京都地検の女7 2015.06.12


(祭り囃子)
(鶴丸あや)あありんあなたその浴衣とってもよく似合ってる。
(鶴丸りん)お母さんもきれい。
そう?ウフフフフ…。
章ちゃんにも見せたかったわね。
最愛の妻と娘のこの艶姿。
ねえ!フフフフ…。
(携帯電話)あら。
あもしもし。
え?今から?わかった。
すぐ行くね。
え?ちょっと…行くの?ごめんちょっと急用出来た。
え〜!?お祭り1人じゃ盛り上がらないのに…。
りん!ああもう…。
なんで…?1人よりはマシか。
成増さーん!
(成増清剛)なんでいるんだよおい…。
ちょっと…どうしたの?そんなお面なんか被っちゃって。
潜入捜査だよ。
ウソ?ねえねえねえねえ!一緒に園祭行こう。
行こう!ダメダメ。
今日ね一日中聞き込みでクタクタなんだから。
じゃあ宵山でその疲れを癒やそう。
もう仕事でそんな気分じゃねえんだ俺。
焼きそば食べよう。
美味しいとこ知ってるんだ〜!ダメダメ仕事中だから。
ちょっと待ってよ仕事中…。
(橋田ミキ)このダイヤの指輪すっごくすてき!ありがとう!フフ…フフフフ…。
やだもう!すぐそんないやらしい事言うんやから。
そんなんやったらもう1つおねだりしてもええ?ブレスレットも欲しいねん。
キャー!ちょっと何すんのよ!離してよ!ああっ!あっ!う…。
(原口)「どうしたん?どうしたん?ミキちゃん」「ミキちゃん?どうしたの?」
(パトカーのサイレン)頭部外傷で意識なし。
至急病院へ搬送します。
(池内弘二)お願いします。
(栗原美波)ひったくり今週に入って4件目ですね。
携帯で話してる最中だったんですね?
(原口)ええ…。
いや急に悲鳴になってねこれはなんかあった思って急いで通報したんですよ。
ミキちゃん…。
あちょっ…!ちょ…ちょっと待って!
(池内)ダメダメ。
いやあの指輪がないんですよ。
(池内)指輪?
(原口)はい。
僕があげたねダイヤの指輪が。
(池内)谷本。
ちょっと待て。
谷本ちょっと…。
(谷本アキラ)うう…!ゆうべのひったくりお前だな?
(谷本)違う!俺じゃないっつうの!
(谷本)俺ちゃうっちゅうのもう…。
(美波)じゃあこの指輪は何?
(谷本)倒れてる女から指輪抜き取っただけや。
(池内)抜き取っただけだ?
(谷本)俺見たんや。
現場から逃げてく女を。
犯人はあの女や。
(池内)女?何か?
(井川正代)私ゆうべひったくりをしました。
あなたには黙秘権があります。
自分の意思に反して供述する必要はありません。
では始めます。
井川正代さん。
あなたは7月16日午後8時50分頃京都市中京区聚楽東町の御蔵公園で橋田ミキさんが携帯電話に夢中なのを見てとっさに肩のバッグをひったくり橋田ミキさんが取り戻そうとしたのを力づくでもぎ取った。
その際橋田ミキさんはジャングルジムで頭を強く打ち出血したのに驚き現場から逃げ去ったが翌日になって逃げ切れないと覚悟して出頭。
これに間違いありませんか?はい。
現住所は静岡県牧之原市風間町。
京都に来たのは園祭を見るためだとありますが…。
旅先の京都でなぜひったくりなどしたんですか?お金に困ってつい…。
あなたの所持金は3200円。
どうして旅行の費用も持たずに出てきたんですか?え?あ…。
ひったくったバッグについてですがあなたの供述は二転三転して結局まだ見つかってませんよね?どこに捨てました?よく覚えてないんです。
園祭から離れた御蔵公園になぜ行ったんですか?旅館に戻ろうとして途中で道に迷ってしまって…。
被害者の頭には出血を止めるためにタオルが巻かれてました。
あれは…?私がやりました。
タオルはあなたのものですか?公園に落ちていたのをとっさに…。
すみません。
私とんでもない事をしてしまって…。
あの女の人の容体は?まだ意識は戻っていません。
(太田勇一)よし。
即起訴間違いなし。
もしも…あの女の人に万が一の事があったら私はどんな罪になるんでしょうか?強盗致死罪という重い罪になる可能性があります。
次の案件です。
斉藤。
(斉藤加奈子)はい。
おかしい。
検事案件山積みです。
ひったくり事件なんかに手間取ってる余裕ありませんよ。
さっさと起訴して次いきましょう。
ひったくりの動機もバッグの捨て場所も頭のタオルも井川正代の供述は何もかもあやふやだわ。
被疑者は完璧に自供してるじゃないですか。
お願いですからこれ以上余計な事に首突っ込まないでください。
斉藤行くわよ。
(加奈子)はい!斉藤!検事!ダメダメ。
検事斉藤!斉藤検事!
