こんばんはタモリです。
今日から始まるのは「巨大災害MEGADISASTER地球大変動の衝撃」という番組です。
まあ随分大層なお話だとお思いでしょうけどもこの4回のシリーズを見て頂ければ私たちがいかに危うい地球のバランスの中で生きているのかお分かり頂けると思います。
私たちは今地球規模の異変に直面しています。
(雷鳴)豪雨や猛暑など激しさを増す異常気象。
桁違いの破壊力を持つスーパー台風。
地下のエネルギーが突然牙をむく巨大地震。
そして迫り来る火山大噴火。
4回のシリーズでは巨大災害の脅威に最新の科学で迫っていきます。
大気と水そして大地が巨大なパワーで循環している星地球。
そのバランスが崩れた時秘められたエネルギーは暴走し私たちに襲いかかります。
繰り返されてきた地球の大変動。
その本当の姿を私たちはまだ知らずにいます。
シリーズ第1集は「異常気象」です。
猛烈な勢いで降り続き都市機能を麻痺させる豪雨。
日本全国で極端な気象現象が相次いでいます。
世界でも異常気象が頻発しています。
今地球で何が起きているのか。
科学者たちは膨大な観測データからその謎を読み解こうとしています。
見えてきたのは気候を安定させてきた大気と海の異変。
地球を巡る巨大な風に変化が起きていたのです。
将来異常気象によって災害はどこまで激しくなるのか。
最新のシミュレーションが描き出した日本の姿。
私たちはかつてない脅威にさらされようとしています。
「異常気象」大気と海の異変に迫ります。
タモリさん今日はよろしくお願いします。
よろしくお願いします。
早速ですが最近天気が何かおかしいなと思うところありませんか?みんなそれは思ってるんじゃないですかね。
だって僕らの子どもの頃多分…九州にいたんですけども夏30℃を超えるって事ほとんどなかったんじゃないですかね。
30℃。
もう今や35℃を超える猛暑日も連日のように日本各地どこかで。
すごいですよ35℃は。
よくニュースでも最近観測史上最大そういうワードを聞く事多いと思うんですけれどそれだけ記録的な現象が日本各地で相次いでいるんですよね。
そこでこちらをご覧下さい。
まとめてみました。
この1年間日本で気象庁の観測記録が塗り替えられた地点を地図に並べてみました。
この赤い点が最高気温の記録。
そして青い点が降水量雨の量の最高記録です。
この2つに絞っただけでも全国150か所以上記録が更新されているんです1年の間に。
まずは6月北海道がかつてない猛暑に見舞われました。
北海道の最高気温の記録となる37度8分を観測。
こちらは東京都内で大量に降ったヒョウです。
まるで流氷のようでした。
8月台風が立て続けに接近し四国では雨量が1,000mmを超えた所もありました。
そして広島市では土石流や崖崩れが相次いで発生。
多くの方が亡くなりました。
局地的な豪雨が甚大な被害を引き起こしたのです。
ここからは専門家の方と一緒にお伝えしていきます。
東京大学大気海洋研究所教授の木本昌秀さんです。
よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
木本さんは気象庁の異常気象分析検討会の会長も務めていらっしゃるという事でまさしく今日のテーマの「異常気象」を扱ってらっしゃるんですよね。
異常気象を扱うには異常気象っていうのはどういうものかっていうのを一応は定義しておかないと。
お願いします。
気象庁や私たちが使う時は30年に1回またはそれ以下の珍しい現象の事を異常気象と呼ぶようにしてます。
さっき僕らの小学校時代の話がちょっと出たんですけども20世紀初頭から後半にかけては比較的天候が安定してたんですかね?今のVTRでもご覧になったようにタモリさんもお感じになっておられるように実はそれに加えて長期の気候変化特に地球温暖化の影響が最近は顕著に現れるようになってきております。
ですから皆さんがどうも最近珍しい現象が多くなったんじゃないか。
珍しいのは分かってるけどそれでも多いんじゃないかとお考えになってる背景にはそういう長期の気候変化の影響がございます。
ふだんとは違う天気が日本でも相次いでいますがどうしてそういった事が起きるのか。
世界規模の研究によってそのメカニズムの一端が明らかになってきました。
原因の解明が進められている世界で同時多発的に起きた異常気象について見ていきます。
周囲を焼き尽くしながら回転する炎の柱。
アメリカで撮影された火災旋風と呼ばれる現象です。
西海岸では今年に入って各地で山火事が相次ぎました。
500年に1度という大干ばつが起きていたのです。
深刻な水不足によって農業は大きな打撃を受けました。
本来西海岸の冬は雨が多い季節です。
しかしこの冬はほとんど雨が降らず1月の降水量はゼロ。
