アニメ 英国一家、日本を食べる「道具の楽園かっぱ橋」 2015.06.11


(マイケル)
これは極東の国日本を訪れた我々家族の100日間の冒険の物語。
我々の目的は寺院巡りでも秋葉原でのショッピングでもない。
我々の最重要課題それは…
日本を食べ尽くす事だ。

先日僕は天城山のワサビを絶賛し「本物のワサビを広めるキャンペーンの開始だ〜」などとぶち上げた。
しかし本物のワサビを味わうためには絶対に必要なものがある。
サメ皮のおろし器だ
(リスン)普通の金属のおろし器じゃ駄目なの?何度説明させるんだ!細かくて滑らかなサメ皮でおろさないとワサビ本来の味は楽しめないんだ!ワサビ旅館の女将も言ってたろ!あなたにとってほんとに必要なものとは思えないもの。
必要に決まってる!前にリンゴの芯取り器を大騒ぎして買ったの覚えてる?リンゴの芯取り…あ〜ケルベロスの事か!あの道具はすばらしかった。
でもうっとり眺めてるだけで結局全然使ってないじゃない。
使ったよ!
(アスガー)一度きりだけどね。
サメ皮のおろし器も眺めただけでそれっきり台所の引き出しの奥にしまい込まれる運命だよ。
皿洗い機の保証書なんかと一緒にさ。
アスガー大人の話に口を挟むんじゃない。
リスン信じてくれ。
目につくところに保管してちゃんと使う。
買いたいのはそのおろし器だけね?ああ。
誓って無駄な買い物はしない。
もう売ってそうな場所の目星はついてる。
調理道具がうんと安く買える場所があるんだ。
(車内アナウンス)お出口は左側に変わります。
お降りになりましたら電車からは離れてお歩き下さい。
調理器具食器ちゅう房設備食品サンプル果ては飲食店の看板まであらゆるものがそろう日本一の道具問屋街。
その顧客のほとんどが飲食店関係者で占められておりまさに食のプロのために特化した街と言える
パッとしない場所だね。
あのふざけたシェフの看板は笑えるけど。
世界中のキッチンウエアフリークにとって憧れの街…って感じじゃないわね。
ねえ?マイケル。
道具たちが…僕を呼んでる!
(道具たち)僕を買って。
私を買って。
買って。
ウフフフフ!片っ端から行くぞ!まずはあの店だ!ハーッハッハッハッハ!ハーッハッハッハッハ!マイケル!もう…。
(リスン)エミル私たちも行きましょ。
ああ…ああ…ああ…。
うわっ何これ!すごいだろ?全部クッキーの型だ。
(エミル)恐竜だ。
ドクロだ!ここではそれぞれの店が一つの分野一つの種類のキッチン用品に特化してそれを専門的に扱っているんだ。
そんな店が170店以上あるらしい。
こんな場所ロンドンやパリにもないぞ!
(マイケルの鼻歌)何でカゴに入れるの?あ?それ何でカゴに入れてるの?えっえ〜と…。
ママ!パパがまた余計なもの買おうとしてる!アスガー!ちょっと待って!この店は危険だな。
これは何の店?業務用炊飯器の店だ。
(エミル)ここは?店舗用の看板を扱ってる店だ。
(リスン)これは?店先に下げるちょうちんの専門店だ。
えっとこれは…。
メニューホルダーだ。
メニューホルダー?日本でレストランに入るとテーブルの上にメニューが置いてあるだろ?あのメニューホルダーを扱ってる店だよ。
すごい場所だろ?ちょっとマニアックすぎるんじゃない?
どこか古びたこの大通りには掘っても掘っても底が見えない深さがある。
お目当ての品だって確実に買えるはずだ。
と言っても僕らがそれを見つけられたらの話だが
やみくもに探しても時間の無駄だ。
どのタイプの専門店がサメ皮のおろし器を扱ってるかを考えよう。
台所用品の店じゃない?いやそれじゃくくりが広すぎる。
じゃあ調理器具の店。
まだ漠然としてる。
さっき店じゅうフライパンだらけの専門店を見たろ?ここの店は守備範囲がうんと狭い。
でもメニューとちょうちんを扱ってる店もあったわ。
くそっ!カテゴライズの基準が分からないな。
グッと絞っておろし器専門店?いやさすがにそんな店ないだろ。
もう分かんないよ!結局片っ端から探すしかないって事じゃないか!落ち着くんだ。
まずおろし器とは何かを定義しよう。
こうしてる間に探した方が早くない?もう〜疲れたよ〜。
諦めようよ〜。
そう言うな。
次の店で見つかるかもしれないだろ?次で見つからなかったら?見つけるさ。
だからもし見つからなかったら?じゃあ…こうしよう!ほら!あそこに食品サンプルの店がある。
分かるか?食品サンプルっていうのは…。
客寄せのために料理屋の入り口に飾ってある本物そっくりに作った偽物。
そのとおり。
近年日本の食品サンプルは外国人観光客に大人気だ。
アスガーだって外国人の端くれなんだからすなわち君にも大人気だ。
パパ間違った事言ってるか?さあ楽しんでくるといい!食品サンプルなんて街じゅうでよく見るからとっくに見飽きてるよ。
僕はそんなオモチャにだまされるような子供じゃ…。
はあ〜!ピザだ…!ピザだ〜!
(リスン)よっぽどピザが恋しかったのね。
日本に来てからというものずっとピザとハンバーガー禁止が続いてたからな。
すまないがここで子供たちを見ててくれ。
アスガーを足止めしている間僕は一人で奥の店を見てくる。
分かった。
でも無駄遣いは駄目よ。
任せといてくれ。
アスガーにはこのあと嫌というくらいピザを食べさせてやろう。
エミルもいい子にしてるんだぞ。

