(律)弟がいたんだ。
それも育児放棄されてる。
その子を引き取ろうと思ってるんだ。
(環)つまりあんたはその子のために早川家を捨てるわけね。
(真也)あなたの代わりに路加を産んだの。
路加のこといつでも連れてっていいわよ。
(恭子)これ律よね?描いたの小さな子供かしら?
(路加)早川律っていう人のおうちを捜してるの。
(恭子)一人で大変だったね。
(律)ごめん。
隠してて。
この先のことは後で考えよう
そうお母さんは言ってくれた
おいしいものを食べればきっといい考えも浮かぶだろうからって
その笑顔は春の日だまりのように温かくて
僕は心から思ったんだ
この人の息子でよかったって
律。
あなたやっぱり路加君のこと引き取るつもり?そうしたいと思ってる。
あの人に預けておくのは路加のためにはならないよ。
いつでも連れてっていいなんて本心とは思えないけど。
お母さんには分からないんだよ。
世の中にはそういう母親もいるんだ。
駄目よ律。
あなた雨宮さんのことまだ知らないでしょ?簡単にこういう人だって決め付けちゃ。
そうだけど。
とにかくもう一度よく話し合ってみたら?決めるのはそれから。
ねっ。
分かった。
律。
あなたがどんな結論を出そうとお母さんはあなたの味方だからね。
ありがとう。
ところで路加君だけど今日はどうする?泊めちゃ駄目かな?あの人帰ってくるのあしたの昼らしいし。
いいけど連絡はしときなさいね。
万が一夜帰ってきて路加君いなかったら心配するだろうから。
そうだね。
路加?
(路加)ねえ?お兄ちゃん。
これがお兄ちゃんの家族?そうだよ。
これがお母さんでこれが弟の調。
これが妹の奏。
(路加)いいな。
家族いっぱいいて。
楽しそう。
今度路加にも会わせてあげるよ。
そしたらみんなで一緒に写真撮ろう。
ホント?やった!ねえ?路加。
お兄ちゃん。
ママと話したいんだけど携帯の番号知ってる?えっとね。
うん。
何かあったらここに電話しなさいって。
ありがと。
ちょっと借りるね。
うん。
はい。
路加君。
あっ。
僕のスプン。
奇麗ね。
ママにもらったの?そうだよ。
ねえ?路加君。
いつもお出掛けするときこれ持ってくの?うん。
どっか行くときいっつも一緒なんだ。
そう。
はい。
ありがとう。
よくできました。
(呼び出し音)
(中山)お待たせ。
(真也)シャワー浴びてくるわ。
(呼び出し音)
(アナウンス)留守番電話に接続します。
発信音の後にメッセージを録音してください。
どうだった?つながらなかった。
留守電にメッセージ入れておいたけど。
だったら何かあれば連絡があるわね。
じゃあ今日のところは路加君にうちに泊まってもらいましょっか。
えっ?僕泊まっていいの?お兄ちゃんと一緒の部屋で寝れるのよ。
やった。
いっぱいお話できるね。
いっぱいお話できるよ。
お兄ちゃんの部屋に行こっか?うん。
うん。
よいしょ。
こっちだよ。
ここがお兄ちゃんの部屋。
ベッドにはしごが付いてる。
二段ベッドだからね。
いつもはお兄ちゃんが下なんだけど今夜は路加が下だよ。
寝台列車みたいだね。
乗ったことあるの?ううん。
絵本で見た。
いいな。
カッコイイな。
・あら。
にぎやかね。
路加君。
寝る前にこれに着替えよっか?よし。
ジャンプ!そんなのよくあったね。
捨てられずに取っといてよかった。
じゃあ路加君。
万歳しよっか?万歳。
はい。
万歳…。
あっ。
ごめんね。
はい。
どうかな?サイズ合うかな?よいしょ。
よいしょ。
そのパジャマは僕のお下がりだった
同じパジャマを僕と調が着てそれを路加も着ることになるなんて
(三崎)律のやつどうしてるかな?
