LIFE〜夢のカタチ〜/佐々木蔵之介 「大阪北新地!大人気の寿司店に密着」 2015.06.13


関西屈指のグルメ激戦区大阪・北新地
ここに34歳という若さで店を構え舌の肥えたお客さんと向き合う注目の寿司職人がいます
美味しかった!
彼が注目されるその訳は北新地でナンバーワンとうたわれる名店の一番弟子だから
毎日がプレッシャーとの戦いです
そしてオープンから1年故郷の両親が初めての来店
感謝の心を込めて握る究極のひと品とは…
今回は名店の技を受け継ぐ若き寿司職人の夢のカタチ
高級クラブや有名料理店が建ち並ぶ大阪随一の歓楽街・北新地
ここに去年1軒の寿司屋がオープンし話題となりました
店のあるじは34歳という若さで新地にのれんを掲げる村上二郎さん
今年5月で開店からようやく1年を迎えました
名店が軒を連ねるここ北新地では極上のネタをそろえるのはもちろん1つずつ丁寧な仕事を施すのが当たり前
四季折々さまざまな魚介を扱う中で二郎さんが得意とするのは光りもの
酢でしめた青魚に多彩な隠し包丁を入れることで口の中に入れた時とろけるような食感を演出します
寿司職人の腕とセンスが試されるという光りもの
二郎さんはその日仕入れた魚の状態を見ながら日々研鑽を積んでいます
お客さんたちはそんな二郎さんをどう見ているのでしょう?
北新地の高級店では旬を迎えた希少な素材を取りそろえておくのも当たり前
生き馬の目を抜く飲食の激戦区で二郎さんが目指す理想のカタチとは…
自然豊かな和歌山県田辺市で生まれ育った二郎さん
少年時代はサッカーに打ち込みひたすらボールを追いかける毎日
高校に進学すると1年でレギュラーとなる活躍を見せました
しかし志半ばで高校を中退
両親の心配を尻目にバイクに夢中の青春時代を過ごしました
よくも悪くも一本気
そんな二郎さんが新地の高級寿司という未知の世界に飛び込んだのは26歳の時でした
ある日新規開店の手伝いを頼まれた二郎さん
その店は今や名実ともに関西トップクラス
ミシュラン一つ星の名店としても知られるさえ
二郎さんはここで寿司職人の生きざまに魅せられこの道を歩むことを決意
厳しい師匠のもと技術だけでなく多くのことを学びました
3ヵ月先まで予約で満席となっている寿司の名店・さえ
これまでテレビ取材は断り続けてきた店主が今回二郎さんのために取材に応じてくださいました
寿司を握って20年あまり全国にその名をとどろかせるさえの店主・佐伯裕史さん
初めての弟子・二郎さんに伝えたかった思いとは…
彼が飲食の道に本気でってなったのがちょっと遅かったんですけどねでも遅くても自分の人生に対して真面目に取り組めば報われますよっていうことを教えてあげたかったというか気付かせてあげたかったというか若い時にアホばっかりして勉強もせんと20代後半になって「俺何やってんやろ」って気付いて一からやり直す
ここで足かけ6年
二郎さんは佐伯さんの仕事を目に焼き付けてきました
常に選び抜いた素材に丁寧な仕事を施し1人1人のお客さんと向き合い最高のおもてなしをする
たゆまざる努力を繰り返し名店を育て上げた佐伯さん
その姿を目の当たりにしたからこそ二郎さんは辛い修業を耐え抜くことができたのです
独立した今もなお二郎さんにとって師匠は憧れの存在です
もちろん
そんな不器用な一番弟子を北新地で通用する寿司職人に育てるため佐伯さんは時に厳しく叱りつけながらみずからの技をすべて見せてきました
そして6年佐伯さんは二郎さんに独立のきっかけを与えたのです
たまたまいい条件で整ったのでやってみるかと…
そう語る師匠の店と弟子の店はなんと隣どうしの間柄
焼き場を共有しているためのれん1枚を隔てていつでも行き来できるようになっているのです
何も知らない土地で…
時折二郎さんの店へとやって来る佐伯さん
それは弟子の仕事ぶりを心配する師匠としてではなく同じ寿司職人どうしたわいもない会話を楽しむためだと佐伯さんは言います
一人前の職人として認めてくれる師匠のために日々精進する二郎さん
チャンスを与えてくれた師匠の恩に報いるためひたすら仕事に打ち込んでいます
寿司職人の1日は仕入れから始まります
午前9時黒門市場へ向かった二郎さん
訪ねたのはみずから開拓し信頼関係を築きあげた卸業者さんです
いらっしゃい!今日ねアブラメの新子入ったんですそれが…うんねぇ
