スコット・スナイダー米外交問題評議会(CFR)主任研究員は「韓日両国の関係は今、出発点に立った。これまでの関係を完全に新しくするだけのグランドバーゲン(grand bargain=大妥協)が必要だ」と述べた。その一方で、スナイダー氏は日本が独島(日本名:竹島)の領有権を主張せず、従軍慰安婦問題について謝罪・賠償すれば、韓国は再び歴史問題を取り上げないという「紳士協定」を結ぶべきだと提案した。米国国内の韓国研究で第一人者といわれる同氏は「先日、韓日両国の国防担当相が会い、経済担当副首相も握手した。何かが水面下でかなり前向きな流れとなっているとみられるが、頻繁に会えば扉は開けるだろう」と言った。以下は一問一答の要約。
-韓日関係をどう思いますか?
「両国は今、出発点に再び戻った。実用的な段階では対話が多い。前提条件なしに各分野の協力が進展するのは発展だ」
-それでも依然として冷たい空気が漂っています。
「だから出発点だというのだ。まだレースは始まっていない。双方のラインアップもまだ出そろっていない」
-両国関係をかなり肯定的に見ていると承知していますが。
「韓日間の関係は前進と後退を繰り返す傾向がある。両国とも未来志向的な関係が必要だということは分かっている。かつての金大中(キム・デジュン)大統領と小渕恵三首相の声明(1998年韓日共同宣言)のころは双方とも歴史問題について国内管理が可能だった。ところがそれから15年過ぎ、当時できていた状況管理が今は容易でないということが問題だ。互いに不信も膨らんだ。しかし、こうした歴史問題を無視せずに、さらに積極的に話し合う一方で限界点を決め、互いに率直な立場で議論し、結論を導けば良い結果が出るだろう」