(絹江)何だ?恨めしそうに。
(三崎)だってよお前が「今日はもう帰れ」とか言うから。
(絹江)あんただって同じ気持ちだろ。
(三崎)まあな。
(絹江)だけど今度の相手は手ごわそうだね。
(三崎)親にとっちゃ子供は自分の一部でも子供にとっちゃ親は世界の全部だからな。
ちっけえころは。
(絹江)あんた。
ちょっと飲み過ぎだよ。
はい。
路加。
そろそろ寝ようか?お片付けしよう。
うん。
お兄ちゃん。
本読んでくれる?いいよ。
「大丈夫。
大丈夫。
僕とおじいちゃんは何度その言葉を繰り返したことでしょう」
ついこの前会った僕でさえ心からこの子をいとおしいと感じているのにあの人はこんな感情さえ抱いたことはないのだろうか?
「でもそのたびにすっかりよくなりました」・
(足音)
(真也)何してるの?
(中山)やっぱり帰るよ。
(真也)今日は朝まで付き合ってくれるんじゃなかったの?
(中山)フッ。
そんなありきたりなこと言うなよ。
君はそういう女じゃないだろ?日曜は家族サービスなんだ。
悪いね。
これタクシー代。
また連絡するから。
じゃあ。
(真也)タクシー代ね。
・
(ドアの開閉音)
(真也)ルームサービスお願い。
このホテルで一番高いお酒持ってきて。
あっ。
お兄ちゃんち泊まったんだった。
お兄ちゃん。
お兄ちゃん?
(路加)お兄ちゃん?うわー。
すごい。
おはよう。
路加。
お兄ちゃん。
おはよう。
ねえ?これ食べていいの?もちろんだよ。
すごい。
朝からごちそうだね。
そうだね。
おはよう。
路加君。
あっ。
おばちゃん。
よく眠れた?うん。
電車の夢見たよ。
そう。
じゃあお着替えして朝ご飯にしよっか?うん。
いただきます。
(恭子・律)いただきます。
おいしい?うん。
すっごくおいしい。
ねえ?路加君。
いつも朝はパン?ご飯?僕朝は食べないよ。
えっ?そうなの?朝はママ寝てるんだ。
お昼ごろ起きるからそれまで静かにしてるの。
でもおなかすくでしょ。
おなか減ったら僕冷蔵庫の牛乳飲むよ。
お昼はどうしてるの?ママが何か買ってきて一緒に食べる。
でもママお酒飲み過ぎたときはおなかがむかむかするって。
いっつもアイスだけなんだ。
そうなの?だから僕朝こんなにいっぱい食べるの初めて。
これ全部食べていいのよ。
ホント?うん。
(環)ママ。
分かってるわね?調とカナが泊まったことは秘密だからね。
(みつ子)分かってるわよ。
ゆうべから何回もおんなじこと言わないでよ。
(環)何回も言わないとママ口滑らすでしょ。
(みつ子)滑らしたりしません。
(みつ子)律君のことはもう忘れてよ。
(奏)えっ?律兄ぃのことって。
(環)ママ。
(みつ子)あっ。
ごめんなさい。
(圭介)あっ。
いや。
何でもないんだ。
あのう。
ほら。
(圭介)前律が大学を休もうとしたことこいつ姉さんにぽろっと言っちゃったんだ。
(奏)へえー。
そうなんだ。
(圭介)うん。
(調)叔母さん。
今回のことは絶対母ちゃんには内緒にしててくれよな。
(みつ子)うん。
大丈夫。
任せて。
あっ。
コーヒー入れてくるね。
(奏)大丈夫かな?
(調)心配だな。
それじゃあ行ってくるね。
(路加)バイバイ。
おばちゃん。
さよなら。
路加君。
また来てね。
うん。
バイバイ。
バイバイ。
いってきます。
うん。
気を付けて。
うん。
(路加)すっごく楽しかったね。
またいつでも遊びにおいで。
(路加)いいの?もちろん。
(路加)わーい。
今度何して遊ぶ?じゃあ次来たときは平仮名の勉強しよっか?
