こんばんは。
ニュースウオッチ9です。
九州の大雨では、引き続き、土砂災害などへの警戒が必要です。
活発な前線の影響で、西日本の広い範囲で大気の状態が不安定になり、九州では、このあとしばらく、1時間に50ミリ以上の非常に激しい雨が降るおそれがあります。
鹿児島市内の現在の様子です。
道路には水たまりがあり、車のヘッドライトに照らされて、雨が降っている様子が分かります。
また、10分ほど前には、雷で、空が明るくなった様子も確認できました。
午後8時までの1時間には、国土交通省が鹿児島県霧島市に設置した雨量計で、65ミリの非常に激しい雨を観測しています。
活発な前線の影響で、断続的に非常に激しい雨が降った九州。
午後1時ごろの、熊本県天草市です。
道路や駐車場、それに住宅の脇まで水が。
熊本県では、多くの住宅の床上や床下が、水につかりました。
土砂崩れも。
山肌が大きく崩れています。
建物が壊れているのが分かります。
熊本県宇城市では、弁当店に土砂が流れ込み、親子と一時、連絡が取れなくなっていましたが、その後、別の場所にいて、無事が確認されました。
この大雨で、熊本県と長崎県の15の市町村では、一時、最大で合わせて38万人余りに、避難指示や避難勧告が出ました。
今回の九州の大雨、どのような特徴があるのでしょうか。
九州に大雨をもたらしたのは、梅雨前線です。
こちらは、きょう午前9時、風の流れを表しています。
このように、南から次々と湿った空気が流れ込んでいて、特に九州で強まっています。
さらに熊本県付近、風が集まっている所がありますが、これが梅雨前線によるものです。
ここに雨雲を重ねますと、この風に沿うように、赤や黄色の活発な雨雲がかかっています。
熊本県や長崎県では、非常に激しい雨の降った所もありました。
特に注意をしなければならないのが、土砂災害です。
こちらは、これまでに降った雨が、土の中にどれだけ含まれているのか、その水分量を表しています。
赤ほど、水分量が多く、地盤が緩んでいるということを表しています。
きのうから、その範囲がだんだんと北上しまして、午前9時には熊本や長崎で、赤くなりました。
さらに今夜にかけても、熊本県付近では、赤くなっていまして、さらに鹿児島でも、再び、赤い範囲がだんだんと広がってきています。
九州では、降り始めからの雨の量、400ミリ前後に達している所があります。
雨は弱まったり、やんだあと、数日前の雨が影響して、土砂災害が発生することがあります。
このあと少しの雨でも、備えをしてください。
これまでに降った雨で、鹿児島県では、土砂災害の危険性が非常に高くなっているとして、避難の判断の目安とされる土砂災害警戒情報が発表されている地域があるほか、川が増水して、氾濫の危険性が非常に高くなっている地域があります。
大気の不安定な状態は、このあとも続く見込みで、九州ではこのあとしばらく、雷を伴って、1時間に50ミリ以上の非常に激しい雨が降るおそれがあり、鹿児島県では、局地的に1時間に80ミリの猛烈な雨が降るおそれがあります。
気象庁は、土砂災害や川の増水、低い土地の浸水に警戒するとともに、落雷や竜巻などの突風にも、十分注意するよう呼びかけています。
次は、後半国会の焦点の一つ、労働者派遣法の改正案の採決を巡る、与野党の攻防についてです。
採決には、民主党などが激しく反発していますが、維新の党が応じる考えを示したことで、与党側はあすにも、衆議院厚生労働委員会で採決を行う構えです。
衆議院の厚生労働委員会。
年金情報の流出問題に関する集中審議が行われました。
民主党と共産党は、委員全員が欠席しました。
これに先立って開かれた理事会。
与党側はあすの委員会で、労働者派遣法の改正案について、質疑を行い、その後、採決を行うことを提案しました。
これに対し、民主党は、強引な国会運営が続いていると反発し、欠席。
また共産党は、議論は尽くされていないとして、応じない考えを示し、午後の理事会を欠席しました。
一方、維新の党は、年金情報の流出問題に関しても、きょう、3回目の集中審議が行われ、議論は尽くされているとして、採決に応じる考えを示しました。
