(玄瑞)撃て!久坂玄瑞の号令で始まった異国との戦い。
しかし圧倒的な武力の差を見せつけられ長州は壊滅的な打撃を受けた。
(晋作)お前は異国に負けたんじゃ。
ああ。
俺は負けたんじゃ。
完膚なきまでに!敗戦の責任を負ったまま久坂は京へ向かった。
(久米次郎)母上!見てつかぁさい!
(寿)あら。
久米次郎は力持ちですごいこと。
もっとようけ持てます!うわっ!うう〜…。
泣かん。
泣かんの。
(雅)晋様から手紙が届いておりました。
心配ですわね久坂様。
(文)えっ?塾生の皆さんとたもとを分かって一人京に向かわれたと。
そのころ久坂は京で日本国一丸となっての攘夷実行に向け奔走していた。
(鷹司輔熙)攘夷親征?天子様に大和へ行幸して頂きいま一度幕府に攘夷実行の勅命を。
弱腰の幕府が攘夷に動くかのう。
先日の勅命に従い攘夷実行したんは我が長州藩のみ。
日本国が一致団結し攘夷をせねば異国には勝てません。
いま一度攘夷の勅命を!しかし朝廷を説得しあくまで異国を打ち払おうとする長州藩に対し過激な攘夷に反対する薩摩会津藩らは久坂の動きを阻止しようとしていた。
何としても長州の動きを封じねばなりませぬ!鷹司様はまだ迷っておられた。
三条様。
明日にでも尊攘派の公家方へ急ぎお伝え願います。
(桂)そうせくな久坂。
薩摩会津の動きが怪しい。
今無理に攘夷を推し進めようとすればまとまるもんもまとまらん。
時を待っとる場合ではございません!
(三条)まあまあ久坂さん。
おおらかに構えとったらええのや。
帝は攘夷決行をえろう褒めてくれはった。
我らは長州の味方です。
ええようになります。
(辰路)アイタッ。
お手々がかわいそう。
おなごらは勇ましい久坂さんのうわさで持ちきりどすえ。
無残に負けを喫した男とでも?
(辰路)やじとばすだけやったら誰でもできます。
あんたさんはやるべき事をしやはったお人。
くじけんと胸張っておくりやす。
(阿久根)長州の久坂玄瑞が京に?よかよか。
そんまま動きを探ってくれんか。
どげんした?何や胸が痛みます。
悪い人やおへんし。
色町で今うわさのよかにせどんにほだされたとか?やいてくれはりますのん?冗談どすえ。
あんたさんのためやったらうち…地獄に落ちてもええ。
約束…覚えてはりますやろ?
(寺島)久坂さん!お前ら来たんか。
久坂さんの行くところならどこでもお供します。
(品川)早速薩摩方の内情探ってきました。
ええと言うたのに…。
(前原)皆久坂さんが心配なんじゃ。
伏見要駕策の頃の孤独に追い込まれた松陰先生を見とるようで。
(前原)これだけは忘れんでくれ。
あんたには俺たち仲間がおる。
久坂がこの後大きな政治のうねりに巻き込まれていく事で文もまた大きな試練を迎える事になる。
(テーマ音楽)・「愚かなる吾れのことをも」・「友とめづ人はわがとも友と」・「吾れをも友とめづ人は」・「わがとも友とめでよ人々」・「吾れをも友とめづ人は」・「わがとも友と」・「めでよ人々」・「燃ゆ」敏。
どうしたん?下関…何しに?奇兵隊?敏が?
