韓国MERS:1万円マスク注文殺到 愛知の会社大増産
毎日新聞 2015年06月13日 21時59分(最終更新 06月13日 22時38分)
◇夏でも快適、韓国から個人客も 1日1万枚以上生産
韓国で中東呼吸器症候群(MERS)コロナウイルスの感染が拡大していることを受け、愛知県豊橋市のメッシュ製品の製造会社「くればぁ」が作る約1万円の超高級マスクが売れている。夏場でも快適に身につけられることが特徴で、洗って再利用が可能。韓国向けに卸売りする日本の商社からの発注だけでなく、小売店で入手できない個人客が韓国から訪れ直接買い付けていくこともあるという。
同社のマスク「ピッタリッチ」は、7〜8層のフィルターを重ねて細菌やウイルス、細かい粒子の侵入を防ぐ。暑い夏でも汗を吸い、息苦しくないのが特徴。「MERS用」とはうたっていないが、5月20日に「MERS対策に購入したい」と商社から電話があったのを皮切りに、注文や問い合わせが殺到した。
オーダーメード品や使い捨てタイプも含め、昨年の今ごろは生産数が1日1000枚弱だったが、休日返上で約10倍の1万枚以上を製造しても注文に追いつかない状態だ。急きょ正社員を新たに5人採用した。
家族や知人に配るため1人で約60万円分購入した韓国人だけでなく、日本人や中国人にも注文が広がっており、同社の中河原毅(つよし)専務は「マスクは冬のもので夏にはつらい。快適なら高くても買いたいと思うほど、感染への不安が広がっているのではないか」と話している。【吉富裕倫】