維新の党は、なぜ、採決に応じる考えを示したのか。
今回、政府が提出した労働者派遣法の改正案は、派遣期間の制限を一部撤廃するものです。
この改正案は、非正規労働者の待遇改善にはつながらず、格差が固定化する懸念があるとして、先月、民主党、維新の党、生活の党と山本太郎となかまたちの野党3党で、対案を提出していました。
対案では、同じ仕事であれば、非正規労働者は正社員と同じ賃金を得られる、同一労働・同一賃金を推進するために、必要な措置を取ることを、政府に義務づけています。
自民党は、この対案について維新の党と協議し、一部を修正して、国会に提出する方針を了承。
維新の党は、主張が一定程度受け入れられたとして、委員会での採決に応じる方針を固めたのです。
維新の党の対応について、民主党の枝野幹事長は。
改正案の採決については、あす改めて協議が行われますが、与党側は、維新の党が応じる考えを示したため、あすにも委員会で採決を行う構えです。
外国人技能実習制度。
日本で働きながら、技術を学んでもらうという制度です。
全国で16万人の実習生が、建設会社や工場などで働いています。
この技能実習生が、職場から姿を消すケースが増えています。
NHKが情報公開請求したところ、去年失踪した実習生のうち、4割近くが、来日して1年以内にいなくなっていたことが分かりました。
来日後、早い時期に姿を消すケースが相次ぐ背景には、円安や人手不足の影響に加え、制度そのものが抱える問題も見えてきました。
部屋の中に集まる大勢の人たち。
徳島県内で働いていた中国人の元技能実習生です。
衣類を作る縫製の仕事をしていましたが、待遇がひどいと訴えて逃げ出し、支援団体に保護されました。
元実習生の勤務記録です。
午前8時20分から夕方5時まで働いて、賃金は2742円。
時給に換算すると、340円余りと、国が定めた最低賃金を、大きく下回っています。
外国人技能実習制度は、外国人に、日本で働きながら、技術を学んでもらう目的で、導入された制度です。
現在、16万人の技能実習生が働いています。
職場を変えることは、原則禁止されていますが、賃金への不満などを理由に、突然、姿を消すケースが増えています。
NHKが法務省に情報公開請求したところ、特に、来日してすぐに失踪する人の割合が増えていることが分かりました。
職場から失踪した実習生が年々増える中、来日して1年以内に失踪した割合は、平成22年には全体の20%余りでしたが、去年は40%近くに上っていたのです。
北九州市にあるこの建設会社では、おととしと去年、2年続けて、中国人の技能実習生が突然、姿を消しました。
この会社では、研修費を負担して日本語を教え、賃金も適正に支払っていました。
建設の技術が身についてきたと期待していただけに、大きな痛手だったといいます。
なぜ、実習生は来日してすぐに失踪してしまうようになったのか。
取材を進めたところ、関東地方の職場から失踪した中国人の元技能実習生に、接触することができました。
元実習生は、実習先の建設現場の賃金が安すぎるとして、僅か3か月で離れたといいます。
中国に残した家族5人に、仕送りをしているという元実習生。
円安が進んだ影響で、人民元に換算すると、給料が3割も減ってしまったというのです。
このため、より高い賃金を求めて、転職していました。
現在は、農家で働いているといいます。
転職が禁じられている実習生が、どのようにして新たな職場を見つけるのか。
実習生が情報収集のために盛んに利用しているのが、スマートフォンのサービスです。
黒工、すなわち不法就労を示す多くの求人情報が、掲載されています。
こちらは、解体作業急募、1日1万2000円、紹介は有料と書かれています。
取材で分かった、実習生の転職の方法です。
実習生らは、スマートフォンで、求人情報をチェックします。
漁業や飲食業といった人手不足の企業などが、働き手が欲しいと、仲介者に依頼。
仲介者はその情報を書き込みます。
情報を見た実習生らは、仲介者を通じて、企業などに接触して、転職します。
情報を簡単に見つけられることが、実習生の早期失踪につながっていたのです。