(ドアの開閉音)少しは人の話聞けよ!斉藤検事。
…斉藤検事?
(池内)朝イチでレンタカーの営業所全部当たるからな。
(美波)了解です。
バックバック…。
(池内)おおっ!なんだよ…挟み撃ちかよ。
池内さん。
井川正代の調書こんなあやふやなものじゃ起訴出来ないわ。
もう一度徹底的に調べ直して。
栗原さんあなたこういう先輩を見習っちゃダメよ。
しっかりしてね。
若いからとか女だからとか関係ないの。
あなたは刑事なんですから。
検事。
お言葉をお返しするようなんですが井川正代は自ら出頭してるんです。
きっちり自白もしてますよ。
谷本アキラ以外にも現場から逃げる井川正代を複数の人物が目撃してます。
ひったくりの現場を目撃したわけじゃないでしょ!検事…いい加減にしてくださいよ。
嫁いびりじゃないんですから。
それにこれ以上何を調べ直すっていうんですか?しかもですよ井川正代はひったくりだけじゃないんです。
実はスーパーで万引きもしてるんですよ。
万引き?ひったくりをした日の昼間です。
80円の塩1袋だったもんで店側も穏便に済ませたそうなんですけど。
どこのスーパーですか?
(美波)中京区のウエストマート。
案外常習犯かもしれない。
ひったくりも完全にクロですよ。
お返しします。
どうぞ。
行くぞ。
塩1袋…?スーパー出ました。
(保安員)あこっちです。
入ってきた時から様子がおかしかったんですね?ええ。
一目でこれは危ないと思いました。
あこの塩をつかんで一目散に出ていきました。
この塩ですか。
あ…!お客様。
その商品レジを通して頂いてないようですが。
あ…。
なぜ塩が必要だったのか?お相撲の時にこうバッて投げる塩じゃないですかね?あ違う…。
ああれだ!こう玄関のところにこうやって盛り塩で運気アップ!っていうのもなんか…。
あっ盛り塩じゃなくてあれじゃないですか。
もみ塩じゃないですか。
ウエストをキュッ!っていうのもなんか違う…。
あっお葬式の時の清めの塩…。
あわかった!園祭に敵がいてこう敵に塩を…。
…っていうのもないですよね。
でも塩なのよ。
旅先でなぜ塩が必要だったのか?塩に何かある。
おはようございます!すいません。
ちょっと忘れ物取りに戻ってて…。
なんだよ…まだ来てないのかよ。
鶴丸も斉藤もたるんでるぞ。
(あやの声)「井川正代について調べに斉藤と静岡へ行ってきます。
後はよろしく!」
(笑い声)
(鳥の鳴き声)あっ…。
あっすいません…!あの…井川正代さんの事でちょっとお話伺いたいんですけど。
(遠山いさ子)はあ…。
すみません立ち入った事を伺いますが井川正代さんお金に困っていたというような事は…。
(遠山勇吉)金に?さあ…別にそんなふうに見えなかったなあ。
茶畑大変だったけどそこそこやってたし。
なあ?ご亭主は8年前に亡くしてね女手ひとつで正幸ちゃん東京の大学まで出したんだから偉いわよー!自慢の息子さんでねえ。
あの話なんか耳にたこが出来るほど聞かされた。
あの話?正幸ちゃんが高校3年の夏にねえ正代さんが茶畑で暑さと過労で倒れたんですよ…。
