勉強熱心で信心深い台北の人たち。
どこか懐かしい感じ。
あ〜それにしてもおなかが減りました。
強風や強い衝撃にさらされる巨大な橋。
その構造を何十年も支える技術それが接合だ!ツタンカーメンのマスク。
これもさまざまな接合技術の結晶だ。
人類が数千年前から研さんし続けてきた歴史ある技術なのだ。
そして今異なる金属をくっつける異素材接合が熱い!例えば車。
鉄とアルミをくっつけたフレームによっておよそ25%も軽量化できる。
自動車の未来を大きく変えるかもしれない。
いい事尽くめの異素材結合。
しかし不可能とされる組み合わせがある。
それがやわらか〜いアルミと硬〜い超硬合金。
試しに溶接してみると…。
ご覧のとおり簡単に剥がれてしまう。
もしこの両者を強力に接合できれば宇宙船にも活用できる。
ボディーをアルミで軽量化。
その外側を超硬合金。
頑丈で打ち上げコストも低い宇宙船の出来上がりだ!だからこよいは超硬とアルミの強力な接合に挑戦!まずは接合のファンタジスタねじ。
そしてはんだ付けでもおなじみ溶かした金属を接着剤にしてくっつけるろう接。
繰り出される奇想天外な技術。
今回もプライドを懸けた真剣勝負だ!くっつけろ!こんばんは。
「超絶凄ワザ!」MCの千原ジュニアです。
さあジュニアさん。
明らかに初めて言いました。
マニアックですけど非常にこう…おっきいというか対決ですね。
金属同士っていうのはですね実は同じ性質同士の物をくっつけるっていうのは実はたやすいんですね。
アルミとアルミ。
鉄と鉄。
もともと同じですから。
ただ全く違う物をくっつけるとなるとなかなかこれがうまくいかないという事になります。
中でも一番難しいといわれている素材がこちら。
大きい方がやわらかいアルミ。
棒状の方が非常に硬い超硬合金。
今回はこの全く違う素材をくっつけて下さい!こうくっつけて。
そういう事になります。
では対決に挑むつわものたちを紹介しよう。
琵琶湖のほとり滋賀県長浜市。
ねじで挑むトップ精工ここにあり。
超硬合金やセラミックスなど硬い素材の加工が得意だ。
その技術は折り紙付き。
ねじ一つでどんな物もくっつける。
用途は宇宙にも。
これは小型衛星用の制御装置。
この会社のねじが要となっている。
毎分6,000回転で強い遠心力がかかるが決して引っこ抜けない。
社内きっての技術者で結成長浜スクリューズ。
どんな素材もどう猛なねじに変身させる。
くっついたら最後決して離さないねじ穴を掘る。
2人の結束が勝利の鍵を握る。
対するは兵庫県尼崎市のナイス。
「ろう」と呼ばれる金属を溶かして接合するろう接という技術で勝負に挑む。
その精密な仕事ぶりを買われ大手企業からの依頼が相次ぐ。
こちらは中にガスを通すポンプ。
僅かな漏れも許されない。
ここにこの会社の技術が。
あの「はやぶさ2」の開発にも使われた。
社運を懸けたプロジェクトチーム。
エースは入社22年目の…さしもの大西も今回のお題は初めての挑戦だ。
ろう付けの秘めたる実力を見せつけろ!すごいね〜さあという事で…。
アプローチの違うお二組でしたけれどもまずはねじで挑んで頂きます長浜スクリューズの皆さんです。
よろしくお願いします。
・お願いします。
この挑戦を受けて下さった理由というのはどんなところでしょう?
