想い出はいつも心の中に
自分が過去に情熱を注いだゲーム、『アーマードコア』についての紹介をなんとなく行います。
AC1
AC1PP
AC1MOA
AC2
AC2AA
AC3
AC3SL
ACNX
AC1
正式名称『ARMORED CORE』
俗称『AC1』『無印』など。
使用ハードPS1
今やフロムソフトウェアの代表作ACシリーズの初期作品。
『自分の思い通りにメカを組める』というロボ好きにはたまらない魅力がスマッシュヒットした(はず)。
ゲーム的な部分の話をすると、PS1初期の作品だけありグラフィックは雑。
ポリゴンは(たしか)22Fで描画されているので、動きもわりとぎこちない。
しかし、その根底に漂う『戦場の空気』というモノはリアルに描写されており、表現力に関しては非常に高いといえる。
ACの核となる自機の組み立て『アセンブリ(以下アセン)』の基礎もこの作品で確立。
頭部・コア・腕部・脚部・ブースター・FCS・ジェネレーター・右肩武器・左肩武器・右腕武器・左腕武器の11種類の項目の中で自機を組み立てられる。
この11種類のどこかを優先しどこかを排除しながら、いかに自分好みの機体を作るか思考錯誤するのが、ACの醍醐味のひとつ。
また、AC1第1作目にして絶妙なアセンバランスを実現しており、様々なパーツを様々な用途で使うことができる。
そのため、自分好みの機体を作る、というACというゲームの最大の理想を達成しているといえるだろう。
アクション部分の完成度も高く、非常に奥深いものに仕上がっている。
全てのボタンを使うため、操作に慣れるまでは辛いが、慣れた後の爽快感はこのシリーズの持ち味。
AC1シリーズは他のシリーズにはない独特の慣性があるため、若干挙動が素直ではないがその半面機体に乗っているという感覚が強い。
これも慣れればやみつきになる要素だといえる。
この慣性はPS2シリーズ以降にはない独特のもので、かつ非常に優れた部分。
挙動に関しては全てのACシリーズの中で、もっとも面白いものといっても過言ではないだろう。
(なお、NXがAC1シリーズの挙動の真似っこをしたが、面白さにまったくといっていいほど繋がっていなかった)
そして、ACといったら対戦であるだろう。
前述したアセンとアクション部分の調整の絶妙さから、対戦ツールとして非常に優れている。
特にAC1は様々な機体を自分ならではの動かし方で戦うことができる。
『プレイヤーの個性が対戦に反映される』というのは、対戦ゲームとして非常に優秀な部分といえるだろう。
なお、対戦バランスはとがった部分がありながらも、それがうまくゲーム性として消化されている。
下手にハンドガンを食らうと衝撃で動けなくなったり、ブレードの空中斬りを食らうとAPが8000近くなくなったり、これらを合わせると一瞬で勝負が決したり…
こういったトゲを含みつつも、それに対する対処法がいくつも用意されている。
それが奥深い対戦バランスを生み出し、プレイヤーの個性が反映されるゲーム性になっている。
AC1は第1作目にしてACシリーズの最高傑作といえる作品でもある。
一人プレイも対戦もどちらも楽しめるゲーム性になっている。
特に後者はアドレナリンが沸騰するほどの熱さがあるので、ロボ好きはぜひプレイしておきたい一品だと思う。
AC1PP
正式名称『ARMORED CORE PROJECT PHANTASMA』
俗称『PP』など。
使用ハードPS1
AC1のバージョンアップ版として発売された作品。
基礎となるゲーム性はまったく変わっておらず、ミッションの書き下ろし、CPU機体と戦える『アリーナ』の追加、新パーツの追加がAC1からの進化点。
書き下ろされたミッションはACシリーズにしては珍しくストーリー性が強いもの。
何せヒロインがいるw
わりとACらしくない真っ直ぐなシナリオであった。
まぁ、ゲーム的には関係ないから無視っ(ぇぇぇ
アリーナは好評だったAC1で対戦をCPUで再現したもの。
CPU機体は無茶なアセンが多く(武器は肩のロケットだけのタンクとか)、対人戦を完全に模しているわけではない。
だが、未だ解明できていないCPU独自の動きをしてくるため、面白いものに仕上がっている。
おそらくは戦っていてもっとも面白いアリーナはPPのものだろう。
新パーツはアセンの幅を広げるものが多く、どれも魅力的。
だが、同時にバランス崩しの危険なものもチラホラ見られる。
その中でも代表的なのは追加弾装とマシンガンFINGER(通称指)だろう。
前者は肩に装備するもので、重量500程度で弾数1.5倍というとち狂った性能。
下手に肩武器を装備するよりも、おとなしく追加弾装を装備した方が良かったりする。