(足音)この店にサメ皮のおろし器は置いてますか?ん?おろし器!サメ皮のおろし器。
ぱーどん?つまりこれくらいの大きさで片面にサメの皮がはってあるおろし器。
本物のワサビを味わうには絶対に必要な目の細かいサメ皮のおろし器!サメの皮!サメの皮!サメ分かります?
(「ジョーズのテーマ曲」)しゃーく?そう!それ!サメの皮のおろし器!え?ここ刃物のお店。
えっ!心の声しまった…ここは…最高に危険な場所だ!アッハッハッハッハッハッハ!アハハハハハハハ!
(店主)ありがとうございました。
はあ〜…。

(エミル)パパ。
ち…違うんだリスン。
つまりこれは事故だ。
運命のイタズラというか気付いたら手に持っていただけで薄いからかさばらないし決して高い買い物なんかじゃ…。
おろし器売ってたわよ。
え?ああ〜…。
エミルが見つけてくれたの。
エミルが?手広く商品を扱ってる店だな。
盲点だった。
そういう店もあるんだよ。
だから僕が最初に言ったじゃないか。
なっエミルお手柄だな?だけど何であの店にあるって分かったんだ?
(リスン)フフ単なる偶然でしょ?偶然か。
そんな事よりそれせっかく買ったんだからちゃんと使ってね。
もちろんさ!任せといてくれ。
ありがと。
ん?トシか。
(トシ)ようマイケル今何してる?かっぱ橋の道具街に来てるんだ。
ほう?どうだった?最高の場所だった。
苦労したけどいい道具を手に入れたよ。
何だか分かるか?まさかサメ皮のおろし器なんて買ってないだろうな?
(マイケルの心音)いや…。
仮に買ったとしたらどうだって言うんだ?ハハハッ。
考えても見ろ。
そんなもん国に持ち帰ったって使う機会があると思うか?ないだろ。
日本でワサビをおろす道具をわざわざ買ってそんな植物は聞いた事もないって国まで地球を半周してまで運ぶやつがいたとしたらこう言ってやる。
お前は全く救いようのないバカだってな。
で何を買ったん…。
(電話を切る音)トシさん何かご用だったの?えっああ…いやぁ…何でもない。
リスンすまない。
君との約束はどうやら…守れそうもない
マイケル包丁も衝動買いしちまうとは…。
どうもシェフのトシです。
日本の包丁にひかれる外国人はあいつだけじゃない。
持ちやすくてすごくいいね。
柄の部分に日本語が書いてあるのが美しい。
サムライの刀みたいですごいよね。
サムライ?ハハッ!ところで和包丁と呼ばれる日本の包丁。
刃が片方にしかないのは知ってるよね。
野菜の切り口を見どころにした大胆な煮こごり。
まるで抽象画のような美しさは見事な包丁さばきから生まれている。
調理したのは秋山能久。
古くからのシェフ仲間だ。
煮こごりの底に敷き詰めていたレンコン。
この薄切りを実現するためヨシの包丁は極限まで薄い。
レンコン専用に薄くしてもらってこういうふうにベニョーンっていう感じ。
ほら柔らかいでしょ。
これでレンコンを割れずに切る事ができるんだよね。
片刃の和包丁といえばこの大根のかつらむき。