(梅太郎)高杉殿からじゃ。
「送られた図面すばらしくその才能我が隊でも役立ててほしい」と。
どういう事?あんたすごい!でも奇兵隊入るいうんは異国と戦うっちゅう事よ。
でも大砲の音も鉄砲の音も聞こえんかったら…。
そうは言うてものう…。
「何の役にも立てんなら僕はどうして生きとるんじゃ」…。
(滝)いけん!いけん!母は許しません!敏。
新しいわらじじゃ。
入れちょけ。
母上を悲しませるなよ。
必ず帰ってくるんやぞ。
敏…これ。
寅兄様の志の証し。
人と人とをつなげるもんよ。
あんたもきっといい人と出会える。
下関までは私が連れていくから。
そこは言う事聞くんじゃ。
(百合之助)まだ怒っとるんか。
あの子が戦なんて。
皆様にきっとご迷惑をかけます。
望まれとるんは兵として戦う事ではない。
あくまで奇兵隊の手伝いじゃ。
でもあの子は…。
高杉殿は耳の事も分かってそれでも来いと言うてくれた。
ありがたい事ではないか。
寅と同じ目をしとったな…。
役に立ちたいと。
だからたまらんのです。
もし…もし敏まで先に逝ってしもうたら…。
あねな知らせを聞くんはもうたくさん。
それでも寅の弟じゃ。
こねなこまい家に閉じ込めるんが敏の幸せかのう…。
(鈴の音)母上!どうしてみんなこねぇに早う大きゅうなってしまうんじゃろうね…。
気を付けんさいよ!手紙も待ってますからね!
(伊之助)天子様が大和行幸の詔をお下しあそばされました。
久坂の働きかけが認められたようです。
(周布)下関では高杉が差配し砲台の警備兵の調練が行われております。
寅次郎の残した村塾の双璧が力を発揮しとりますな。
大和行幸に我が藩士をお供させましょう。
(敬親)そうせい。
さすが久坂さん!やりましたな!殿もさぞお喜びでしょうな。
(三味線)ああ…それは!あっ!お邪魔しました。
「京へ行かれたとお聞きしました。
お変わりはありませんでしょうか?」。
「文」…。
久坂さんの奥方どすか?ああ。
心配どすやろなあ。
お返事出さはらへんの?今はそれどころやないです。
大和行きの支度をせねば。
どないなお人なん?お文さんは。
芋…。
芋?ああいやその…お前のような京のおなごとはまるで違う。
泥だらけの顔で芋掘って笑うような…。
それで?よう働いて…俺にはよう怒る。
周りにいつも人がおる。
いっつも人の世話焼いて走っとる。
大家族で育っとるからにぎやかなんが当たり前なんじゃな…。
きっと幸せなお人なんやろね。
お文さん。
敏!先行かんで!
(稔麿)腰を落とせ!相手をよく見るんじゃ!
(彦介)敏!やめ!
(九一)おおよう来たよう来た!お文さん。
ご苦労さまです。
高杉さんは?
(白石)小倉の砲台を使わせろと談判に行かれました。
しばらくは戻られんでしょう。
久坂さんのお内儀です。
ああこれは…。
(赤禰)高杉さんどうされたんですか?皆今すぐ支度せえ!戦じゃ!
(中原八兵衛熊七)戦!?また異国が攻めてきたんですか?京で一大事が起きよった。
久坂を助けんにゃならん。
京で一大事?回想中に入れんか!そうじゃ!どかんか!どねぇした?堺町御門の警護に来たら長州藩士は中に入れんと。
(靖)寺町御門も蛤御門もです!御所の門はすべて閉じられちょる!
(玄瑞)薩摩!天子様の大和行幸は延期!三条実美ら七卿は参内を禁ず!何じゃと?長州藩は堺町御門の警護を免ずる!何言うちょる!?
(薩摩藩士)控えんか!かしこくも天子様のご沙汰じゃ!帝の?
(薩摩藩士)攘夷の名のもとに国を乱し恐れ多くも天子様を操り奉ろうちたくらむなんど!薩摩めが!謀ったの!長州藩はこいから先御所内に一歩でん立ち入るこつはまかりならん!待て!待て!ひそかに朝廷の意を受けた薩摩会津藩は長州藩と三条実美ら攘夷派の公家衆を政治の舞台から追放した。
いわゆる八月十八日の政変である。
これで久坂の掲げた日本国一丸となっての攘夷は泡と消えた。
この国のために命を懸けようっちゅう者が薩摩会津にはおらんのか!京での政から締め出されたとなると…どうなるんじゃ長州は!朝廷の後ろ盾を失うたんじゃ。
これで異国から攻められても他藩は共に戦うてはくれん。
奇兵隊の出番じゃ!今すぐ兵を率いて京に上り薩摩会津を討つ!朝廷の誤解を解く!皆行くぞ!