(岩瀬)いつもの大きさ大体これぐらいですねこれぐらいで握りで…だいぶんね大きなってますけど
修業時代に培った目利きでみずから小魚を厳選
旬のかつおもエラの赤さをチェックして鮮度を見極めます
そんな二郎さんがこの日楽しみにしていた素材の1つが毛ガニ
産地や状態によって料理を考える二郎さん
業者さんの話に耳を傾けイメージを広げます
(岩瀬)これが舞鶴の…大きすぎてちょうど2貫取れるこれが千葉ですわこれも味はいいっすね
ネタを知り説明するのも寿司職人の仕事!
こうして気が付けば1時間近くたっていました
そのひたむきな熱意に店の主人も感心しています
旬の魚介をたっぷりと仕入れ市場をあとにする二郎さん
店に戻って早速仕込みに取りかかります
昼過ぎ店に大きな荷物が届きました
箱の中身は今朝築地市場で競り落とされたばかりの新鮮な魚介
二郎さんは東京の業者さんとも契約をして毎朝メールで入荷してくるネタの情報をもらっています
欲しい素材が見つかれば即座にメールで発注
この日空輸で届けられたのはあいなめやほうぼうといった今が旬の白身魚
築地市場だからこそ集まる高級素材ばかりです
ここからは魚の仕込みに集中
丁寧に魚をさばき小骨を抜いていきます
骨1回当たっちゃうともう0円になるんで…
夕方5時を過ぎたところでシャリの準備に取りかかります
師匠が田んぼで育てたお米・ヒノヒカリを土鍋で炊き上げ酸味が控えめでマイルドな赤酢を合わせます
炊き上がったシャリは焦げたり固くなったりした部分を取り除きやわらくおいしい所だけを丁寧にほぐして使います
こうしてすべての仕込みを終えネタ箱を眺める二郎さん
ここでお客さんが来店するギリギリまでどのようにおもてなしをするかイメージを固めます
開店直前作務衣に着替え身を引き締める二郎さん
今日はどんな素材とパフォーマンスでお客さんたちを楽しませるのでしょうか?
日も暮れてにぎわいを見せ始めた北新地
この日最初のお客さんのために村上二郎が用意した1品目の料理は「茶碗蒸し」でした
中には今朝黒門市場で仕入れたばかりの毛ガニの身がぎっしり
表面にはダシの利いたあんが張られ京都産のミツバがあしらわれています
次に登場したのは築地から届いた旬の白身魚のお造り
(村上)手前今日はあいなめこちら手前があいなめあと奥がですね今日はほうぼう
さばいた魚を見せて説明するのは師匠・佐伯さんから学んだ手法
旬の白身はこぶじょうゆ・ポン酢・梅酢などで頂きます
焼き物はこの日ギリギリまで悩み抜き試行錯誤した逸品
白身魚に卵黄が塗られさらに緑のソースが…
(村上)「黒むつの塩焼き」ソースが…えぇクレソン
(お客)おしゃれ!
脂ののった黒むつにきゅうりとオクラのみぞれ酢と岩もずくを盛りあわせた斬新なひと皿
次々と繰り出される驚きのひと皿に表情をほころばせるお客さんたち
アテに続いて登場したのは剣先いかやまぐろの漬けなど丁寧に仕込んだ旬の握り
中でも村上二郎の味を知る常連客が楽しみにしているものがありました
ほんま最高やと思います
常連客の多くが絶賛するウニは築地のセリで最高級の値がつけられた極上の逸品
うつわに軽く握ったシャリを盛り刻みのりの上にウニをたっぷりと載せ軽くしょうゆをつけて提供するのが村上二郎の定番です
この日もうひと品オリジナルの器寿司を用意した二郎さん
白子のすり流しにシャリを盛りのりと鯛の子に山椒を利かせた創作寿司
あぁいいねこれいい
思わず笑みがこぼれるお客さん
この瞬間二郎さんの苦労が報われました
この日最後のお客さんが引いたのは午前2時半
二郎さんにはまだ仕事が残っています
カウンターを磨き上げるのもその1つ
掃除をしながら1人反省会
1日を振り返るのが二郎さんの日常です
この日店を出たのは午前3時過ぎ
明日も楽しんでもらえる寿司を握るため早朝からの仕込みに備え少しだけ眠ります
5月のある晴れた日曜日
久々の休日を利用して故郷・田辺市を歩く二郎さん
実家へ帰る前にどうしても立ち寄りたい場所がありました
あれ?おはようございますいらっしゃいませ
(村上)この間すんませんおい!なんだよ!えらいこっちゃだよ
突然の訪問に驚きつつ歓迎してくれた浜口さん夫婦
二郎さんにとってかけがえのない恩人です
16歳でサッカーを諦め高校を中退した時まだまだ未熟な二郎さんを雇い仕事を教えてくれたのが浜口さん