企業側はなぜ、不法就労になる実習生を働かせるのか。
私たちは、番号を載せていた仲介者に、電話で取材しました。
技能実習生の失踪。
専門家は、今後も増え続けると見ています。
その上で、制度の目的と現実がかけ離れているとして、制度を柔軟に運用することも検討すべきだとしています。
制度が生かされていないようですね。
そうですね。
この制度は、20年余り前に創設されて、形を変えながら、現在に至っているということなんですが、今の国会で、技術を適正に修得できるようにするための法案が、審議されることになっているんですが、ただ、VTRを見ていますと、制度そのものに、実態にそぐわない店が出てきています。
十分な議論が必要だと考えます。
続いて、トゥデーズウオッチです。
北海道砂川市で、軽ワゴン車が乗用車に衝突されるなどして、家族4人が死亡した事故。
きょう、4人の告別式が営まれました。
告別式にはおよそ400人が参列し、最後の別れを惜しみました。
この事故で、ひき逃げの疑いで逮捕された、古味竜一容疑者が、酒を飲んだことがばれるのが怖かったなどと供述していることが、警察への取材で分かりました。
古味容疑者は事故の前、飲食店を訪れていたということで、警察は、飲酒の状況などを調べています。
古味容疑者は、人をひいた認識はありませんと、ひき逃げの容疑は否認しているということです。
重い肺炎などを引き起こす、こちら、MERSコロナウイルス。
韓国では、経済への影響も出始めています。
韓国政府によりますと、MERSコロナウイルスの感染者のうち、きょう、新たに1人が死亡し、死者は10人になりました。
市民の間では、大勢の人が集まる場所を避ける動きが出ていて、先週のデパートの売り上げが、前の年に比べて、およそ17%落ち込みました。
韓国の中央銀行は、経済活動への悪影響を緩和するためだとして、民間の銀行に貸し出す際の政策金利を、過去最低の年1.5%に引き下げました。
ポイントは、不安と不信です。
MERSコロナウイルスの感染者が毎日増え続けていることに、国民は強い不安を抱いています。
保健当局は、今週いっぱいが、感染拡大を防ぐための、ヤマ場だとしていますが、本当に食い止められるのか、まだ見通しはついていません。
韓国政府が国民の不安や不信感を払拭するには、感染ルートを漏れなく掌握して、完全な抑え込みを図ることと、情報を正確に、そして素早く開示していくことが求められています。
皆さんが飲んでいるお酒。
和食ブームで、海外でも飲む人が増えています。
実はこれまで、日本酒の表示方法は明確ではなかったんですが、国税庁が新たに表示ルールを設ける方針を固めました。
国税庁が、自民党の会議で報告した内容では、国産のコメを原料とし、国内で製造されたものだけを、日本酒と表示できるようにします。
ワインについても、国産のブドウだけを原料としたものを、日本ワインと表示できるようにする方針です。
和食ブームでアメリカなどでは、現地のコメを原料にして造られた製品が販売されているということです。
今回、表示ルールを明確にすることで、国内産の日本酒をブランド化することができ、輸出の促進につながることが期待されています。
アメリカ軍普天間基地周辺での軍用機による騒音被害。
周辺の住民およそ2200人が、睡眠の妨害など、生活に著しい影響を受けているとして、国に10億円余りの賠償を求めていました。
国は、住宅の防音工事など、改善に取り組んでいるなどとして、訴えを退けるよう求めていました。
きょうの判決で、那覇地方裁判所沖縄支部は、被害は深刻かつ広範なもので、受け入れなければならない限度を超えているとして、国に合わせて7億5400万円の賠償を命じる判決を言い渡しました。
長野と群馬の県境にある浅間山。
山頂の直下を震源とする火山性地震が増え、火山ガスの量も増加しています。
気象庁はきょう午後、浅間山に火口周辺警報を発表し、噴火警戒レベルを、レベル1から、火口周辺への立ち入り規制を呼びかける、レベル2に引き上げました。
火口からおおむね2キロ以内では、噴火に伴って、大きな噴石が飛ぶおそれがあるとして、立ち入らないよう呼びかけています。