(一同)おお!待て!兄上様…。
久坂は無事なんですか?恐らく。
血は流れておらん。
ならば今すぐにでも久坂と力を合わせ…。
頭を冷やせ!今兵を引き連れ御所に討ち入れば我らは天子様に銃を向ける事になるのが分からんのか?敵は薩摩と会津じゃ!薩摩会津が御所を警護しとる限り同じ事じゃ!三条公ら公家衆を長州藩で引き受け後ろ盾とし再起を図る。
それよりほかに道はない。
久坂さんは…?まさか藩は久坂さんにこたびの事で腹を切らせようなんて思うちょらんでしょうね?今は何の処分も決まっとらん。
高杉晋作。
奇兵隊総督を免じ政務座役専任とす。
この危機に藩の政にお前を加えよとのお殿様のお達しじゃ。
面白い。
ならば俺が藩を動かしちゃる。
奇兵隊はどうなるんですか?お前たちに任せた。
大丈夫か?久坂の思いはまたかなわんかったんですね…。
それどころか…。
気落ちしとる暇はない。
孤立したまま異国と戦になれば長州はいよいよ危うい。
何としても諸藩を説得し連合軍を作る。
久坂にも立ち上がってもらわなきゃいけん。
何度転んでも。
案ずるな。
ひとまず藩士たちと長州へお下り下さい。
再起を図りましょう。
何で我らまでもが京を追われねばならんのや!今はご辛抱下さい。
長州などとそんな地ぃの果てに流されるとはなあ…。
地の果てほど遠くは…。
来島又兵衛にございます。
長州までお供つかまつります。
長州藩士来島又兵衛。
後に久坂玄瑞の命の行方を握る事になる男である。
まさか京を追われるとは…。
(三条西季知)やり過ぎたんや。
長州の田舎医者風情が身の程も知らんと。
敏から母上にって。
もう手紙をくれたんですか?「まんじゅう1つ8文うどん32文」…。
やっぱり寅の弟やねえ…。
京での事聞きました。
久坂さんほっとするんやないんですか?あなたから手紙もろうたら。
書こうと思うたんやけど…どねな言葉かけたらええんか…。
でもきっとごはんも食べとらんし夜も眠らんと自分責めとるんやろなあって…。
言葉かけてあげたいのに…何か言うてあげたいのに…あの人の気持ち思うとひとっ言も…。
会いたいねえ。
そばにおりたい。
俺が一人走った…。
何でじゃ…何でいっつもこうなる!松陰先生…。
国をまとめるどころか俺が長州を潰してしまう…。
俺の至誠が…真心が足りんのじゃろか…。
俺の志が間違っとるんじゃろうか…。
(薩摩藩士)長州は終わりじゃ。
そうどすか。
ほいで阿久根さんは?阿久根か…もう来ん。
えっ?江戸に旅立った。
それは…どういう事どす?お前の務めは終わったちいうこっじゃ。
久坂さん!薩摩藩の定宿を見張っとったらこの女が現れました。
この女薩摩に通じちょった!始末をつけてええですか?やめろ。
出てけ。
えっ?ええから出てけ。
出てけ!お前もさっさと失せろ。
何で止めはったんどす…。
斬って頂きたかったのに。
薩摩の男に裏切られましてん。
約束してくれはったのに。
江戸へ行く時はうちも一緒にと…。
うち京のおなごなんかやおへん。
生まれた所も分からへんの。
物心付いた時にはお母ちゃんに手ぇ引かれてやっかい者扱いされながら町から町に…。
そのお母ちゃんもすぐにのうなって…独りになった。
食べていくためなら何でもした。
男もさんざんだました。
ええ嫁の口もあったんえ。
そんな時に限ってつまらん男にほれてしまう。
ええように使われて捨てられて…またろくでもないのにほれて…。
その繰り返し。
呪われてますねや。
どうせ変わらん身の上なんやったら…。
この世にもう何の未練もおへん。
どうぞ斬っとくれやす。
始末つけとくれやす。
お前…神社のみくじ引いた事あるか?えっ?凶が出るじゃろ。
おみくじは嫌いどす。
ふっ…ついとらんのう。
そねな人間はそねなふうに生まれついとるんじゃ。
つまらん者は斬らん。
とっとと行け!行かんか!出会うた時から分かってました。
おんなしにおいしましたさかい。
さみしいお人やて。
幸せなあんたさんの奥方はきっとあんたの心の本当の真ん中には触れられん。
うちにはそのお顔見せてくれはってもええんどすえ。