(藤井)やった事もないテーマですし超硬にねじを切るという事もないんでねちょっと面白そうだなという事がまず最初にありまして。
何ぼその素材が違うというたってねじやねんからまあ言ったら…がっつりうまい事いくと思うんですけどね。
対するろう接で挑みます尼崎ブレージングスの皆さんです。
よろしくお願いします。
(一同)よろしくお願いします。
受けられた理由っていうのは何なんでしょう?我々もさまざまな接合をしてきたという自負がございますのでそのレパートリーの一つとして加えていきたいという…そこに尽きると思います。
技術者魂。
いい言葉ですわ!言いにくいですけどね。
頂きます。
いいの頂きました。
今回のルール。
加工が許されるのは先端から僅か10ミリだけ。
ここをねじにするかろう付けするかしてくっつける。
この僅かな接合でどれだけの力に耐えられるかを競う。
戦いの舞台がこれだ!名付けて…ヘラクレスのお裁き。
言うてみてどうですか?怪力の英雄ヘラクレスのごときマシーン。
試しに2本のアルミの棒を左右にセット。
同時に引っ張る。
うわ!このように先に切れたり抜けたりした方が負けだ!アルミを引きちぎるほどの強い力にどこまで耐えられるのか?では両者開発のドラマをご覧頂こう。
対決1か月前。
長浜スクリューズの作戦会議。
雄ねじと雌ねじの間に隙間があると引っ張られた時にふらつきそこから壊れる。
そこで両者がぴったりとくっつき引っ張られてもびくともしないねじを目指す。
まずは雄ねじと雌ねじを寸分たがわぬ精度で削る。
竹内がアルミで雌ねじを削り出す。
用いるのは最新の旋盤装置。
緻密なプログラミングでねじ穴を狙いどおりに彫っていく。
3日かけてようやく雌ねじが仕上がった。
ここから雄ねじ担当藤井の出番だ。
雄ねじは雌ねじの形状に合わせて加工しなくてはならない。
しかし超硬の加工は一筋縄ではいかない。
超硬合金は硬い反面割れやすい。
ねじの山が欠けてしまったらぴったりくっつけるどころではない。
そこで藤井が取り出した秘密兵器がこの砥石。
表面にはダイヤモンドの粒子。
極小の粒で超硬が割れないよう少しずつ削る作戦だ。
削る事30分。
欠けていない。
無事だ!長浜スクリューズ試作…早速その実力を試す。
ねじを徐々に引っ張り引き抜けた時の力を測定。
その数値が大きいほど接合する力が強い事を示す。
果たしてどうか?抜けてしまった!結果は2トン。
鉄と鉄の接合力の半分だ。
やはり超硬とアルミは難しい。
長浜スクリューズ前途多難。
一方尼崎ブレージングスも動き出した。
アルミと超硬のろう付けは初めて。
未知への挑戦だ。
無謀だって?上等じゃないか!大西の闘志に火がついた。
まずは簡単なテスト。
ろう材を溶かして超硬につけてみる。
すると…。
(大西)いや〜…。
何とはじいてしまう!くっつけるどころではない!のっけからつまずいた大西さあどうする?この白い液体に一体どんな効果があるというのか?お〜!なじむなじむ!なぜだ?金属の表面には目には見えない酸化物がある。
このままろうを塗ってもすぐにはじかれてしまう。
そこでフラックスの出番だ。
こいつで酸化物を残らず取り去ればろうが金属と直接結び付く。
よってよくなじむのだ。
準備は整った。
超硬をアルミの穴に差し込む。
ろう材はあらかじめ穴の中にセット。
超硬とアルミの隙間は0.05ミリ。
この空間をろうでぴったりと密着させなければならない。
回転させながら均一に過熱し中のろうを溶かす。
しかしここで課題が!アルミが溶け始めるのは660度。
一方ろうは580度。
その差は僅か80度だ!少しでも加熱しすぎればアルミがもたない。
火力や加熱時間に細心の注意が必要なのだ。
大西に緊張が走る。
ろうが溶け出した!しかし大西はまだ火を止めない。
うわ〜…!アルミが溶けちまう!ぎりぎりセーフ!アルミが溶ける寸前でろう付けに成功だ。
さあこの接合力はどれほどのものか?ここで抜けた!記録は?何と2.4トン。
ねじを一歩リードだ!ガス管の接合にも使える実用レベル。
ろう付けの底力思い知ったか!すごい!いや大西さん一発目ですごいですね!そうですねはい。
温度のあそこまでいって80度っていう事はかなり微妙なとこなんでしょう?