(路加)うん。
叔父さん。
一宿一飯の恩一生忘れません。
(圭介)大げさだな。
何時代だよ?
(調)戦国。
(奏)タマちゃん。
またガールズトークしようね。
(環)分かった。
調。
しっかり伯母さんだましなさいよ。
(調)うん。
そっちも口止めよろしくな。
(みつ子)うん?ちょっと。
(環)ママ。
(奏・調)じゃあ。
ありがとうございました。
(みつ子)気を付けてね。
それにしても懐かしいな。
まさか調の子供のころのパジャマをまた出すことになるなんて。
これってもともと律のだったのよね。
・
(ドアの開く音)・
(調・奏)ただいま。
あっ。
おかえり。
2人とも一緒?
(調)偶然そこで会って。
なっ。
(奏)うん。
すっごい偶然。
それで2人ともゆうべはどこに泊まったの?
(調)俺は竹原先輩んち。
(奏)カナはミキちゃんのとこ。
ミキちゃんは前うちに遊びに来た子よね?竹原君は知らないな。
連絡先教えて。
いいよお礼なら。
別にごちそうになってないから。
えっ?お夕食はどうしたの?
(調)竹原先輩。
おばあちゃんと二人暮らしでさみんなでお金出し合ってピザ取ったから。
まあ。
(奏)あっ。
ミキちゃんのとこもお礼はいい。
女の子みんなでお料理したから。
そうなの?でもやっぱり。
(調)いいんだよ。
親が旅行中で秘密の女子会なんだよな?
(奏)そう。
だから電話しないで。
分かった。
(調)よっしゃ。
ミッション成功。
あれ?俺こんなきっちり畳むか?母ちゃんが掃除したのか。
いや。
しかし律兄ぃのベッドのこのただならぬ乱れ方は。
物の位置もさりげなく変わってるような。
あっ。
怪獣?
(調)母ちゃん。
律兄ぃは?出掛けたわよ。
お友達と会うって。
そう。
(調)いくら律兄ぃが絵が下手だっていってもこれはな。
(路加)ママ。
帰ってるかな?きっと路加待ってるよ。
(チャイム)寝てるのかな?路加。
鍵出して。
(路加)うん。
うん。
(路加)ただいま。
お邪魔します。
(路加)ママ?ママ?ママ?あれ?きっとお仕事が長引いてるんだね。
帰ってくるまでお兄ちゃん一緒にいるから。
うん。
そうだ。
平仮名の練習しよっか?うん。
クレヨンとお絵描き帳出して。
うん。
うん。
・
(真也)はい。
・
(フロント係)フロントでございます。
そろそろチェックアウトのお時間となりますが。
(真也)ああ。
分かったわ。
「た」「ち」うん。
奇麗。
「つ」「て」「と」・
(ドアの開く音)
(路加)あっ。
ママだ。
ママ。
おかえり。
お邪魔しています。
(真也)来てたの。
ゆうべ路加君をうちに泊めて送ってきたんです。
留守電入れておいたんですけど。
(真也)聞かなかったわ。
路加。
すぐに行くからママの部屋で待ってて。
(路加)うん。
うん。
何してたんですか?
(真也)あなたに関係ないじゃない。
昨日路加君はたった一人でうちまで来たんです。
電車に乗って。
知らない人に声を掛けて。
偶然母が通り掛かったからよかったけど。
そう。
「そう」って。
心配じゃないんですか?
(真也)無事着いたんでしょ?だったら問題ないじゃない。
路加のことできるだけ早く準備しますから。
・路加。
また来るからね。
・
(路加)うん。
バイバイ。
またね。
・バイバイ。
(路加)ママ。
ゆうべ僕ねオムライス食べたんだよ。
・
(ドアの開く音)おばちゃんが作ってくれたの。
すっごくおいしかった。
今度ママも一緒にお兄ちゃんち行く?
(真也)路加。
ちょっと待ってて。
《興味ないの。
君にも路加にも》
(真也)《あなたの代わりに路加を産んだの》《とんだ計算違いよね》・
(ドアの開く音)
(真也)路加引き取るって話だけどあれやっぱりやめるから。
えっ?
