ドキュメント72時間「駄菓子屋・子どもたちの小さな宇宙」 2015.06.13


ちゃうわ!ここは下町の駄菓子屋。
小さな小さなドラマが毎日繰り返される。
夜になればかつての子どもたちがふらりとやって来る。
小さなようでどこか奥深い。
不思議な駄菓子屋の世界をじっくりと観察した。
港町…その片隅でもう50年以上営業を続ける店が今日の舞台。
全国でもあまり見なくなった昔ながらの店構え。
4月初め平日のお昼に撮影開始。
全部…フフッやってもらう。
お店を始めたのはおばあちゃん。
最初は食堂だったけど客足が伸びず少しずつ駄菓子を置くようになったという。
バイバ〜イ。
バイバ〜イ。
イエ〜イ!今店を切り盛りするのは孫の由紀さん。
子どもたちからはねーちゃんの愛称で親しまれている。
午後2時前。
新学期を迎えたばかりの子どもたちが集まってきた。
バラバラ?最初に来たのは小学2年の女の子。
まずはソース煎餅を食べながら世間話。
(由紀)アハハハッ。
そっか〜。
おなかが膨らんだらガムのくじで軽くスリルを味わうのが定番らしい。
時間を追うごとに子どもたちがどんどん集まってくる。
えっとね…実は店の一番人気はこの手作りクレープ。
なんと値段はどれも1枚100円。
(笑い声)いつもここでお母さんの仕事が終わるのを待ってるんだって。
(取材者)お〜。
フフフフフッ。
夕方5時過ぎ。
少し年上の女の子たちがやって来た。
アハハハハッ。
ハハハハハッ。
どうやらここでは誰もが友達らしい。
テレビテレビテレビテレビ!ん?アハハハハハッ。
明日も?アハハハッ。
暗くなり始めると子どもたちは家路につく。
最後のお客さんが帰ったらその日はおしまい。
営業時間がきっちり決まっていないのも何かいい。
撮影2日目。
お昼前小さな女の子が一人でやって来た。
(せき)店の人もよく知っている子みたい。
60円…これが30円。
90円。
あれ?どこで食べるんだろう?駄菓子はいつもお母さんのパート先で食べるという。
お菓子がおいしいから。
フフフフフッ。
歩く事3分。
お母さんはちゅう房にいた。
いつも駄菓子を食べながらここで静かにお母さんを待つんだって。
働く親の背中をじ〜っと見てるんだろうな。
今日もまた小さな常連さん。
ちっちゃい方の?おっきい方で。
次々とやって来るお客さんにねーちゃんは大忙し。
仕事の邪魔をするとねーちゃんは怒る。
今度は店先でボールつき。
道路では危ないから禁止。
悪い事をしたらきちんと叱るのがこの店の流儀。
ねーちゃんと何やら話し込む子がいた。
中学2年になったばかり。
毎日が何となくつまらないという。
お〜すごいな〜!アハハハハッ。
(由紀)ええ〜?話すうちに笑顔が戻ってきた。
今度はにわかに店の中が騒がしくなった。
ちゃうわ!違うこいつに言っとんねん俺は。
遊びに誘われなかった男の子が怒って仲間を蹴ったみたい。
もうやめろってもう!やめろもう!もうもういいもういいもういい。
ケンカはエスカレートする一方。
向こうでやればいいやんもう…。
でも…。
なかなかな…。
ねーちゃんは一切口出ししない。
どうやらケンカは終了。
いつの間にかバレーボールが始まった。

(由紀)ケンちゃん遅かったな。
うん。
(由紀)座らしてもらい?無理やな。
毎日来とうな。
(由紀)何でケンちゃん遅かったん?うんちょっとな。
夕方6時。
若者のグループがやって来た。
昔からの常連。
今もたまにいろんな事を報告しに来るという。
毎日お父さんの土木会社で汗を流す彼。
ここに来ると決まってパックのコーヒー牛乳を飲むらしい。
両親の離婚がきっかけで荒れた時期があった。
そんな時もここでねーちゃんと話すと気持ちが静まった。
一番の夢は…夜8時過ぎ。
今度は小さな子どもを連れた女性。
随分若く見えるけど…。
これからスナックに出勤するシングルマザー。
子どもを実家に預けに行く前いつもここに立ち寄るという。
子どもの将来のため。
昼も夜も働く日々だけど最近ちょっと疲れ気味。
元気のない彼女に見せようとねーちゃんが写真を持ってきた。
時計の針が少しだけ昔に戻る。
そしてみんな少しだけ元気になる。
バイバ〜イ。

(笑い声)
(笑い声)仕事帰りに立ち寄った男性。
ここは小さい頃弟とよく遊んだ思い出の場所らしい。
そんな前やったっけ?弟さんは去年海で溺れ突然帰らぬ人となった。
ほんまに。
溶接しとる時か〜。
でも実は今日ねーちゃんに知らせたい事があった。
そやで!彼は初めて父になる。
(笑い声)ごちそうさまです。
ありがとうありがとう。
ありがとうございます。
ありがとう。
ありがとうございます。
2015/06/13(土) 03:48〜04:15
NHK総合1・神戸
ドキュメント72時間「駄菓子屋・子どもたちの小さな宇宙」[字][再]

神戸の下町、小さな駄菓子屋が今回の舞台。ケンカをしたり、学校の悩みを相談したり…。大人の知らない小さなドラマが繰り返される、不思議で懐かしい空間を見つめた。

詳細情報
番組内容
「ガム当たった!」「クラス替えどうだった?」子どもたちのにぎやかな声が響くのは、神戸の下町・兵庫区にある駄菓子屋。10円玉を握りしめて、何を買うか考える女の子。共働きの親が帰ってくるまで店先で過ごす男の子。夜になると、かつて常連だった若者たちが、懐かしい時間に浸りにやってくる。駄菓子を食べて、ケンカして、また仲直りして成長していく。小さなようで奥深い「子どもの世界」にカメラを据えた。
出演者
【語り】西田尚美

ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 社会・時事
ドキュメンタリー/教養 – 歴史・紀行
情報/ワイドショー – 暮らし・住まい

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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