乾燥に強いはずのアーモンドの木も次々と枯れていきました。
同じ頃アメリカの中部から東海岸にかけての地域は全く異なる異常気象に襲われていました。
記録的な寒波です。
シカゴでは平年を20℃下回る氷点下30℃を観測していました。
ニューヨーク州は大雪に見舞われ非常事態を宣言。
各地で交通網が寸断され都市部は大混乱に陥りました。
異変はアメリカだけではありません。
イギリスでは250年ぶりの大雨による大洪水が起きていました。
平年の2倍から3倍という雨が3か月にわたって降り続きました。
ロンドンの近郊ではテムズ川が氾濫し市街地が浸水。
多くの人が孤立しました。
なぜ世界で同じ時期に異常気象が多発していたのか。
大洪水に襲われたイギリスの気象庁。
当時の世界中の気象データを収集しその原因を探ってきました。
分析の結果浮かび上がってきたのは地球規模の大気の異変でした。
上空を流れる地球最大の風偏西風にある変化が現れていたのです。
日々世界で観測されている温度や風向きなどの気象データ。
こうしたデータから地球を取り巻く大気の動きが詳細に捉えられるようになっています。
これは世界各地で異常気象が起きる前の風の流れです。
世界2万か所の観測データを基に映像化しました。
一つ一つの矢印は風の強さと方向を示しています。
日本の上空に西から東へと吹く風の帯があります。
これが偏西風です。
偏西風は南北に波打ち常に変化しながら移動しています。
ここに偏西風の重要な役割が秘められています。
気温のデータを重ねます。
赤や黄色は赤道からの暖かい空気。
青は北極周辺の冷たい空気寒気です。
偏西風が波打ちながら大気をかき混ぜているのが分かります。
偏西風が北上した所をよく見ると周りより温度が高くなっています。
南の暖かい空気を北へ引き込んでいるのです。
偏西風が流れているのは日本列島がある中緯度帯。
赤道と極に挟まれた地域です。
この間を偏西風の波が移動していきます。
暖かい空気と寒気が数日ごとに入れ代わり適度な気温をもたらしています。
こうして偏西風は地球の熱のバランスを保っているのです。
ところが異常気象が多発した今年1月ごろ偏西風の流れ方がいつもと違っていました。
常に移動していた波が止まり同じ位置に固定化されてしまったのです。
風そのものは流れていますが波の位置が変わらなくなりました。
通常偏西風の波が移動している時は暖かい空気と寒気が交互にやって来ます。
しかし波が止まってしまうと暖かい空気と寒気が同じ所にとどまり続ける事になるのです。
当時の偏西風の流れです。
西から移動してくる偏西風の波。
1月半ばアメリカ西海岸付近で止まりました。
この固定化は5日ほど続きました。
この時アメリカ西海岸は南からの暖かい空気に覆われています。
こうした状態がこの冬何度も繰り返されたため大干ばつにつながりました。
一方アメリカの東側では偏西風によって寒気が大きく南下し続けました。
このため大寒波が引き起こされたのです。
アメリカで起きた偏西風の異変は大西洋を挟んだイギリスにも及んでいました。
偏西風がイギリスの南側を流れるようになり北から寒気を引き込みました。
この時の風の流れをよく見ると南の海上で偏西風が向きを変え北へ向かっています。
この風が海からの湿った空気をイギリスに運び寒気とぶつかって雨を降らせました。
風の流れが固定化された事で雨が降り続いたのです。
世界で同時多発していた異常気象。
実はこの直後日本でも起きていました。
2月山梨県など関東甲信を襲った記録的な大雪です。
当時の偏西風です。
日本の東の太平洋上で北へ大きく波打ち固定化されました。
日本列島はこの時偏西風の北側が寒気南側は暖かい空気に覆われていました。
偏西風に流されて関東南岸に近づいた低気圧が大量の湿った空気を持ち込みます。
湿った空気が寒気とぶつかった事で大雪につながったのです。
山梨県では過去100年余りで最大となる積雪を観測。
関東甲信の各地で多くの人が孤立する事態となったのです。
偏西風が何日間か止まってるだけで大変な事になるんですねこれは。
正確に言いますと偏西風自体は吹いているんですがその回り方がふだんと異なった形で止まってしまうという事ですね。
偏西風っていうのは北の冷たい空気と南の暖かい空気の境目の目安という事。
それが蛇行している。
つまりほかの場所よりも北に蛇行していればふだんよりも暖かい気候になるし南に蛇行していれば冷たい気候になる。
それがいつもと違う状況になっちゃうといつもより暖かいじゃないかっていう事で先ほどのカリフォルニアにもありましたけどもまあ5日ぐらいでしたら結構暖かい週だったねという事で終わりなんですけどもそれが何回も繰り返して同じような事になりますと…。