(真也)それとあなたももうここに来ないで。
じゃあ。
うっ!?
(真也)ちょっと!何やってるの?今のどういう意味ですか?気が変わったの。
そんな無責任な!
(真也)そこの前の公園で待ってて。
すぐ行くから。
(真也)ほら。
えっ?
(真也)手冷やしなさい。
あっ。
すいません。
後で文句言われても困るから。
さあ話の続きしましょう。
どういうことですか?路加を預けるのやめるって。
(真也)気が変わったの。
やっぱり親子は一緒にいるのが普通でしょ。
それはそうですけど。
(真也)それとも路加と私を引き離した方があの子のためだって思うの?分かりません。
僕はあなたのことを知りませんから。
何がおかしいんですか?ホント正直。
ちょっとは生みの親として感謝してもらえないのかしら?
(真也)…なんて無理よね。
あなたよかったわね。
早めに私に捨てられて。
えっ?
(真也)あなただって心ん中ではそう思ってんでしょ?そんなこと…。
とにかくもう二度とうちには関わらないで。
迷惑なの。
待ってください。
関わらないなんてできません。
僕はもう知ってしまったから。
路加の存在を。
あなたには会いません。
でも路加には会いに来ます。
路加は僕の弟ですから。
あなたってホント父親そっくり。
えっ?
(真也)誰にでも優しい。
だけど中途半端な優しさは結局相手を傷つけるのよ。
最初は「興味がない」と言われた
二度目は生まれたことを否定された
そして三度目
何を言われようが僕はもう引き下がらない
路加の幸せのために強くならなきゃいけないって思ったんだ
2015/06/12(金) 13:25〜13:55
関西テレビ1
明日もきっと、おいしいご飯 〜銀のスプーン〜 #10[字][デ]
自分が養子だという衝撃の事実を知った律(高杉真宙)は、生みの母・真也(河井青葉)の家を訪ねてみる。そこには自分の弟かもしれない男の子・路加(山口祐輝)がいて…。
詳細情報
番組内容
ひとりで律(高杉真宙)の家までやってきた路加(山口祐輝)。そんな路加を恭子(富田靖子)も温かく迎えてくれる。「この人の息子で本当に良かった……」律の心が少しだけ救われる。
この日、路加は早川家に泊まることに。家族で一緒に過ごすこと、ご飯をおなかいっぱい食べられること、そんな当たり前のことを無邪気に喜ぶ路加。その姿に律も恭子も心が痛んで…。
番組内容2
一方、恭子を休ませるためにみつ子(芳本美代子)たちの家に泊まった調(前田旺志郎)と奏(田附未衣愛)は、意気揚々と我が家に戻ってくる。が、調はひょんなことから路加の描いた絵を発見してしまう。
その頃、律は路加を自宅に送り届けていた。ところが、真也(河井青葉)の姿はなく連絡も取れない。律の中で真也への憤りが再び沸き上がってきて…。
出演者
早川 律:高杉真宙
早川恭子:富田靖子
花山大輔:山田純大
雨宮真也:河井青葉
鈴井 環:岩田さゆり
茂木和彦:木本武宏
・
早川 調:前田旺志郎
早川 奏:田附未衣愛
雨宮路加:山口祐輝
・
一柳 隆:和田聰宏
鈴井みつ子:芳本美代子
小川絹江:藤田弓子 ほか
スタッフ
【原作】
『銀のスプーン』小沢真理(講談社「Kiss」連載中)
【脚本】
森山あけみ
【演出】
金子与志一
【プロデュース】
松本圭右(東海テレビ)
西 麻美(松竹)
原 克子(松竹)
竹内絵唱(松竹)
【音楽】
市川 淳
【主題歌】
高橋 優「おかえり」(ワーナーミュージック・ジャパン)
【制作著作】
松竹株式会社
【制作】
東海テレビ
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ケチャップで想いを綴ったオムライスの写真を大募集!!詳しくはHPで!
【公式サイトURL】
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ドラマ – 国内ドラマ
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音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz
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