参議院選挙が来年に迫りましたが、このままですと、裁判所からレッドカードが突きつけられるかもしれません。
最高裁判所が違憲状態と指摘している、参議院選挙の1票の格差。
各党は、来年の参議院選挙に向けて、今国会で格差を縮めるために必要な法案の成立を目指していますが、意見の隔たりが大きいままです。
焦点は、2つの都道府県を1つにまとめる、合区を取り入れるかどうかです。
参議院の選挙制度を巡り、抜本的な改革を求める公明党。
山口代表は党の中央幹事会で、公明党としては、合区を容認して、1票の格差を2倍以内に抑える案を作り、なんとか今の国会の会期中に、各党と合意形成をしていきたいと述べました。
今月10日ごろまでに、独自の改革案をまとめたいとしていた公明党。
自民党との間で、与党案を巡る調整が続けられています。
そしてきょう、公明党と自民党の参議院のトップが会談。
公明党側が、1票の格差を2倍以内に抑える抜本改革が必要だと主張したのに対し、自民党側は、都道府県単位の選挙区を極力維持する考えに変わりはないとして、議論は平行線に終わりました。
魚住参議院会長は、与党案の取りまとめを断念することもありうるという考えを明らかにしました。
新たな制度の下で、参議院選挙を行うためには、国民への周知期間が必要です。
来年夏に控える次の参議院選挙に間に合わせるための、タイムリミットが迫っています。
問題となっている、参議院選挙の1票の格差。
おととしの参議院選挙では。
鳥取県と北海道の1票の格差は、4.77倍でした。
最高裁判所は違憲状態と判断。
選挙区が都道府県単位の現行制度を改めるべきだと指摘し、国会に格差是正に向けた、迅速な対応を求めました。
街の人たちは。
おととし9月、参議院の各会派は、代表者らによる検討会を設置。
しかし、改革案を取りまとめることはできず、先月から休止の状態になっています。
では、各党はどのような具体案を出しているんでしょうか。
三條リポーターに伝えてもらいます。
都道府県を単位とする今の選挙制度を見直す必要があると指摘され、議論されているのが、こちら、合区案です。
有権者の少ない2つの都道府県を1つにまとめることで、有権者が多い選挙区との1票の格差を縮小しようという方法です。
この合区の導入を巡って、各党の改革案が分かれ、1票の格差に差が出ています。
まず自民党案です。
合区は行わず、この赤色で示しました、3つの選挙区の定数を増やし、青色で示しました、3つの選挙区の定数を減らす、6増6減を主張しています。
1票の格差は最大で4.31倍となり、おととしの選挙から0.46ポイント、改善されます。
次に、民主党案です。
22の選挙区で合区を行い、11にまとめるとしています。
東京を分区するほか、4つの選挙区で定数を増やし、1票の格差を2倍以内に抑えます。
公明党が検討している案は、民主党と同様、合区を取り入れ、20の選挙区を合区して、10にまとめます。
このほか東京、愛知など、6つの選挙区で定数を増やし、1票の格差を2倍以内に抑えます。
自民党と公明党で、合区を巡って、与党間で意見の隔たりがある中、与野党の中からは次のような指摘が出ています。
一方、維新の党、次世代の党、日本を元気にする会・無所属会、新党改革の野党4会派は、今週、新たな案を出しました。
こちら、鳥取と島根、徳島と高知、それぞれを合区します。
また、こちらの赤色で示しました5つの選挙区で定数を増やし、青色で示しました3つの選挙区で定数を減らすことで、全体を10増10減します。
こうすることで、1票の格差は最大で2.974倍になるとしています。
共産党は、選挙区を廃止して、ブロックごとに比例代表で選ぶ案、社民党は、都道府県単位ではなく、11のブロックに分けて選ぶ案を提示しています。
ここからは、政治部の曽我記者と共に、お伝えします。
曽我さん、今の説明にもありましたけれども、公明党は、合区を受け入れていると。
ところが、それでも1票の格差を2倍以内に抑えようとしているわけですが、自民党は受け入れていないと。
これはなんでなんでしょう?