繰り返すんだ。
そうすると何十年間観測した事のないような異常気象という事で記録されるようになる訳ですね。
テレビ見てらっしゃる方も蛇行してるとはうすうす新聞とかで見てるんですけどもあんなに蛇行してるとは思ってないと思う。
それがふだんと違う形でかつふだんよりも非常に大きな珍しい形で蛇行するとその地域は「何だこの暑さは」というような感じの天気になって異常気象と呼ばれる。
そういう訳ですね。
木本さん8月の四国の大雨も印象に残ってますがこれも風が関係してるんでしょうか?8月は台風が南の海上で出来まして既に梅雨は明けておりましたので偏西風は日本の北の方に離れていた。
ここが風が非常に弱い状態ですね。
台風はゆっくりと高気圧の南風で上がってきたんですけど偏西風が離れてて偏西風に乗れないがために非常にゆっくりと北上を続けてその間ずっと四国や西日本に雨を降り続けさせたという事で記録的な大雨になった訳ですね。
台風がいつも近づいてくるとだんだんとスピードが上がりますよね。
そうですね。
偏西風が近くにありますと…。
この偏西風の流れに乗っちゃうんですか?そうです。
8号今年ありましたけれどもあの場合は割と偏西風が近くにあってこの辺りまではゆっくりだったけれど偏西風に近づくにつれて温帯低気圧に変わりながらスピードを上げて東へ北上した。
そういう形。
ただ今回四国に8月の上旬の11号なんかはこんな所に偏西風があって偏西風に乗りきれなかった。
しばらくだらだらと北上を続けてしまった。
偏西風が遠いとスピードがゆっくりになるんですね。
はあ〜。
これだけでいい事もあればえらい極端に悪い事もある訳ですね。
偏西風屋さんは。
そうですね。
台風自体は偏西風がなくても出来るんですけどもその進路には偏西風も大きな影響を及ぼしてるんですね。
原因となるのが偏西風だという話がありましたが実は地球は本来絶妙なバランスの上に成り立っているというか気象を安定させる大きな仕組みを持っているんですよね。
そこでこちらをご覧下さい。
出てきました。
これは地球全体を取り巻く大気の流れを示したものです。
太陽によって温められた赤道付近の熱が大気によって北極南極など冷たい地域に向かって運ばれていきます。
熱を運んでバランスをとっている。
その役割を担っている一つが今見てきた偏西風。
まあ海の水だってやっぱり流れがあって熱を分散させようとしている。
大気も当然となりますよね。
それが次にご覧頂くこちらなんですね。
今タモリさんが言っていた海の循環。
日本付近ですと黒潮。
大西洋ですとメキシコ湾流が熱を運んでいます。
大気に比べるとその流れはゆっくりなんですが運んでいる熱の量というのは膨大なんです。
こうした大きな循環が地球全体の熱のバランスをとっているという事になるんですね。
さっきの偏西風のルートは固まっていたんですけどもあのバランスが崩れちゃったから固まっていたんですか?異常気象みたいな事が起こる時はふだんと違う形で固まっちゃうと異常気象という事になる訳ですね。
この働きは働き続けているんだけれどもちょっとふだんと違う形態で起こった時に異常気象というふうな言われ方をする訳です。
偏西風の流れが止まってバランスが崩れる。
その鍵を握っているのは大気と海の関係にありました。
世界各地で異常気象を引き起こした偏西風の波の固定化はなぜ起きたのか。
大気と海の熱を研究しているケビン・トレンバースさんです。
世界の海水温などのデータを分析した結果偏西風を固定化させていた原因を見つけました。
赤道直下の太平洋インドネシア近海です。
インドネシア東部のレンボンガン島。
この島を支える産業は海藻の養殖です。
今年の初めかつてない被害が広がっていました。
海藻の4割が出荷できない状態になっていたのです。
海藻が白く変色し次々と腐っていきました。
原因はふだんより高くなっていた海水温でした。
世界の海面水温のデータです。
インドネシア周辺の西太平洋は平均29℃。
世界で最も水温の高い海域です。
当時は更に0.5℃から1℃ほど高くなっていました。
熱帯域で温められた海水が周辺から集まっていました。
トレンバースさんはこの海の熱が偏西風の波の固定化を引き起こしたと指摘しています。
そのメカニズムです。
海水温が上がると水蒸気の量が増えます。
水は蒸発する際海の熱を抱えて上昇していきます。
上空に到達した水蒸気は水滴に変わり同時に大気中に熱を放出します。
この時出る熱は凝結熱と呼ばれます。
こうして雲が出来る度に上空に凝結熱が発生します。
インドネシア近海の海水温が高かった事でふだんにはない膨大な熱が上空に放出されました。
これが偏西風の流れに異変をもたらしました。
インドネシア上空に発生した膨大な熱。