(いさ子)そしたら正幸ちゃんお母さんを背負って必死になって医者まで運んでね。
お陰で手遅れにならなかったって正代さんその話ばっかりでねえ。
まああれをきっかけに正幸ちゃんがすっかり更生してくれたから余計に嬉しかったと思うけど。
え?あの更生って…。
ええ。
父親を亡くした高校1年生の頃からたがが外れたみたいにワルの仲間に入ってねえ。
井川さーん!駐在さん!正幸の奴またケンカだ…。
警察署に一緒に来てくれ。
(いさ子の声)しょっちゅう警察から呼び出されて正代さんも随分苦労させられたけど今じゃ立派になってねえ。
あかつき銀行の京都支店で頑張ってるって。
(いさ子)これもまた自慢でねえ。
(遠山)それでもなせっかく守ってきた茶畑だ。
息子が継いでくれれば手放す事もないんだが。
茶畑を手放す話があるんですか?正代さんももう年だしねえ。
女手だけじゃあそろそろ限界なんですよ。
はあ…。
妙な事伺いますが正代さん塩に何か特別な事があったとか…?塩?さあ…?う〜ん聞いた事ないけどねえ。
井川さんあなたひったくり事件の少し前に塩を万引きして捕まったそうですね。
塩?なんの話だよ。
万引きなんて…。
ぼーっとしていてつい…。
万引きをするつもりはなかったという事ですね。
でも…なぜ塩だったんでしょう?ちょうど目の前にあったから。
えぇ?塩の売り場に脇目もふらずに向かっていったと。
だからぼーっとしてわけがわからなくなって…。
(加奈子)どうぞ。
昨日牧之原に行ってきました。
何しに行ったんですか?あなたお金に困ってひったくりをしたと言いましたね。
でも牧之原ではお金には困っていなかったと…。
そんな事…他人にわかるわけありませんよ。
ご子息…正幸さん京都の銀行にお勤めだそうですねえ。
ええ。
ご自慢の息子さんだと皆さん褒めてましたよ。
そうですか…。
京都には正幸さんに会いに来たんじゃありませんか?えぇ?だって…園祭1人で見るつもりだったんですか?ええ!そうです。
だってマー君…正幸は仕事が忙しくてお…お祭りどころじゃありませんから。
検事さんお願いがあります。
今度の事正幸には言わないでおいてください。
警察が行ったりしたら正幸銀行で困った立場になってしまいます。
どうか…お願いします!お気持ちはよくわかります。
息子さんにはなるべく迷惑をかけないようにしましょう。
やめてよ行けば迷惑がかかるって言ってるでしょう!?あんた…うちの息子の将来めちゃくちゃにする気!?
(正代)鬼ー!あーはいはいはいはい!成増。
え?井川正代の息子ってなんだよ…。
ひったくりの件はもうとっくにケリついたんじゃねえのかよ。
いやお願いしますって!ちょっと冗談じゃないよ。
俺だったねえいろいろ別件で…。
(電話の不通音)切りやがったよあのおばちゃん。
俺はねえ鶴丸あやのパシリじゃねえんだぞこの野郎。
(松井刑事)成増さん!ああ…。
あっ捜査会議始まりますよ。
わかってるよ。
なんでもかんでも思い通りに動くと思ったら大間違いだぞ!すいません…!おめえじゃねえよ。
(迫田)井川正幸は退職しました。
いつ頃ですか?