自民党が強調していますのは、都道府県単位で地域の意見を集約させることは、地方の声を国政に反映させるうえで欠かせないという考え方なんですね。
一方で、ポイントは、合区の対象の大半が、改選議席が1人の、1人区と呼ばれる所なんです。
例えば、鳥取と島根の、この2つの県を見てみます。
鳥取、島根、前回の選挙では、いずれも自民党の公認候補が当選しています。
これが1議席となってしまうわけです。
ですから、自民党にとって、合区を認めるということは、議席の減少につながりかねないという懸念があるわけです。
またこの2人の現職議員を1人に絞るというわけで、どちらが今後、候補者になるのかという問題も生じます。
候補者とならなかった議員の処遇も含めまして、いわゆる候補者調整、これは難しい問題なんです。
とはいえ、これ、急務だと思うんですが、合意に向けた鍵は、どこにあると思いますか?
鍵は、与党・自民、公明両党の協議の行方であることには、変わりはありません。
公明党は、内々にはもうすでに改革案を取りまとめていまして、実はきのう、きょうにも、公表する手はずだったんですが、見送られました。
選挙制度改革は、かつて、衆議院に小選挙区制度を導入することを巡りまして、自民党が分裂し、政権交代につながるなど、議員にとってはみずからが選ばれる土俵作りというものは、極めて重いテーマなんです。
公明党内には、自民党との対立が決定的になるのは避けたいという、政治的な判断があったものと見られます。
一方、先ほども紹介ありましたが、維新の党などの案は、6増6減、これを掲げます自民党にとって、比較的考え方が近いという声もありまして、協議の行方、着地点はまだ見えていないというところです。
今回の選挙制度改革は、来年の参議院選挙に向けて行われているわけですが、間に合うんでしょうか?
今、仮に合意したとしましても、有権者、国民に対する周知期間などを考えますと、もう時間的な余裕はないというのが、各党のおおむね、共通した認識なんです。
仮にこのまま格差を是正せずに、来年、選挙が行われた場合、いよいよ選挙の無効という判決が出かねないという指摘もあります。
与党内には、後半国会焦点の安全保障関連法案、この法案、今の国会で確実に成立させるためにも、この法案が参議院に送られてくる前に、この議論を決着させるべきだという意見も出ています。
選挙制度は民主主義の基盤でありますだけに、与野党には、より真剣な取り組みを求めたいと思います。
ここまで曽我記者に聞きました。
三権分立からしますと、司法権を代表する最高裁判所から迅速な対応を求められるということは、大変重い意味を持っています。
各党は、改革を先送りすることなく、真摯に議論を重ね、納得できる改革を行ってほしいと思います。
東日本大震災から、きょうで4年3か月になります。
被災地では、犠牲者を悼む人たちの姿が見られました。
震災で東北の農業は大きな被害を受けましたが、一歩ずつ、復興の歩みを続けています。
こちらは、福島県の米の作付け面積の推移を示したグラフです。
震災前、全国4番目の広さだった福島県の米の作付け面積は、震災で落ち込みました。
その後、少しずつ米作りが再開され、回復傾向にあります。
福島県の農家の現状を取材しました。
福島県南相馬市です。
原発事故の影響で、去年までは、こうした休耕田が多かったといいますが、今では、こうした田植えも終わって、田園風景が広がっています。
ことし作付けを再開した、佐藤清明さんです。
この地域の田んぼは、津波の被害を受け、土地の整備が遅れていました。
さらに、この地域は、福島第一原発からおよそ30キロ。
原発事故の避難区域や周辺の地域では、作付けの制限や自粛の措置も取られていました。
農地の除染も進み、コメの安全が確認されるなど、条件が整ったため、再開に踏み切ったのです。
ことし、南相馬市では、生産を再開する人が急増しました。
作付面積は去年の7倍になったのです。
地元のJAを取材すると、作付けの再開が急増した背景には、厳しい現実があることも分かりました。