その熱のエネルギーが伝わった事で偏西風は北へ大きく押し上げられました。
この状態が続いたため偏西風の波の位置が固定化されました。
熱帯の海水温が世界各地の気象に影響を及ぼしていたのです。
インドネシアの海が熱くなるという事なんですけども海水温0.5℃なんですが鍋の水を0.5℃上げようと思ってもちょっと時間かかりますよね。
そのとおりです。
あれだけの海水の温度を0.5上げるという事はものすごい熱量が要る訳。
一つ分からないのが偏西風がもちろんここに熱があったら混ぜようとしますけどもそれが固まってしまうという事はどういう事ですか?ふだんと違う。
ふだんももちろん西太平洋は温かいんですけどふだんより更に0.5℃温かい。
余計に雲があり凝結熱が出ている状態。
その影響を感じた偏西風もふだんとその分違う形で固定されちゃう訳ですね。
なぜ固定されるんですか?海水が高いだけだとその海水に接してる空気を少し温める0.5℃温めるだけですけれどそこから水蒸気になって空気中に水分となって暖かい空気のエネルギーが入りますよね。
上空は冷たいから水蒸気ガスが液体雲になる。
その時に凝結熱というのを出してそれが上空の空気を温めてもともと上昇気流だったんだけどそれを更に加速するように。
それでインドネシア上空で上昇気流が起きますと広い範囲でそれに呼応するような水平の循環が生じる。
そうすると例えば池に石落としますね。
落としたら波が伝わりますよね。
岸にいる人も「あっ石が落ちたんだな」。
だけど石はそこに落ちてるんで。
ここに落ちた訳じゃないですけど波という形でそのシグナルを伝える。
大気中にもそういう波が出来ますので西太平洋でたくさんの熱が出ているという事を遠くに波の形で伝えてそれで偏西風がその事を受けて蛇行が違う形で固定されると。
そうすると偏西風はそれを感じてこれは放出させなきゃいけないというふうに思うんですか?思うと言いますか思うかどうか知りませんがそういう理屈になってます。
「いつもと違うぞ。
インドネシアの所が熱いぞ」となりますよね。
偏西風とはいえ地球全体の先ほどのバランスで成り立っております。
だからふだんはここにこれぐらいの熱があるんだよ。
そうかなら俺はこれぐらい曲がっておこうかなと思っているんだけどふだんより強い熱があるともうちょいと曲がっとこうかなみたいな形で。
しかもどんどんエネルギーがあるから曲がり続けてないといけないかなという事でルートが固定化される。
頭いいんですね。
いろんな所を感知してルートが決まっていくって事なんですね。
大気と海洋は別々に動いてるんじゃなくて一緒に動いている訳ですよね。
海水温という話が出ましたが海水温が上がる事で今世界にどんな変化影響を及ぼしているのか続いてはそれを見ていきます。
海水温上昇の影響が今最も懸念されているのがアジアの沿岸部です。
南シナ海に面したベトナムの海岸。
異様な光景が広がっています。
波打ち際のレンガ造りの建物は廃虚になった教会です。
10年ほど前までこの教会の先には木々に囲まれた村がありました。
しかし全て海の中に消えました。
海岸浸食と呼ばれる現象が深刻化しているのです。
見て下さい。
ここはただの砂浜に見えるでしょ?東南アジアの海岸を調査している茨城大学の安原一哉さんです。
現地の大学と共同で海岸浸食の広がりを調べています。
調査では小型カメラをつけた無人ヘリコプターで上空から海岸を撮影します。
現在の画像を8年前の衛星写真と重ねてみます。
海岸線は240mも後退。
年間30mもの速さで浸食が進んでいたのです。
安原さんは海水温の上昇が大きな影響を及ぼしていると考えています。
水温が上がり水が膨張した事でベトナムでは海面が上昇しています。
この50年で最大20cm上昇。
波が内陸にまで押し寄せるようになり浸食が進みました。
そこに追い打ちをかけたのが台風など熱帯低気圧の増加です。
ベトナムに接近する熱帯低気圧は増加する傾向が見られ去年は過去最多の19に達しました。
高波が発生する度に海岸がえぐられこれまでに2万5,000haの土地が海に消えました。
被害は更に拡大すると安原さんは見ています。
海水温の上昇で激しさを増す災害。
より深刻な影響が出ているのがインド洋沿岸です。
この海域では50年で0.6℃上昇しています。
海水温が上がると大量の水蒸気が発生し次々と雨雲が出来ます。
一度に降る雨の量が多くなりサイクロンなどの低気圧も発達して強くなります。
今世紀に入ってインド洋では強力なサイクロンが続々と発生。
沿岸の国々に繰り返し甚大な被害を与えています。
5年前サイクロンに襲われたバングラデシュ。
当時沿岸部で撮影された映像です。
高さ4mに達した高潮は堤防を乗り越え多くの住宅が押し流されました。