(迫田)去年の夏頃でした。
入行して3か月続かなかったですね。
銀行の仕事が合わないという理由であっさり。
今時の若い者は我慢がないですねえ。
1年も前に辞めてたなんて…。
いくら離れて暮らしてるっていったって母親が知らなかったとは思えないわ…。
井川さんの息子さんどうしたんですかねえ?検事。
息子の事までほじくり返してまた主婦の勘!もう一度案件見直すなんて言い出すつもりじゃないでしょうねえ。
太田さん…!ありがとう!もうさすがだわあ!!はあ?あなた最近私の事ほんとによく理解してくれて…もう嬉しい!!ええまあ検事の事は私が一番よくわかってるつもりですけど。
太田さんの言うとおりよ!私ねえもう一度事件見直してみる!何言ってんですか!?そんなつもりで言ってませんよ!
(電話)あな…あなた…ずるい人だ!はい鶴丸検事室!副部長ちょうどよかった今…!はい…はいただ今。
検事副部長がすぐ来るようにおっしゃってます。
昆布ついてますよこれ。
(高原純之介)ひったくり事件はどうなってる?井川正代息子の正幸が銀行を辞めていた事を知ってたんじゃないかと思うんです。
それが事件となんか関係あんのか?わかりませんが息子の話になると感情的になるのがどうも引っかかって…。
いつものこれか?はい!主婦の勘です。
しかしだなひったくりに関しては自供してるんだろ。
だったらそろそろ…。
でも旅先でなぜ塩が必要だったのかまだわかっていませんしまだまだ疑問だらけです。
こんな中途半端なまま起訴するわけにはいきません。
もう一度じっくり事件を見直すつもりです。
では…。
(ため息)わざとわざと。
寝ぐせでしょ?はい。
(カメラのシャッター音)もしかしてあのお祭りの時の電話の相手?
(ため息)
(りん)最近のレトルト食品ってよく出来てるよね。
ごめんね今日は忙しかったから手抜きで。
でもお母さんどんなに忙しくても1品は必ず手作りだもんね。
私も結婚したら見習うんだ。
結婚…?お母さんのぬか漬けやっぱり最高!結婚する時ぬか床もらっていこう。
結婚?何よ結婚結婚って…さっきからやたらと言うけど。
いずれする時の話。
お母さんって見かけによらず母親としての細やかな配慮もあるし。
見かけによらずは余計でしょう。
はいいただきます。
いただきます。
お母さんが島根に転勤してた時宅配便届くのが楽しみだった。
私が好きなものばっか入ってて。
私も荷物詰めるの楽しみだったわ。
りんが喜ぶかと思うと…。
課長はいつもああいうふうに言うけどさ捜査は俺たちが一歩一歩なゆっくりとペースを保ってやっ…。
(美波)そうですね。
栗原!捜査は一分一秒争うんだ。
さっさとしろ!池内さん?いいから…!またかよ…。
池内さんお願いがある。
なんでしょうか?これが井川正代の手荷物です。
やっぱり…。
井川さん息子と会うつもりだったんだわ。
「牧之原産」なーんでこんなものわざわざ静岡から…。
いくらでもこっちで買えるでしょう?これ…。
ったく男ってこれだからもう…!あら?2003年…8年前のものだわ。
ん?何かしら?この赤い線。
なんにしろ8年前の時刻表なんて役に立ちませんよ。
俺は忙しいんだっつーの!これ何回言やぁわかんだ?あのおばさんはもう…。
(成増清一)おい清剛!はい…。
えらい前から待ってはるんや。
早く行ってあげなさい。
父上がおっしゃるんでしたら。
はい。
早く。
はい。
これもしかしたら…時刻表の上で旅してたのかもしれないね。
時刻表の上で旅?うん。