これまで、生産を自粛している米農家に、東京電力から、10アール当たり5万7000円の賠償金が支払われていました。
しかし、ことしからは、福島第一原発から20キロ圏外の市内の地域は、賠償を受けられなくなったのです。
一方、去年より作付けが減った自治体もあります。
田村市では、ことしになって、作付面積、農家の戸数ともに、減少に転じています。
おととし米作りが再開された、田村市の都路地区です。
農家の高齢化が進む中、原発事故の風評被害に加え、米価の下落によって、米作りを諦める農家が出ているといいます。
南相馬市で作付けを再開した佐藤さんも、風評被害などへの不安を抱えています。
佐藤さんは、米作りを再開するにあたり、大きな決断をしました。
主食用の米作りから、家畜に食べさせる飼料用の米作りを中心にしたのです。
飼料用米は、政府による米の生産調整、いわゆる減反政策の見直しで、交付金が増やされているため、経営面の負担が小さくなると考えたのです。
作付面積が増加した南相馬市でも、農地の除染が思うように進まず、JAなどがことし、作付面積の目標としていた1500ヘクタールに対して、半分程度にとどまっています。
まだ、ふるさとに戻ることができない農家も少なくありません。
かつての米どころに戻るまでの長い道のりを、今、一歩ずつ歩み続けています。
ニュースを続けます。
今月3日、那覇空港で自衛隊のヘリコプターが、管制官の許可なく滑走路を横切り、全日空機が離陸を中止するなどしたトラブル。
自衛隊のヘリコプターのパイロットは、離陸に向けて待機する全日空機を目視していなかったことが、自衛隊の内部調査の結果、分かりました。
このため自衛隊は、離陸の際には、滑走路の状況を十分に確認するなどとした、再発防止策をまとめました。
時価7000万円相当という、赤サンゴ製の像が盗まれました。
きょう未明、高知市のサンゴの宝飾品の加工販売店に何者かが侵入したと、2階で寝ていた経営者から警察に通報がありました。
警察が調べたところ、店内のショーケースが割られ、中にあった、縦15センチ、重さ1.2キロの、非売品の赤サンゴ製の布袋の像などがなくなっていたということです。
赤サンゴは、宝石サンゴとも呼ばれ人気があり、警察が窃盗事件として捜査しています。
高齢ドライバーの事故を防ぐため、75歳以上の高齢者が運転免許を更新する際の検査で、認知症の疑いがあると判定された場合、医師の診断を義務づけることを盛り込んだ改正道路交通法が、きょうの衆議院本会議で可決され、成立しました。
医師の診断書で認知症と判断されたり、診断書を提出しなかったりした場合は、免許の取り消しや停止となります。
改正道路交通法は、公布されてから2年以内に施行されることになります。
続いて気象情報は井田さんです。
こんばんは。
きょうは沖縄地方で梅雨明けしました。
梅雨明けは平年よりも12日、去年よりも15日早くなりました。
北上した梅雨前線の影響で、九州では大雨となっています。
こちらは、午後8時ごろの鹿児島市です。
九州ではあと数時間、1時間に50ミリ以上の非常に激しい雨の降るおそれがあります。
土砂災害や川の増水、低い土地では浸水に警戒を続けてください。
現在の雨の様子を見ますと、雨の強まっている所は、宮崎県や鹿児島県、1時間に20ミリ以上、強い雨となっています。
さらにこれまでの72時間に降った雨の量を見ると、九州では、赤で300ミリ以上に達している所があります。
すでに地盤が非常に緩んだ状態です。
少しの雨でも、土砂災害に警戒を続けてください。
そして、あすは西日本では晴れてきそうです。
雨の中心は、関東から東北に移りそうです。
では、時間ごとに見ていきましょう。
まず、朝です。
近畿地方から関東地方にかけて、雨の所が多くなりそうです。
さらに午後です。
西日本では晴れてきそうです。
北陸や東北の南部を中心に、雨でしょう。
さらに夜です。
東北地方を中心に、雨となりそうです。
関東でも山沿いを中心に、不安定で、雨の降る所がありそうです。
それでは天気図を見ていきます。