国全体でおよそ400万人が被災しました。
ガンジス川の河口近く大きな被害が出たガブラ村です。
かつては肥沃な土地に恵まれた豊かな農村でした。
しかし気象の変化が村の暮らしを一変させました。
豪雨によって洪水が頻繁に起きるようになっています。
更に海水が田畑に流れ込むようになり作物も育たなくなったのです。
人々はこの土地を離れるか災害におびえながらとどまるのか厳しい選択を迫られています。
この5年で村からは住民の2割が去っていきました。
災害で生活の場を失った人々は都市部に押し寄せています。
首都ダッカでは各地から集まる大勢の人でスラム街が拡大。
こうした人々は気候難民と呼ばれています。
海水温の上昇によって今後も災害が相次ぐおそれがあるバングラデシュ。
気候難民は今世紀前半のうちに国民の15%にあたる2,600万人に達するおそれがあるとされています。
かなり大変な状況になってますね。
地球温暖化が進んでますので温暖化は気温の上昇だけじゃなく気温の上昇に伴う水蒸気量の増加降水…。
雨の降る場所では洪水とかあるいは水位上昇とか高潮の被害とか。
逆に雨の全然降らない場所は余計に降らなくなっちゃいます。
降る場所にしか降りませんのでね。
そういう大気循環ありますので。
気温はおしなべてどこも上がるんですけども雨の場合は…ですので皆さんお感じになってるように何だか最近強い雨が多くないかゲリラ豪雨ばっかりじゃないかと思われてる。
この背景にはそういう事もある訳です。
どんどん差が激しくなっていく。
激しくなりますね。
バングラデシュのこの例…地形を見てますといわゆる三角州で上流から堆積物がたくさんあって農業には非常に肥えた土地でいいんですが自然の恩恵なんですが逆に海面が上昇するとひとたまりもないという。
これ日本の海岸では?試算によりますと最悪のシナリオで温暖化が進んだ場合には日本の砂浜の85%が無くなっちゃうんじゃないかというような試算もございますね。
ただまあ今のところそれがはっきりと現れてるかというと現れてるとこもあるんだけどそれは水位上昇というよりは河川から流れてくる土砂の違いとかそういう要素もあるらしいんですが。
しかし温暖化このままほっときますと最悪の場合は日本のほとんどで砂浜が見えなくなっちゃう。
海面の上昇砂の流出という事になる訳ですね。
…にもなりかねない。
日本人砂浜好きですからね。
無くなってしまう。
想像つかないですよね。
海水温が鍵になってくるとありましたがこちらをご覧下さい。
これは地球全体の海面の水温の変化をグラフで表したものです。
20世紀以降多少の上下はありますが上昇を続けてきました。
今回注目したいのはここ10年の動きなんですが。
おっ?何となく止まってるんじゃないの?これ。
そうなんです。
伸びが少し鈍っているように見えます。
ここの部分ですね。
見えますね。
そして次に平均気温の変化を見てみますと同じようにこの10年ほど伸びが鈍ってるんです。
平均的にいうと横ばい状態ですね。
そうなんです。
この状態を専門家の方々は停滞滞るという意味のハイエイタス。
このように呼んでいるんです。
これ温暖化が止まってきたという事じゃないんですか?今まで私が「地球温暖化が起こってる」と言ってるのにこれでは私の体面がもちません。
もちませんね。
科学者は「地球温暖化は進んでるんだ。
これからもっとはっきりしてくるんだ」と言ってデータを見たら「何だよ止まってるじゃないか」という事になるので一生懸命調べております。
むしろその温暖化が止まっているのではなくてこれから大変な事が起こる前兆前触れではないかと考えられています。
へえ〜。
今後地球の気温や海水温はどう変化していくのか。
世界中の科学者がハイエイタスに注目し調査を進めています。
国際的な海洋調査に加わっている日本の船みらいです。
これはアルゴフロートと呼ばれる観測ロボット。
長期間海水温などを自動で観測しデータを送ってきます。
アルゴフロートによる観測は世界の海の変化を詳細に捉える一大プロジェクト。
現在3,600機余りが展開されています。
海面水温はハイエイタスが始まった2000年ごろから上昇が緩やかになっています。
アルゴフロートは水深2,000mまでを行き来し水温を測ります。
これまでの観測で意外な事実が明らかになってきました。
水深700mより深い深海の水温の変化です。
ハイエイタスが始まった2000年ごろから大きな変化が現れます。
水温の上昇が加速していました。
気温が停滞していた時期に深海の水温だけが上昇し続けていたのです。
気候変動を研究している東京大学の渡部雅浩さんです。
渡部さんはこの10年余り温暖化によって増えた熱は深海に吸収されていると考えています。