(大西)そうなんですよ。
それにかなり苦労しまして。
でもまあ出だし滑り出しは順調ですけどね。
一方ねじチーム。
やっぱりああやって持ってかれてまうんですね?そうですね。
実際に一番最初にやって頂いたものを。
完全に持ってかれてんねやこれが。
だから1ミリぐらいの厚さやとこれぐらいのやわらかさって事ですもんね?これ厄介ですやん!戦いはここから更にヒートアップ!2.4トンをたたき出した尼崎ブレージングス。
接合部分を超音波で分析。
記録更新への手がかりを探る。
すると意外な事実が…。
赤い色が示すのは接合部分に空いた隙間だ。
このままではこれ以上の接合力アップは望めない。
この隙間をなくすため大西は一か八かの賭けに出た。
その策とは…。
これまでのやり方と比較してみるとよく分かる。
2分25秒ろうが溶ける。
ここからアルミが溶ける寸前まで加熱を続ける。
前回はここまで。
しかし…。
え〜…!このままじゃアルミが溶けちゃわない?ここで止めた!あ〜ドキドキした。
10秒多く加熱した事で一体どんな効果が?再び超音波で検査。
すると…。
お見事!実は鍵を握っていたのは超硬の温度。
これまでの加熱時間だとろうは溶けるが超硬は温まらない。
そのためろうが十分になじまず隙間ができていた。
そこで大西は10秒だけ長く加熱。
その結果超硬が十分に温まりろうが隙間なく密着するようになったのだ。
熱を巧みにコントロールしろうの力を最大限に引き出す凄ワザだ!再び試験に臨む。
大西の作戦は功を奏するか?結果は?無謀といわれた組み合わせで見事記録更新。
快進撃はどこまで続くのか?一方の長浜スクリューズ。
苦戦を強いられていた。
社長の浅井が奇抜な発想で突破口を切り開こうとする。
(浅井)角ねじとか丸くするっちゅうのはどうや?ねじ山の形状を変えようというのだ。
試行錯誤の末たどりついたのはこの四角いねじ山。
なぜこの形に?浅井の考えはこうだ。
山形は雄ねじと雌ねじの先端部分をぴったりと合わせる加工が極めて難しい。
よってどうしても隙間ができそこがぐらついて壊れやすくなる。
角形なら隙間なく合わせる加工がしやすいと考えたのだ。
まず竹内が角形の雌ねじを試作しその出来栄えをチェック。
雌ねじを切断し断面を確認した。
すると…。
雌ねじが台形になってしまった。
う〜ん…角形も一筋縄ではいかないようだ。
なぜ台形になったのか?竹内が注目したのは削るための刃だ。
目には見えないが刃の一部が雌ねじの角に当たり台形になっているのではないか?そこで刃の形状を改良。
こうすれば正確に削れると考えた。
竹内の再挑戦。
削り出した雌ねじが姿を見せた。
早速形を確認する。
どうか?見よ!狙いどおりの角の形。
これならぐらつかないはず!その実力やいかに?きた?きた?きた?お〜…これは?結果は2.8トン。
逆転だ!その力小型トラックをつり下げるほど!驚異の接合力を生み出した!2015/06/12(金) 16:20〜16:50
NHK総合1・神戸
超絶 凄(すご)ワザ!▽ものづくり革命!?奇跡の接合対決ねじVSろう接 前編[字][再]
「最強接合」を目指す対決。実は「アルミ」と「超硬合金」の強力接合は不可能とされている。この難題に「ねじ」と金属を溶かしてつける「ろう接」が挑戦。奇跡は起きるか?
詳細情報
番組内容
今回の凄ワザは「最強接合」を目指すガチンコ対決。ものづくりの世界で、柔らかい「アルミニウム」と硬い「超硬合金」を強力に接合することは不可能とされてきた。両者がくっつけば、ものづくりに革命が起きるともいわれる。この超難題に挑むのは「ねじ」と溶かした金属を接着剤にしてくっつける「ろう接」。奇想天外な技を繰り出し接合に挑戦、引っ張る力にどれだけ耐えられるかで勝負する。奇跡の接合でものづくりに革命だ!
出演者
【出演】挑戦企業…ナイス,トップ精工,【司会】千原ジュニア,池田伸子,【語り】千葉繁
ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – その他
バラエティ – その他
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