あすは前線は、西日本では南のほうに下がりそうです。
一方、低気圧は関東の南、そして日本海の低気圧も進んできそうです。
この2つの低気圧周辺では湿った空気流れ込んで、あすは関東から東北にかけて、雨の所が多くなりそうです。
一方、日本海側の低気圧、上空には寒気を伴っていて、これが天気を不安定にします。
落雷や突風など、不安定な現象にもお気をつけください。
各地の天気と気温を詳しく見ていきましょう。
2000本ということに対しては、すごく期待はしてもらってるので。
スポーツ、佐々木さんです。
こんばんは。
中日、和田選手、今夜、2000本安打達成しました。
後ほど、プロ野球で詳しくお伝えします。
まずはサッカーです。
日本代表が今夜、ワールドカップロシア大会、アジア2次予選を前にした、最後の強化試合で、イラクと対戦しました。
ハリルホジッチ監督、ことしの試合はすべて勝つと、気迫十分です。
その気迫に選手が応えます。
前半5分、柴崎から。
本田が抜け出しました。
日本、監督が求め続ける、縦への攻撃で先制します。
日本は1点を加えて30分過ぎ、初先発の宇佐美が、得意のドリブル。
最後は岡崎でした。
日本、前半で3点をリードします。
後半は途中から6人が交代して、試されました。
39分には、代表4試合目の原口。
代表初ゴールを決めて、アピール。
日本は、5日後に迫ったワールドカップ予選に、弾みをつけました。
危なげない勝利。
この勢いを予選でも見たいですね。
この日本代表をかつて率いていたジーコ氏が、FIFAの次の会長選挙へ立候補の意思を、正式表明です。
ジーコ氏は、NHKの単独インタビューに答え、サッカー界への熱い思いを語りました。
ジーコ氏は、1980年代を代表する名選手です。
小さな体ながら、華麗なテクニックとフェアプレーで、母国ブラジルでは、サッカーの神様と呼ばれました。
Jリーグでは、鹿島アントラーズで、選手としてプレー。
日本のファンにも親しまれました。
監督としても、日本代表をワールドカップに導いた手腕で、現在まで指導者としてサッカーに向き合い続けています。
そんなジーコ氏に、FIFAの金銭を巡る腐敗は、どう映っているのでしょうか。
サッカーを愛しているからこそという、FIFAの会長への立候補表明は、現役のブラジル代表の選手たちにも響いています。
私たち、今回、特別に、単独インタビューができたんですけれども、ジーコ氏の立候補表明の記者会見、世界中から100人を超える報道陣が集まって、関心の高さをうかがわせていました。
サッカーを続けます。
女子ワールドカップに臨んでいるなでしこジャパン。
次はあさって、1次リーグ突破がかかるカメルーン戦です。
カメルーン戦に勝てば、1次リーグ突破が決まるなでしこジャパン。
ウォーミングアップ以外は非公開にして、カメルーン対策を練りました。
カメルーンは、前の試合で6得点。
スピードと力強さを備えた攻撃陣をそろえます。
選手によりますと、練習では守備の連係を徹底して確認したということです。
プロ野球、まずは、この人!中日の和田選手です。
今夜のロッテ戦で、史上最年長での通算2000本安打を達成しました。
和田は、緊張感はあるが、まずはチームに貢献したいと、大記録まであと2本で試合に臨みます。
1回、最初の打席は満塁のチャンスでした。
チームに流れを呼び込む、先制の2点タイムリー。
きのうの試合から3打席連続ヒットで、記録に王手をかけます。
続く2回の第2打席。
ロッテ先発、植松の3球目でした。
自分でもびっくりしたと、足踏みなしで2000本安打を達成。
42歳11か月での達成は、谷繁を上回る史上最年長です。
見守った家族も大喜びです。
楽天は1回、先発の菊池がみずからのミスで、1塁2塁のピンチ。
続くバッターのバント処理。
サード、西田が悪送球。
楽天はミスが重なり、ノーヒットで先制されます。
打線は4点をリードされた5回、途中出場のウィーラー。
3号2ランホームランで、2点差に追い上げます。
6回は2アウト満塁で、1番松井稼頭央。
岡島のチェンジアップを、完璧に捉えました。