初めて包丁の使い方を教わったのもこの店でした
見た目は金髪の不良少年
そんな自分を見守ってくれた浜口さん夫婦
自分の店を持った今だからこそそのありがたみが身に染みます
そして一路実家へと向かった二郎さん
両親と会うのはお正月以来の半年ぶりです
なんでやねん
(村上)撮ってどうすんねん!明日入院!?
(スタッフ)お父さん明日入院されるんですか?明日入院するから帰ってきてくれてよかった
父・成一さんは昔から二郎さんを応援してくれるよき理解者でした
この人はもうそういう考え方やからねその代わり今度は自分で切り開いていかんなんからそれほど大変なことないよって子どもに言ってましたけども
息子の活躍を誰よりも喜ぶ父ですがまだ店には行ったことがありません
近くの料理店でお昼ごはん
久しぶりに過ごす親子水入らずの時間
そっけないそぶりに見える二郎さんですがその胸にはある思いが芽生えていました
ここまで育ててもらってね色んなねやっぱり…
20代の頃には考えもしなかった親孝行したいという思い
そんな二郎さんが大切にしているもの…
(村上)おやじです黒字のほうが一筆書きで描いてる「鮨」という漢字をあと真ん中赤いのが僕の名前を…まあまあ
この日体調が回復したので店へ行きたいという父からの知らせを受けた二郎さん
今の心境を聞いてみると…
変な気分ですね食べさせて頂いてたのが食べさせる側に立つっていう…小っちゃい頃からおやじのごはんよく食べてたんで僕
息子から父にささげる初めての寿司
果たしてどんなネタを選ぶのでしょうか?
初めて店へ来てくれるという父のために二郎さんは感謝の思いを込めた寿司を握りたいと考えていました
名店・さえ時代にひたすら繰り返し練習し続けたのが卵焼き
(村上)焼いて見せてると…じっくり…ゆっくり…火を入れていく感じですね
さえのご主人直伝まるでカステラのようなふわふわした焼き上がり
師匠に焼くことを許されたのは今も昔も二郎さんだけだそうです
両親が村上二郎へやって来ました
へいまいど
初めて訪問したわが息子の店
そして父に捧げる渾身の寿司を握ります
1つのことに夢中になりすぎる一本気な性格を理解し温かく見守ってくれた両親へ感謝の気持ちを込めて握ったお寿司の数々
果たして父の反応は…
えっ?うるさいな〜・
(父)フフフフ…
食べれば思わず笑顔がこぼれる楽しい寿司を提供したい
その思いを新たにした二郎さん夢のツヅキは…
まぁ昔から色んなご迷惑をおかけしたんでちょっとは頑張ってる姿を見せれたかなと思いますもっともっと色んな方に僕のお寿司を自信を持って見せれるように食べて頂けたらと思います
(スタッフ)インタビュー苦手ですねはいハハハハ…そうですね苦手です
みずからの名を店名にした鮨村上二郎
北新地の名店・さえの一番弟子が握る極上のお寿司は特別な日・親孝行にいかがですか?
2015/06/13(土) 11:00〜11:30
ABCテレビ1
LIFE〜夢のカタチ〜[字]/佐々木蔵之介 「大阪北新地!大人気の寿司店に密着」

人生はいろんな夢でできている…夢追う人の輝く瞬間を佐々木蔵之介の語りで描きます。
今回は「大阪北新地!大人気の寿司店に密着」です。

詳細情報
◇番組内容
大阪・北新地で鮨店ナンバーワンの誉高い「さえ喜」の一番弟子が昨年、店を出しました。その名は「鮨 村上二郎」。店主の村上二郎さんが店を開いた場所は何と「さえ喜」の隣。焼き物に関しては調理場を共有しているといいます。師匠の思いやりに答えようと奮闘する村上さんの奮闘を追います。
◇ナレーション
佐々木蔵之介
◇おしらせ
この番組は、朝日放送の『青少年に見てもらいたい番組』に指定されています。

ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – ドキュメンタリー全般
情報/ワイドショー – 暮らし・住まい
趣味/教育 – その他

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
映像
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
サンプリングレート : 48kHz

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