くらし☆解説「デジタルで魅せる“明治の産業遺産”」 2015.06.11


では、為替と株の値動きです。
生字幕放送でお伝えします岩渕⇒こんにちは。
「くらしきらり解説」です。
きょうはデジタルで魅せる明治の産業遺産というテーマでお伝えします。
担当は柳澤伊佐男解説委員です。
柳澤さん明治の産業遺産を、デジタルで魅せるというのはどういうことなんでしょうか。
柳澤⇒デジタルの技術は大量のデータをコンパクトに劣化しない状態で保存ができるといった特性があります。
そうしたデジタルの特性を産業遺産の保存ですとか公開に活用しようという取り組みについてきょうはご紹介します。
今回取り上げますのはこちらです。
明治日本の産業革命遺産です。
これはことしの世界文化遺産の候補にもなっているものです。
以前この番組でも取り上げましたね。
この産業革命遺産ですが幕末から明治にかけての日本の近代化に重要な役割を果たした23の産業遺産で構成されています。
九州山口に集中していますね。
8つのエリアに広がっています。
萩などにもあります。
8つのエリアに分散しているのが特徴の1つです。
この中にはおもだったものなんですけれどコンクリートの建物が崩れるおそれがある長崎市の端島通称軍艦島ですがそういったものや同じ長崎市にある三菱長崎造船所のドックですね。
同じ造船所のクレーンですけれどこういった一般の人の見学が難しい場所の施設が含まれているんです。
一般の人が見学できなくなるとなかなか世界遺産としての価値が伝えるのが難しいですね。
この産業遺産について世界遺産に登録することがふさわしいと評価したユネスコの諮問機関のイコモスから遺産の価値を知り大切に守るといった意識を高めてもらうためにも情報発信の計画を作るようアドバイスを受けているんです。
そうした点を踏まえてデジタルの技術を使って一般への公開が難しいこうした遺産を広く紹介しようという取り組みが進められています。
軍艦島についてです。
本当に軍艦島というだけあって、軍艦のようですね。
要塞のような島ですね。
こちらの端島、通称軍艦島ですけれど昭和49年に閉山したあと無人島になっていたんですが島を管理する長崎市が平成21年から観光客の上陸を許可しますと廃墟と化した島が注目を集めました。
島の大半は一般の立ち入りが禁じられているんですけれど一部見学広場も設けられて年間20万人が訪れる長崎市の新たな観光名所になっています。
なかなか中まで見られませんよね。
実はこちらの映像はハイビジョンの4倍の解像度を持つ4Kカメラで撮影したものなんです。
ずいぶんきれいですね。
これは4Kの映像をハイビジョン形式に置き換えたものなんですが建物の細かな構造まではっきりと見えます。
4Kの画像というのは鮮明に映るだけではありません。
忠実な色の表現が可能になっているということでほかの遺産を含めて今の姿を記録するうえで有効な手段なると期待されているんです。
これだけの映像ですので記録するだけでなく、できるだけ多くの人に公開してほしいですね。
軍艦島を記録する方法はこれだけではありません。
デジタル技術を使った3次元測量という方法もあります。
こちらの映像は去年の春長崎市の依頼で長崎大学の研究グループが軍艦島を測量したときの様子です。
グループのメンバーが測量の機械を担いで島のあちこちを歩いたりドローンを飛ばしたりして劣化が進むコンクリートの建物などを計測しました。
そのデータをもとに島の立体画像を作ったんです。
今回その画像データをお借りしてきました。
こちらがその立体画像です。
マウスで動かしてみます。
動くんですね。
軍艦島が本当に手に取るように分かるんですね。
軍艦島の測量データは建物の保存を図るための資料として現在使われているということなんですが将来的には一般への公開も検討したいとしています。
こうして回転もできるし拡大することもできるんですね。
自由自在です。
本当に入れないところも見ることができて楽しいですね。
3次元の映像は、ほかのものもありますか。
軍艦島だけではありませんで長崎市にある三菱長崎造船所のクレーンでも行われました。
そのときの作業の様子です。