松井の2年ぶりとなる満塁ホームラン。
楽天が試合をひっくり返しました。
3連敗中のオリックスは3回、ランナー1人を置いて、4番中島。
本拠地で初ホームランとなる、4号2ランで先制します。
先発、ディクソンは、5月の月間MVPです。
5回、ピンチでヤクルトは山田。
タイムリーで、1点返されますが、このあと、得点を与えず、リードは守ります。
援護したい打線は7回、チャンスで宮崎。
きょう1軍に上がりました。
貴重な追加点となるタイムリー。
先制して逃げ切ったオリックス。
連敗ストップです。
中日、和田選手。
妥協は後悔につながると、一打席一打席、ベストを尽くすことをこだわりとして持ち続けてこられたそうです。
すごいです、42歳11か月。
そうです。
立派ですよね。
かっこいいですよね。
しんが強いなと、本当に感じさせてくれました。
ソフトバンクはきのう、連勝が6でストップ。
阪神との第3戦は、終盤までもつれる展開となりました。
ソフトバンクは同点の4回、先頭の内川。
しっかり振り抜けたと、7試合ぶりのホームランで勝ち越します。
先発は3連勝中の武田。
5回2アウトから、2つのフォアボールでピンチを招き、3番マートン。
ここは武田がふんばり、勝ち投手の権利を手にします。
ところが2点リードの8回、3人目、五十嵐が満塁のピンチを招きます。
ここで5番福留。
2点タイムリーで、同点に追いつかれました。
5連敗中の巨人、今夜も追う展開となり、4回は8番の堂上。
打線のてこ入れのため、きょう、1軍に昇格しました。
食らいついたと、2打席連続のタイムリーヒットで、同点に追いつきます。
このあと、巨人は1点を勝ち越し、7回の守りでした。
ファーストはアンダーソン。
勝負どころでミスが出て、追いつかれます。
直後の8回、巨人は再び、チャンスで堂上。
この試合4本目のヒットは、2人をかえすタイムリー2ベース。
巨人は堂上の活躍で、終盤にリードしました。
西武の先発は岸。
今シーズン初勝利を狙いますが、相手は苦手の広島です。
立ち上がりからピンチを招き、鈴木誠也。
この回、2点を先制されます。
3回にはランナー1人を置いて、エルドレッド。
カーブが甘く入り、2ランホームランで、早くも4失点。
岸は苦手の広島にきょうも打たれ、初勝利はお預けです。
試合は同点の9回、西武が2アウト満塁として、メヒア。
タイムリーヒットで決めました。
西武は今シーズン初のサヨナラ勝ちです。
活発な前線の影響で、西日本の広い範囲で大気の状態が不安定になり、九州南部では、断続的に非常に激しい雨が降っています。
これまでに降った雨で、鹿児島県では、土砂災害の危険性が非常に高くなっているとして、避難の判断の目安とされる、土砂災害警戒情報が発表されている地域があります。
九州南部では、このあとしばらくは、雷を伴って1時間に50ミリ以上の非常に激しい雨が降るおそれがあり、鹿児島県では、局地的に、1時間に80ミリの猛烈な雨が降るおそれがあります。
かつて国民的人気を誇ったキャラクターがいた
2015/06/11(木) 21:00〜22:00
NHK総合1・神戸
ニュースウオッチ9▽相次ぐ住宅浸水や土砂崩れ…九州で非常に激しい雨のおそれ[二][字]
▽住宅浸水や土砂崩れの被害も…九州で非常に激しい雨のおそれ▽外国人実習生が相次ぎ失踪…その背景は▽1票の格差解消に“待ったなし”参院選の「違憲状態」で各党は…
詳細情報
番組内容
【キャスター】河野憲治,鈴木奈穂子,【スポーツキャスター】佐々木彩,【気象キャスター】井田寛子
出演者
【キャスター】河野憲治,鈴木奈穂子,【スポーツキャスター】佐々木彩,【気象キャスター】井田寛子
ジャンル :
ニュース/報道 – 定時・総合
ニュース/報道 – 天気
スポーツ – スポーツニュース
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日本語
英語
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