まあ8年前の時刻表はねもう役には立たないんだけどこうやって辿るとね最寄りの藤枝駅を8時48分発の東海道本線浜松行きに乗車するわけ。
で9時14分に掛川に到着。
で9時25分発のこだま443号に乗り換えると名古屋に10時25分に到着する。
で名古屋で10時30分発のひかり101号に乗り換えると11時22分に京都に到着。
…っていう具合にねまあ実際には行けない旅を時刻表の上では旅する事が出来るかもしれないな…なんてな。
そっか!なるほどね〜。
ああやるじゃないたまには成増さん。
たまにはってもっと素直に喜べないかね素直にね。
2003年って…8年前…井川さんのご主人が亡くなった年だわ。
井川さんあなた息子さんが銀行を辞めていた事をご存じだったんじゃないですか?あの子が銀行を辞めたなんて…いい加減な事言わないでください。
これはあなたが息子さんのために静岡から持ってきたものですよね。
やっぱりあなた息子さんに会いに京都へ…。
違います。
こんな古い時刻表じゃもう役には立たない。
処分した方がいい。
太田さん。
あのこれ…南紀白浜行った時のなんで…!あなたご主人を亡くされたあと1人で茶畑を守り息子さんを大学まで出された。
大変なご苦労の中で旅行どころではなかったはずです。
だからせめて時刻表の中で旅をなさってたんですね。
父ちゃん生きてた時も貧乏暇なしで旅行どころじゃなかったんですけど亡くなる少し前に一度だけ家族で旅行した事あるんです。
南紀白浜へ…。
これはその時の時刻表だったんですね。
この時刻表に引かれた赤い線には家族で旅行に行く時の楽しい気持ちがあふれているような気がしました。
楽しかった〜。
でもその直後父ちゃん倒れてそれっきり…。
正幸が銀行に就職決まった時言ってくれたんです。
母ちゃん…いつか一緒に園祭見ようねって。
藤枝発8時48分…。
掛川9時25分のこだまに乗って名古屋で10時30分のひかりに乗り換える。
そして11時22分京都に着。
フフ…。
なぜですか?え…?それほど楽しみにしていた園祭に来てなぜひったくりなんかしたんですか?おいおいおいまた塩かよ。
正代さんあなたなぜこの塩が必要だったんですか?
(吉川香織)あやさん!ここ!ここ!はいはい…!どうしたのよ〜!急に呼び出したりして。
(桜井麗子)にぎやかにパーッといきたい気分なの。
(漆原さやか)あやさん今日は付き合ってあげて。
麗子さんのおごり。
(柿野たまこ)麗子さんの最後のおぜんざい。
最後のおぜんざい!?
(一同)わあ〜!いただきまーす!でもいいの?お医者様から止められてるんでしょ?今日だけはいい事にしたの。
な?明日からつらいつらい食事制限が始まるんや。
メタボで痩せろだって。
美味しい〜!死んでもいい。
大体からして私らの年になったら糖分控えろとか塩分控えろとか医者の奴ら顔見たら言うねんから。
まずいもん食べて長生きしてもなあ。
かえってストレス溜まって体に悪いし。
塩分だって時には大事。
おぜんざいだってこの塩昆布があるから美味しいんだもの。
うちの息子も言ってた。
工事現場のバイトで教わったそうなんだけど汗かいて水大量に飲んだらね塩分補給しないとバテるんだって。
塩分補給!?あっ成増さん?工事現場よ!工事現場!京都市内片っ端からあたって!え?なんでって?主婦の勘よ!主婦の勘!「工事現場近辺の地図」「赤い点が現場のマークだ成増」ここか。
こらアホ!お前なっ…!井川!またお前か!え?邪魔だけはするな!井川正幸さんですね?