温暖化によって生じた新たな熱。
それが深海に吸収されたため気温の上昇が止まっているというのです。
ハイエイタスはいつまで続くのか。
分析を進めた結果深海の熱の吸収に地球最大の海太平洋の海面が深く関わっている事が見えてきました。
海面の水温は海流や風の影響で毎年変化しています。
いつも水温が高い赤道付近でも平年より高い年もあれば低い年もあります。
世界の海のさまざまな変化の中であるパターンが現れた時に深海に熱が吸収されやすい事が分かってきました。
そのパターンとは太平洋の海面水温が赤道域で平年より低く南北の中緯度で高い時でした。
この10年余りの実際の太平洋の傾向とも一致しています。
このパターン以外の時は深海が熱を吸収しにくい事も明らかになりました。
なぜこのパターンの時だけ熱を多く吸収するのかは分かっていません。
しかしこれまでの研究から今の太平洋の状態が間もなく変わる事は分かっています。
その時深海が熱を吸収しにくくなり再び気温が上昇し始めると渡部さんは考えています。
ハイエイタスが終わると将来気温はどのように変化していくのか。
国連の気候変動に関する政府間パネルIPCCの最新の予測では今世紀末の平均気温は最大で4.8℃上昇するとされています。
気温や海水温の上昇によって災害が更に激しくなるおそれがあるのです。
ハイエイタスが終わるというのはこれは間違いない話?間違いございません。
温暖化が続いているという証拠は北極の氷が解け続けてるとか陸上で猛暑が引き続いてるとかあるいは人工衛星で測ると温暖化の証拠に地球はどんどん熱を吸っているというデータもありますし。
そうすると「どうして海面だけは上がらないんだ?止まってるんだ?」という事になりますが実は今のVTRでもあったように今表面があまり上がらないでむしろ深い所の方が順調に温まっている時期である。
どの深さも同じスピードで温まるんじゃなくて深さによって少しずつむらがある。
ですから今回出た温暖化のリポートでも「おいおい3,000mのとこが温まってるよ」という事実も明らかになっています。
深海にたまった熱がどんどん温まってるんですけども将来どうなるんですか?このあと。
これはだんだんと深い所に伝わっていってもっと深い所へ。
もっと深い所が温かくなっていきます。
表面の温暖化のスピードが戻ってくれば「また地球温暖化が本格化した」と人は理解すると思います。
4.8℃平均気温が上がるって事は大変な事ですよね?大変な事です。
異常気象分析検討会で昨年の夏は西日本異常気象だと報告したんですがこれは平年より1.1℃高いだけなんです。
日本だけです。
夏だけです。
ところが4.8℃というのは地球全部平均してどの季節も全部平均して至る所どこを平均しても4.8℃という事は場所によっては季節によっては10℃を超えるという事は…。
どれだけ暑い日が増えるのかこちらをご覧下さい。
気温が30℃以上の真夏日がおよそ70年後に何日になるのか気象庁が予測したデータになります。
例えば東日本の太平洋側では現在の29日が56日。
2倍近くに増える事になります。
そして西日本の太平洋側では72日になるという事なんです。
だんだんと年取ってくると暑さ嫌ですね。
嫌です。
小学校の頃は暑いとか寒いとか思わなかったんですけどね。
クーラーをつけるとその分二酸化炭素出しちゃう事になりますしね。
更に35℃以上の猛暑日についてはこちらです。
現在多くの地域では1日か2日ほどしかありませんがおよそ70年後には10日を超える地域が多くなるという事なんです。
猛暑日というのは最近出来た言葉ですがまた新しいの作らなくちゃいけないかもしれませんね。
40℃超えとか…。
40℃超えする日が来るかもしれないんですか?何ですか?超猛暑日。
そのころ「超」ははやってないかも…。
これから70年後には「昔はこんなもんで猛暑って言ってたんだね」という事になりかねないですね。
もう一つもちろん温暖化ですから気温はどんどん上がっていくと思いますが日本のような所の場合は温暖化に伴って水蒸気が増える雨が増えるという事に気を付ける。
ですので今でも洪水や集中豪雨の被害は大きいですが温暖化が進むと…日本は特に雨に弱いですから。
地盤の構成からいっても。
集中豪雨もありますしね。
台風はあるし。
最近はゲリラ豪雨なんていう言葉も出来てきましたけどもね。
暑さだけでなくこれまでにないレベルの巨大災害メガディザスターが起こるのではないかと考えられているんです。
そこで専門家の最新の研究をご覧下さい。
(雷鳴)温暖化によって今後日本では雨の降り方がどう変化していくのか。
その鍵を握っているのは海水温です。
日本近海の海面水温は今世紀後半までに…世界でも最も速いペースで上がっていくと考えられています。