刃が付いた方を下にして水平に動かしていく。
刃のない面は少し反っていて大根との間に隙間ができる。
だから大根がくっつかずいつまでも切る事ができるんだ。
日本料理はもうねやっぱり片刃ありきの技術かもしれない。
これはヨシが使っている包丁の一部。
日本料理の特徴は食材によって包丁をさまざまに使い分けている事。
ヨシちょっと説明して。
ナタみたいなものこれは京都の方でウナギとかをさばく時に使う割き包丁。
こちらはマグロを切る時の包丁。
マグロを解体する時に使う包丁。
刃が長くて弾力性があるのが特徴だ。
そしてこの時期はハモ切り包丁。
(ハモを切る音)夏の味覚ハモ。
小骨が無数にあるので細かく切れ込みを入れながら小骨を切っていく。
この包丁かなり重い。
(秋山)包丁の重さで身が沈むんでその時にきちっとストロークで骨を切断していってあげる。
これはすごく骨切りでは一番大事なポイント。
ハモのシーズンになると腕パンパンになります。
ボタンの花が咲いたようなハモの落とし。
味付けは山椒のみ。
骨切りされたハモの柔らかい食感が楽しめる逸品。
ヨシが25年間使い続けている柳刃包丁。
手入れで欠かせないのが研ぎ。
ヨシは特に刃の先端を丁寧に研ぐ。
イカの表面に切れ目を入れる包丁として使っているからだ。
細かい切れ目は表面の薄皮を切り食感を良くするため。
包丁の切り方一つで料理は変わる。
紅白のより大根をアクセントに使ったイカのお造り。
マイケル包丁の使い方ちゃんとマスターしろよ。
2015/06/11(木) 00:40〜01:00
NHK総合1・神戸
アニメ 英国一家、日本を食べる「道具の楽園かっぱ橋」[二][字]

イギリス人フード・ライターとその家族が、日本に滞在して各地の料理や食材を食べ尽くす!?「和食」をテーマに、一家の100日に渡る日本珍道中を描くコメディ・アニメ。

詳細情報
番組内容
本物のわさびに感激したマイケルは、わさび専用のさめ皮のおろし器を手に入れようと家族を連れてかっぱ橋道具街に向かう。リスンから余計な買い物をしないよう釘を刺されたが、めずらしい道具が街じゅうにあふれている様子にマイケルの興奮は上がる一方。しかし、肝心のさめ皮のおろし器がなかなかみつからず…
出演者
【声】竹本英史,満仲由紀子,広橋涼,徳山靖彦,滝藤賢一,荒井聡太
原作・脚本
【原作】マイケル・ブース,【翻訳】寺西のぶ子
監督・演出
【監督】ラレコ

ジャンル :
アニメ/特撮 – 国内アニメ
情報/ワイドショー – グルメ・料理
趣味/教育 – その他

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
サンプリングレート : 48kHz
2/0モード(ステレオ)
英語
サンプリングレート : 48kHz

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