(井川正幸)母ちゃんが京都に?ええ。
園祭の宵山の日に。
お母さんあなたが銀行を辞めた事恐らく知ってます。
え…?そんなはずないのに。
母ちゃんごめん。
俺今ものすごく忙しくてさ。
園祭どころじゃないんだ。
あっごめん。
支店長が呼んでるからもう切るよ。
園祭来年にしよう?じゃあね。
母親って子供の事はわかるものなのよ。
お母さんあなたの事がどうしても気になって思いきって京都に出てきたんだと思います。
母ちゃん今どこにいるんですか?御蔵公園でひったくりをして逮捕されました。
お母さんは犯行を認めてます。
いつか一緒に園祭を見ようってあなたが言ってくれた事が嬉しくてお母さんその時刻表で京都に旅してたそうです。
あなたの事が心配で京都に来たけどでもこの際一緒に園祭を見物出来たらって…。
そう思って胸を躍らせてたんじゃないかしら。
それは8年前に家族旅行した時の時刻表だから実際には役には立たない。
でもお母さんはいつかあなたと一緒にまた旅が出来る日を夢見て思い出の詰まったこの時刻表で旅をしてた。
あなたにお願いがあります。
井川正代を不起訴にして釈放する!?真犯人のメドはついてるのか?いえまだなんとも…。
やりましょうか?いやいやこれぐらい出来ないでどうするんだ。
はあ…。
まあ現状では井川正代の自白だけで嫌疑不十分。
起訴出来る段階ではありません。
頼むからこれ以上暴走はしないでくれよ。
はい。
少々お騒がせします。
少々…イタタタタ!この刑事さんに釈放すると言われました。
どうしてですか?ねえどうして?一緒に来て頂きたい場所があって。
さあ。
どうするつもりだよ。
正幸には関係ありません!なんだって正幸を…!息子さんは今独り苦しんで崖っぷちにいます。
彼を救ってあげられるのはあなたしかいないはずです。
貸しだぞ。
しかし大丈夫なのかよ?迷惑はかけないわ。
さ…。
せっかくいらした京都です。
園祭は終わってしまいましたけどせめてお二人で京都の町を楽しんでください。
私たちはここで待ってます。
日暮れまでには帰ってきてください。
鴨川…。
いくらなんでもちょっと2人で行かせたのはちょっとまずかったんじゃないの?2人とも戻ってこなかったらこれ迷宮入りだよ。
ねえ成増さん。
一緒に旅しない?
(祭り囃子)すごい!
(祭り囃子)湖西線で敦賀まで行って北陸…。
違う違う違う。
名古屋でこの雷鳥41号に乗り換えなきゃダメなんだよ。
園祭の山鉾巡行。

(祭り囃子)
(正代)へえ「長刀鉾」だって。
よく出来てるねぇ。
(正幸)うん。
京都の町を一緒に歩けるなんて夢みたいだよ。
うん…。
父ちゃんと一緒に来たかったね。
うん…。
フフッさっきから「うんうん」ばっかりだね。
うん。
母ちゃん。
ごめん。
え…?俺1年前に銀行辞めたんだ。
人間関係が難しかったし…。
でもどうしても言えなかった。
銀行に就職決まった時大喜びしていた母ちゃんが悲しむと思うと。
母ちゃんはねマー君が銀行に勤めていなくたっていい。
どんな仕事をしてたっていい。
あんたが元気ならいい。
元気でいてさえくれればそれでいいんだよ。
母ちゃん…。
バカだねぇ余計な心配して。
(鐘の音)あの親子の旅はどうしたんだ?ちょっと長いんじゃないのか?別府に0時23分…ちょっと遅いか。
(正代)さてと…そろそろ行こうか。
母ちゃん!母ちゃん俺…!あ〜あ〜あ〜あ〜あ〜あ〜日が暮れちまったじゃねえかよ。
もう2人ともどっか行っちまったに決まってるよこれ。
ありがとうございます。
これでもう思い残す事はありません。
検事さんのお陰で刑務所に行く前に息子との幸せな時間が持てました。
あのこれ…ひったくったバッグです。
金には手をつけてないみたいだな。
(正代)ご面倒おかけ致しまして申し訳ございません。
お母さんがあなたに届けようとした塩です。
重労働で汗だくになって水を飲むあなたに一刻も早く届けたくてお母さん…お金を払わずに店を出て万引きで捕まってしまった。
万引き!?母ちゃんが?俺…。
塩の事は正幸が教えてくれた事なんです。
(セミの鳴き声)
(正幸)塩分補給。
マー君!水ばっか飲んじゃダメだよ。
はい塩なめるといいから。
はいはい。
う〜ん…効いた!母親って不思議ですね。
私ね正幸が銀行辞めた事わかったんです。
京都へ来てこの子のアパート行ったらもう仕事へ出かけたあとだったんで隣の人に工事現場の場所聞いて私行ってみたんです。
コラッ井川!お前しっかりせんかい!