東京大学の中村尚さんです。
中村さんは将来海水温が上昇した時の雨量の変化を実際に起きた豪雨をモデルにシミュレーションしました。
おととしの夏30人以上が犠牲となった九州北部豪雨。
4日間で500mmを超える雨が降り川の氾濫や浸水の被害が相次ぎました。
今世紀後半海面水温が今より2℃以上高くなるとどれほどの雨が降るのか。
右がシミュレーションの結果です。
色がついているのは200mm以上の雨が降る地域。
面積が5割増加しています。
全体の雨量も3割増える結果になりました。
例えば500mm降ってた所ですと更にそれが650mmになる。
それぞれの地域によって雨量としては違うかもしれませんが…更に警戒が必要になるのが土砂災害です。
広島市では短時間の豪雨で土石流が多発し甚大な被害が出ました。
専門家は将来タイプの異なる土砂災害の危険性が高まると指摘しています。
京都大学防災研究所の千木良雅弘さんです。
山が地下深くから岩盤ごと崩れる深層崩壊という現象を研究しています。
深層崩壊は数日間にわたって大雨が降った時に発生します。
地下深くに染み込んだ水が岩盤を浮き上がらせ斜面全体が一気に崩壊します。
5年前台湾では6日間で3,000mmの雨が降り大規模な深層崩壊が発生しました。
山の斜面が幅800mにわたって崩れ大量の土砂が麓に押し寄せました。
1つの村がほぼ丸ごと消えました。
400人以上が犠牲となりました。
千木良さんが危惧する将来の豪雨による深層崩壊のシミュレーションです。
2,000mm以上の雨が降り続いた地域で突然山の斜面が動き始めます。
幅500m。
大量の土砂が押し寄せます。
土砂は3階建ての建物も越えていきます。
町は数kmにわたって壊滅的な被害を受けるおそれがあるのです。
海水温の上昇で激しさを増すのは雨だけではありません。
竜巻などの突風の危険性も高まると考えられています。
おととし茨城県つくば市を襲った竜巻。
被害は幅500m長さ17km。
1,000棟を超える建物に及びました。
気象庁気象研究所の加藤輝之さんは今後竜巻が発生する危険性がはるかに高まるのではないかと危惧しています。
懸念されているのが直径10kmにも及ぶ巨大な積乱雲スーパーセルの出現です。
大量の水蒸気と強い上昇気流によってまれに発生し強力な竜巻を生み出します。
つくば市を襲った竜巻もスーパーセルから生まれていました。
加藤さんは水蒸気量が増える今世紀後半を想定しスーパーセルが出現する確率を推計しました。
その結果確率は全国で2倍から3倍に増加。
強力な竜巻が発生しやすくなる事が分かりました。
全国でも竜巻の発生が多い関東平野。
加藤さんは大都市でも強力な竜巻は発生しうると考えています。
国内でこれまで確認された事のない強力な竜巻が都心で発生した場合のシミュレーションです。
突然襲ってくる風速100メートル以上の猛烈な風。
密集した市街地ではあらゆるものが凶器に変わります。
重さ1tを超える自動車も簡単に吹き飛ばされます。
竜巻がどこに発生するのか予測は困難です。
逃げる間もなく都市が一瞬にして破壊される可能性もあるのです。
大変な時代になってきましたけど。
そうですね。
温暖化を止められる事は今のところない訳ですね。
二酸化炭素を減らす消化できるっていう道もないし。
ほかに何かないんですか?いや〜。
まず第一には二酸化炭素の排出量を減らす。
そうですね。
そうしないと止まりませんから。
一部では例えば成層圏に火山灰みたいなのをまいて太陽光を反射させるというちょっとSFチックなアイデアもない訳ではないんですけど副作用の方が大きいという事で非常にちゅうちょされる。
やっぱり対処といってもいろんなレベル…国のレベル自治体のレベル個人のレベルいろいろとあると思いますがさっきのような大規模な深層崩壊が起こると個人レベルでは逃げる以外にはないですけども。
ただゲリラ豪雨とかいわれるような集中豪雨でしたら今はひどい事になってきてる反面情報も結構個人的に取れる。
テレビをずっと見てなくても割とスマートフォンなんかでレーダーの画像をちょっと見るだけで予定を遅らせたり降りる駅を違えたりするだけで被害に遭わなくても済む場合もあると思いますし。
雨はいきなりある日の正午に降ってくる訳ではないのである程度は予測できるようになってきてるし監視とか予測レーダーとかドップラーレーダーとかプロファイラとかいろんな…飛び道具っていいますけど観測機器も充実してきてますし予報も特別警報なんかにも代表されるようにいろんなきめ細かい情報が出るようになってますのでねむげに自然災害にやられるなんて事のないように一人一人やっぱり自分の身は自分で守る。
