が5月以降になっています。ファンコミは分割しているので簿価がいくらかわからなくなりましたが、時価総額が100億円ちょっとだった頃に7000万円分買っています。ソケッツは見たままです。

入社前に保有していた株を持っておくこと、その反対売買を行うことは禁止されていません。ファンコミは10倍以上となったところで証券優遇税制が2013年で無くなることもあって売却、ソケッツも材料が出て3倍ぐらいになったところで売れて大きな利益となりました。その結果がこれです。

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よくトレードをされている方ならわかると思いますが、現物の取得費用30.7億円に対して売却額36.8億円、差し引き6億円の利益と言うのは通常のトレードでは出せない収益率です。入社前に少しトレードしていた分の売買代金も含まれているのでトータルで67.4億円となっていますが、退職後の2014年の分は6ヶ月分で400億円以上になっており、この規模の資金をまともに運用すると桁違いの売買代金になります。

以上が入社前12億円、退職時17億円となっていた資産増加に関する説明です。


■フェローテックで買い煽りをして売り抜けたという批判について

こちらは本でも触れていますが、完全な投資判断の間違いです。私自身も損失を受けました。自信のあるアイデアだっただけに大きく書いてしまったことは事実なので、それによって損失を被ってしまった方がいれば申し訳なく思いますが、一方で投資は自己責任が大原則であり、プロのアナリストでも投資判断を間違えることは頻繁にある中で、一つの読み違えに対して「ネットで買い煽って高値で売り抜けた不正行為」とするのはあまりに客観性を欠いていると言わざるを得ません。あまりこういうことは言いたくはありませんが、深刻な証券不況の最中だった2011年に比べると、今の方がネットでの買い推奨文は遥かに多く出回っていると思います。


■2ちゃんねる投資一般板「cisスレ」における粘着行為について

レオス在職中の取引については私が公に説明をしてこなかったため(そんな義務も通常ないと思いますが)、2ちゃんねるの特定スレッドでは、「在職中にあれほど資産が増えるのはおかしいので、違反をして個人資産を運用していたに違いない」「そうでなければ、現在の資産額を誇張して読者を欺いているに違いない」という根拠の無い憶測に基づく書き込みが繰り返され、当該スレッド内ではまるでそれが事実であるかのようなコンセンサスが作られ、「不正を働いて稼いだ投資家は徹底的に攻撃すべし」という風潮ができあがっていました。最近では、「あんな奴はアウトローに刺されて殺されてしまえ」というようなコメントさえ度々見られるまでエスカレートしています。 

また、私が保有する銘柄についても、「小型株を買い占めて相場操縦をすることで不当に利益を得ている」というこれも全く無根拠な言説が繰り返され、当該銘柄のネット掲示板では「犯罪者の株は買わない方がいい」という書き込みまで現れました。2ちゃんねるとは元々そういう場所ですし、そこで好き勝手に書かれる分には何も問題ないのですが、ここまで来ると冗談では済まされません。私が自身の活動に実害が出るのではないかと言う恐れを抱いたのはこの頃からです。 

私としては、将来性のある銘柄に大きなリスクを取って投資し、それが好決算や株価の上昇という形で報われたことはとても嬉しいですし、投資家として一歩前進できたと思っていますが、それを仕手株だの相場操縦だのと言われて不正扱いされることは甚だ不愉快であり断じて納得できません。特定銘柄への集中投資であれば、フィデリティやキャピタルも平気で10%以上買うことはありますし、入念なリサーチに基づいてリスクを取り、長期で保有している投資家に対してそのような侮辱的な発言が出ることは極めて不健全だと思います。何より、保有を公開している2銘柄のうち1つについては現状失敗していてそのリスクを十分に引き受けているのに、うまく行った方だけを取り上げて不正だと言うのはあまりにアンフェアではないでしょうか。

こうした状況の中で、今回のAmazonのレビューで従前からcisスレ内で繰り返されてきた言説を投稿されたため、やむを得ずこのような措置を取るに至りました。事実、開示請求をされた2名は自らcisスレに登場し、開示請求がなされたことを告白しています。

Amazonは非常に多数のユーザーが訪れるサイトであり、その影響力はネットの掲示板などとは比べ物になりません。私とてネットの個人投資家界隈でこそ多少の知名度がありますが、今回の出版を機に初めて知ったという人が世間的には大半のはずです。そうした方々が初めて目にされるレビューに、事実と異なるネガティブな書き込みをし、私が不正を働く投資家であるとも取れるような印象を与えることが正当なレビューとは到底思えませんし、これを放置することはこれから生涯をかけて投資家として活動していこうとしている私にとって無視できないリスクです。

以上の背景から、今回のAmazonへの開示請求という措置を取りました。本を買って下さった読者の方々、本に対するきちんとしたレビューをして下さった方はそれがどのような内容でも感謝しています。しかしながら、今後も同様の迷惑行為が行われた場合、私は私自身の権利を守るために必要な行動を取るつもりです。