(正代の声)あの時とっさに塩だと思いました。
でも結局は渡せなかった。
どうしてですか?そ…それは…。
正幸さんのひったくりの現場を見てしまったからじゃないですか。
あなたの所持金が3200円だったのは正幸さんの身代わりになると決意しわざとお金に困っているように見せかけるためじゃないですか?
(正幸)俺です。
ひったくりは俺がやりました。
(正代)マー君!やめなさい!余計な事言うんじゃないの!母ちゃんもういい!もういいんだ。
俺…あの日もまた親方に怒鳴られて無性にむしゃくしゃしてて…。
みんな祭りで楽しそうなのになんで俺だけって…。
(ミキ)このダイヤの指輪すっごくすてき!ありがとう!
(笑い声)やだもう!すぐそんないやらしい事言うんやから…。
(正幸の声)男に甘えて宝石をねだる女を見ていたらわけもなくカッとして…!あっ離さんかい!あっあぁ…!あっ!う…。
正代さんは工事現場で怒鳴られていた正幸さんに声をかけそびれ塩を渡せないままあとを追っていってその光景を見てしまった。
(正幸の声)まさか…まさか母ちゃんに見られてたなんて…。
思ってもなくて俺…。
ごめん…。
母ちゃんごめん。
刑事さん。
どうか正幸をお守りください。
お願いしますお願いします…。
わかった。
先ほど被害者橋田ミキさんの意識が戻ったそうだ。
本当ですか?よかった…。
刑事さん母ちゃんに伝えてもらえますか。
罪償ったら俺母ちゃんから茶畑の事教わりたいって。
そうかわかった。
知らせてきます!いや俺俺…。
栗原!調書誰が打つんだよ。
ったく…。
ただいまー。
あらいいにおい。
おかえり。
そろそろかなと思って。
はいミネストローネ。
ねえりん。
今度一緒に旅行行かない?どうしたの?急に。
だってあなたが結婚でもしたらなかなか一緒に旅行も行けなくなるでしょ。
やだお母さん見たんでしょ鴨川で。
まあなかなかよさそうな人じゃない。
あれはもうなし。
あの人ちょっとした事でいちいち傷ついて面倒くさくて…。
私もっと男らしい人がいい。
もう別れちゃったんだ…。
私お父さんみた2015/06/12(金) 09:55〜10:53
ABCテレビ1
京都地検の女7[再][字]

「祇園祭り殺人事件!?古都の夜に響く母と息子の叫び!!」

詳細情報
◇番組内容
名取裕子主演▽“主婦の勘”を武器に難事件に立ち向かう女性検事・鶴丸あやの活躍を描く検察ミステリー第7弾!心に響く深い人間ドラマを京都情緒たっぷりにお届けします!
◇出演者
名取裕子、寺島進、益岡徹、渡辺いっけい、蟹江敬三 ほか

ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
福祉 – 文字(字幕)

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
映像
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
サンプリングレート : 48kHz

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