後者は追加弾装以上に凶悪な武器。
重量200程度にして、弾数3000発という狂気。(決して、300発の誤まりではない)
加えて攻撃力は200(ライフル並の攻撃力)、同時発射数5、リロード1ともうどこをどう突っ込めばいいのかわからない極悪な性能。
相手のAPを紙のように削り取れる間違いなくAC史上最強の武器だろう。
これらの二つは対戦バランスを崩壊させるので禁止にされることが多い。
それ以外は禁止にするほどのパーツは存在しないので、パーツバランスは優秀といえる。
新パーツは適度に強いパーツ揃いなので、アセンの楽しさが増している。
基本的にAC1ベースなので、対戦の面白さは変わらず。
それどころか新パーツ・新マップにより、対戦の面白さはさらに上がっているといえるだろう。
個人的にPPはもっとも対戦が面白いACシリーズのひとつ。
現在(05/08/11)も一部のACファンの間では対戦が行われている。
AC1MOA
正式名称『ARMORED CORE MASTER OF ARENA』
俗称『MOA』『MA』など。
使用ハードPS1
PS1最後のAC。
ユーザーの意見から対戦重視のACとして作られ、そのもっともたる部分がアリーナの充実である。
なんと100以上のCPUと戦え、またCPUのロジックを自作してオリジナルアリーナも作ることができる。
正直、前者はわりと微妙。
後者は面白く対戦の練習などに用いられた。
アリーナの強化により、ストーリー進行にアリーナが密接に関わるようになったのが、本作の特徴。
ミッションを進行させるには、アリーナで勝ちぬく必要がある。
そこに必然性があるのかと問われると口を閉じるしかないけど。
対戦重視のACであるため、PPまでに登場したパーツの一部に調整が加えられている。
基本的には強いパーツは弱体化、弱いパーツは強化といった具合にいじられた。
PPで極悪だった追加弾装と指は当然のごとく弱体化し、前者は1.2倍、後者は弾数が500発になり攻撃力などにも調整が加えられた。
しかし、あまり強くないパーツがさらに弱くなっていたり、そのくせ強パーツが無調整だったりと、正直調整はあまりいい方向には働いていない。
結果としてアセンの幅は狭まってしまったかな、と自分は思う。
また、MOAには対戦時に『2P側の命中率が上がる』というアンフェアな、対戦ツールとしては致命的な仕様を持っている(通称2P補正)。
この仕様はPPにもあったのだが対戦に大きな影響を及ぼすものではなかった。
しかし、MOAでは2P補正で勝敗が分かれるほどに、大きな影響を及ぼすようになってしまった。
個人的には1Pか2Pかで勝敗が決するのは、対戦するしない以前の問題。
対戦ゲームなら1P2Pの違いは極力なくすべきだろう。
おまけながら、PPまでにあったバグ技が全てなくなっている。
PP時代のバグ技は戦術に大きな影響を及ぼすものが多く、またバグ技があることを前提にゲームバランスが成り立っていた。
バグ技がゲーム性にさらなる深みを与えていたバグ技が消えてしまったのは無念で残念。
MOAは世間的にはそこそこの人気だが、個人的にはそうでもないかな思う。
原因はやはりPPまでの(バグを含めた)パーツバランスの崩壊と2P補正。
特に後者は痛い。
純粋に対戦ツールとして上なのはやはりPPだろう。
AC2
正式名称『ARMORED CORE2』
俗称『AC2』『火星』など。
使用ハードPS2
火星を舞台としたPS2初のAC。 PS2ということでグラフィックが大きく向上。
また、ゲーム性の根底を揺るがす様々な新要素が加えられた、ACの起爆剤的な作品。(起爆剤という言葉をムリヤリ使いたかったわけではない)
AC1シリーズからの大きな変更点はアセンの部位の追加。
追加されたのはラジエーター・インサイド・エクステンション(以下EX)の3つ。
戦術に新しい風を吹き込む要素、のはずが、旧来のファンにはあまり評判が良くなかった。
個人的には肯定派だけど…
また、高速移動を可能とするオーバードブースト(以下OB)が新たに追加された。
OBは発動に時間がかかる・発動後は後ろ以外に高速移動が可能・OB性能はコア依存といった特性を持つ。
慣れるまでが大変だが、強力な移動方法であるのにも関わらず制約はほとんどないため、ゲームバランスを根底から変えるほど強力な要素。
使い方さえわかれば、ずっとOB移動したまま戦うことも可能、というよりもAC2で効率いい立ち回りを求めるとそういった動きをすることになる。
この高速OB戦闘は賛否両論、という否の方が多かったような…
OBの強力さよりもリスクのなさが問題なのだろうか?