俺は最低じゃ…。
失脚した三条ら7名の公家七卿と共におよそ2,000人の長州藩士が長州へ落ち延びた。
一行は三田尻に到着。
奇兵隊が七卿の警備に当たる事となった。
・
(亀)文さ〜ん!文さん文さん文さん!はい。
手紙!お手紙が来ましたよ!久坂さんから!はい。
「私は無事に暮らしておるゆえ安心なされますよう」。
ご無事で何より。
(玄瑞)「さてはこの後小田村様からかの次男久米次郎を養子にもらい受けたいと思うておる」。
どうします?これから。
京へ戻る。
潜伏し長州の復権を図る。
また一人で行くんですか?七卿を頼むぞ。
お帰りなさいませ。
ごはんまだ食べとらんでしょう?すぐ支度しますね。
飯はええ。
ええから…。
「帰ってくれ」。
そう言われるかもしれんなと思うちょりました。
でも来てしまいました。
あなたの事くらい分かります。
気取り屋でつらい時ほど頼ってくれんのやから…。
久米次郎の事…。
跡継ぎをもろうてそういうお覚悟で頑張るっちゅう事ですよね。
ちいとは話してくれてもええやないですか。
京へ行く事も縁組みの事も。
あなたがどこで何をしとるんかどねなお気持ちでおるんかを私は何も知らんで…。
あなたがお一人でえろうつらい時に何も知らんで笑うとるなんて私は好かんのです。
頼む…。
今は一人にしてくれ。
嫌です。
あなたが一人でいたかろうと私に会いとうなかろうとあなたが帰ってきたら私は出迎えるんです。
嫌がったってしかたありません。
私はあなたの妻なんですから。
俺を見んな。
京の女と情を通じた。
何だ…そねぇな事。
そねぇな事くらい…。
文!
(椋梨)このままでは長州は滅びる。
覚悟を決めんか!抜けば死にますよ。
(銃声)初めて光が見えたんです。
文久3年8月18日。
御所へと通じる門がすべて封鎖されました。
堺町御門の警護に当たっていた長州藩はその任を解かれ長州藩と関係の深かった三条実美ら7人の公家七卿も失脚します
七卿と長州藩士たちは雨の中長州へと下りました。
その姿はずぶぬれだったといいます。
渦中にいた久坂玄瑞はその思いを歌にしました。
いつの日か長州復権を果たし都へ戻ってきたいという久坂の強い思いが詠まれています
一行は途中鞆の浦に立ち寄りました。
宿とした家は今も往時のままのたたずまいで残っています
窮地に立たされた長州藩。
苦難の道のりは始まったばかりでした
2015/06/13(土) 13:05〜13:50
NHK総合1・神戸
花燃ゆ(23)「夫の告白」長州最大の危機に家族をも巻き込む秘密が![解][字][デ][再]
京都で政変に遭った文(井上真央)の夫、玄瑞(東出昌大)は芸妓の辰路(鈴木杏)と一夜を共に…!そして文が受け取った玄瑞からの手紙にはあることが書かれていて…。
詳細情報
番組内容
文(井上真央)は、弟・敏三郎(森永悠希)が高杉晋作(高良健吾)の率いる奇兵隊に入隊したいと言い出し、驚く。耳が聞こえない敏三郎が危険な戦地に出向くことに反対する文だったが…。その頃、京都にいた久坂玄瑞(東出昌大)は、長州藩の動きを嫌った会津・薩摩藩らの勢力によって、朝廷から追放されるという政変に遭遇する。命は無事だったものの、夢破れ自暴自棄になった玄瑞は芸妓の辰路(鈴木杏)と一夜を共にしてしまい…
出演者
【出演】井上真央,大沢たかお,東出昌大,高良健吾,北大路欣也,原田泰造,優香,久保田磨希,森永悠希,瀬戸康史,佐藤隆太,要潤,大野拓朗,音尾琢真,鈴木伸之,阿部亮平,檀ふみ,長塚京三,東山紀之ほか
原作・脚本
【脚本】大島里美
ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
ドラマ – 時代劇
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
サンプリングレート : 48kHz
2/0モード(ステレオ)
日本語(解説)
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