3次元の測量をしているのは外国の方ですか?この作業にあたったのはイギリススコットランド自治政府の人たちです。
世界の重要な文化遺産をデジタルで記録するスコティッシュ10という事業の1つとして去年の11月に行われました。
このクレーンはスコットランドから輸入されたもので1909年明治42年に設置されました。
電動式のクレーンとして150トンの重さのものをつり上げる能力があり100年以上たった今も現役として使われています。
ゆっくりですが動いていますね。
実は私が撮ったものです。
今も現役だということが驚きですし造船所の近くですからなかなか近くで見られないものですよね。
遺産の価値を世界の人に知ってもらうためにも測量データをもとに軍艦島と同じように立体画像を作る作業が進められています。
次の画像です。
こちらの画像は人が立ち入れない部分これは実物のように見えますけれど3次元測量したデータを組み合わせて作ったものなんです。
コンピューター画面の画像です。
人の撮影が難しいところもデータがあれば、こうして画像にすることができるんですね。
そうなんです。
このスコティッシュ10の事業に選ばれたのは、このクレーンだけですけれども産業革命遺産の世界遺産登録を支援する団体産業遺産国民会議という団体がありますが一般には公開されていないほかの施設についても将来的にはこうしたデジタルのデータを取りたいとしています。
今、デジタルの力を使ってさまざまな取り組みがあるということなんですね。
そうしたデジタルの技術だからこそできたことというのもあります。
次の写真をご覧ください。
こちらは八幡製鐵所ですね。
1901年、明治34年の創業から11年後に撮影された北九州市の八幡製鐵所の写真です。
100年以上前なんですね。
こうした古い写真の原板5000枚余りが製鐵所の史料室に保管されているんです。
撮影から長い時間がたって傷みが進んだものが数多くありました。
それをデジタルの技術を使って蘇らせるプロジェクトが進められました。
ここまできれいにするにはどうやって復元したんですか。
左側が写真の原板です。
ネガにあたるものなんですがガラスで作られています。
ガラス乾板というものです。
ほとんど見えませんね。
ガラス乾板を高精細な画像が撮影できるカメラを作って撮影したものです。
その見えにくいものをコンピューターを使って色の濃淡を調整しましてネガですので反転させなくてはいけないんですがコンピューターで反転させて鮮明な写真にすることができました。
ずいぶんきれいになりましたね。
こうした写真をデジタルの技術で再生させるのに2年半かかったということなんです。
時間はかかりますけれど100年以上前の姿が出てきますね。
デジタルの技術でこうしてさまざまなことが、今はできるということなんですね。
産業革命遺産が世界遺産に登録されますとさらに多くの人が現地を訪れることが予想されます。
ただ動いている工場の施設を止めて一般に公開するということは企業活動を制約することにもつながりますので実現はなかなか難しいことだと思います。
そうした産業遺産の価値を広く紹介する手段としてデジタル技術の活用は有効な方法といわれています。
今回ご紹介した取り組みの多くは一般の人への公開はほとんどはこれからということなんですけれど遺産の価値を多くの人に知ってもらうためにもできるだけ早く公開してほしいと思います。
公開が楽しみですね。
実現すれば。
柳澤伊佐男解説委員でした。
次回のテーマは、こちらです。
担当は二宮徹解説委員です。
ぜひ、ご覧ください。
2015/06/11(木) 10:05〜10:15
NHK総合1・神戸
くらし☆解説「デジタルで魅せる“明治の産業遺産”」[字]

NHK解説委員…柳澤伊佐男,【司会】岩渕梢

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出演者
【出演】NHK解説委員…柳澤伊佐男,【司会】岩渕梢

ジャンル :
ニュース/報道 – 解説
情報/ワイドショー – 暮らし・住まい
情報/ワイドショー – 健康・医療

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