雨雲の動きなどアメダスのデータは自分でも簡単にどこでも見られるようになってるんですものね。
災害は別に温暖化がなくても30年に1度忘れた頃に必ずやって来るものですけどだけどそれに加わって温暖化や何かの長期傾向があるという事は最近すごく言うようになった見た事も経験した事もないようなレベルの雨や猛暑に遭う確率が増えるという事ですよね。
ですからいろんな対策をするにしても自分で対策を考えるにしても今までの経験だけに頼ってやってちゃいけないって事です。
まさかこの崖が崩れるまいと思ってた崖が崩れるというのは長期傾向が重なってくるっていう事の意味ですからね。
先ほど出た「まさか」というのがね。
長い地球の歴史で自分の経験ってほんのちょっとですからね。
それ以外「まさか」って事がいっぱいある訳ですよ。
だから自分の経験でも測れないです。
ただ人類はものすごい絶滅期を乗り越えてきてますからなんとか乗り越えると思うんですけども短いスパンで今生きてる自分がどうするかですよね。
私も含めて年寄りにできる事は限られると思いますのでできれば若い皆さんに一生懸命勉強してもらってまさかこんな技術ができるとは思わなかったっていうような技術を発明して頂いて人類を危機から救って頂ければこれにこした事はないと思いますけど。
自分で守るしかないですね。
当面は。
自分の身は自分で守るという事ですね。
今日はありがとうございました。
ありがとうございました。
私たち人類は異常気象が多発する時代をどう乗り越えていくのか。
そのヒントになるかもしれない一つの発見がありました。
北極圏で採取された氷の柱。
封じ込められた空気から太古の時代の気温を読み取る事ができます。
最新の分析でおよそ1万年前急激な温度変化が起きていた事が分かりました。
僅か5年で気温が10℃も上がっていたのです。
私たちの祖先は厳しい異常気象の中を生き延びていました。
激しさを増していく気象現象。
生き抜くための挑戦が今世界中で始まっています。
5年前強力なサイクロンに襲われたバングラデシュ。
村をのみ込んだ高潮で母親を失った少女がいました。
肉親を失った多くの子どもたち。
自らの力で災害を乗り越えるすべを学ぼうとしています。
250年ぶりの大雨に見舞われたイギリス。
国を挙げて巨大災害に立ち向かおうとしています。
テムズ川に設けられた可動式の防潮堤テムズバリア。
1,000年に1度の洪水や高潮から街を守るため大規模な改修を計画しています。
世界中の海で観測を続ける日本の調査船です。
近い将来気温や海水温が急激に変化するのではないか。
僅かな兆しも見逃さぬよう慎重にデータを見つめ続けています。
時として暴走する大気と海の大循環。
避ける事のできない異常気象の時代は既に始まっています。
「巨大災害MEGADISASTER」。
今後のシリーズでは台風地震そして火山を取り上げます。
地球の真の姿が見えてきます。
猛烈な風と高潮を生み出す台風が世界各地で発生しています。
急速に発達し破壊力を増すメカニズム。
最新の科学で台風の謎に迫ります。
あの日から3年半。
地震の発生に至るプロセスが急速に解明されつつあります。
地球の内部を探る研究から膨大なエネルギーの秘密を解き明かします。
突然破局的な被害をもたらすマグマ。
世界の火山はいつ沈黙を破るのか。
科学者たちはその時を捉えようとしています。
「巨大災害MEGADISASTER」。
シリーズは続きます。
2015/06/14(日) 01:50〜03:05
NHK総合1・神戸
NHKスペシャル 巨大災害 第1集「異常気象 “暴走”する大気と海の大循環」[字][再]
豪雨や熱波など世界各地で激しさを増す異常気象。発生の謎が、地球規模の大気と海の観測から明らかになってきた。将来の日本にどんな災害が待ち受けているのか。出演タモリ
詳細情報
番組内容
250年ぶりの大洪水に襲われた英国、500年ぶりといわれる大干ばつに見舞われた米国西海岸など、世界で気象災害が激しさを増している。原因と指摘されているのは、赤道から極域へと熱を運ぶ地球の“大気と海の大循環”の異変。科学者たちは、温暖化が進む将来、これまでよりも強烈な熱波や激しい豪雨などの気象災害の発生を危惧している。番組では、最新の観測データやシミュレーションを元に将来の異常気象の姿を見つめる。
出演者
【司会】タモリ,上條倫子,【解説】東京大学教授…木本昌秀,【語り】武内陶子
ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 社会・時事
ドキュメンタリー/教養 – 自然・動物・環境
ニュース/報道 – 報道特番
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