自分としてもリスクがほとんどないのはさすがにどうかと思う。
パーツバランスはAC1の頃から大きく変化。
各パーツの個性が薄くなったため、使えるパーツと使えないパーツがハッキリしてしまった。
加えて前述の仕様からさらに使えるパーツは限られるので、アセンの幅は大きく狭まってしまったのが残念。
凶悪なパーツの代表格はEXのバックブースター(以下BB)。
このパーツは文字通り急後退するブースター。
なお、間を置かずに連続使用可能。
――とすると、連続で発動させることで、ガンガン逃げることができるということになる。
その結果生まれたのが、左右へ平行移動しながらBBで下がり続ける戦法(通称デンプシーロール)。
これを崩すのは非常に難しく、AC2の戦いはほぼこれに集約されてしまった。
一応、フロム主催の全国大会が開かれたが、これもデンプシーロールばかりの大会になった模様。
なお、優勝者の機体名は『帰ろう地球に』。
つまりは、AC1の方が面白い、という訴え。
結論としてAC2は新しいACであったが、調整不充分な部分が多く出来としては微妙、旧来のファンを満足させられるものではなかった。
…発売1週間前に1週間の発売延期をしていたし、ゲーム以外も微妙だった…
アセンも重量2脚にBBを積んでデンプシー、というものだけになってしまった。
でも、個人的にはわりと好きなACだったりする。
なんというか『火星』だし。
AC2AA
正式名称『ARMORED CORE2 ANOTHER AGE』
俗称『AA』など。
使用ハードPS2
AC2のバージョンアップ版。
全国大会優勝者の機体名の影響か、舞台は地球になった。
AC2の不評を覆すべく、丁寧な調整が随所に施されている。
操作性の改善や処理落ちの軽減、各種挙動の改善、各種仕様の改善など、今のフロムでは考えられない気配りが行われている。
その中でもゲーム性に大きな影響を与えたのは、OBとEXブースターの調整だろう。
OBは発動時に大量の熱を追加・消費エネルギーの増大・機体重量によって速度が上下するといった調整が行われた。
ノーリスクハイリターンの移動方法から、使う場面をよく考える必要のある移動方法に変わったのである。
この調整によりOBは使えばいい、という単純なものでなくなったため、立ち回りがより深いものになった。
EXブースターはリロード時間の追加・機体重量によって速度が上下するようになった。
これによりデンプシロールは不可能になり、AC2を冷めさせた技は消えた。
機体重量が関与するようになったので、重量級が高速移動することもできなくなっている。
EXブースターの依存度が大きく下がり、様々なEXを使えるようになったといえる。
また、初代AC2は使えないパーツが多かったため、弱いパーツの大半が調整された。
革命的に強くなったパーツはないが、使えるパーツは十分に増えたといえる。
武器関連は特に調整され、AC2時代はほぼ一択だったのが大きく改善された。
以上の調整がプラス方向へと働き、AAの対戦は非常に面白いものに仕上がっている。
AC1シリーズと同様に様々な機体で戦えるため、プレイヤーの個性が出やすいといえる。
また、ミサイル→OBで接近→射撃の連携が強いため、ACシリーズにしては珍しく攻めが強い作品。
逆転要素が強く、対戦ツールとして優秀といえる。
(ただし、知識や経験が重要な対戦バランスのため、世間的評判はあまり良くない)
個人的には一番好きなAC。
AC3
正式名称『ARMORED CORE3』
俗称『AC3』など。
使用ハードPS2
おそらくはACが堕落した発端の作品。
ここからACは壊れ始めた、と思う。
基本的にAC2AAの挙動を受け継いでいるが、数々の新要素を追加している。
コアの攻撃機能イクシードオービット(以下EO)や右腕ブレード、左腕射撃武器(以下左銃)、武装解除(以下パージ)など今までのシリーズにはないまったく新しい要素がいくつも追加された。
EOはコアから俗に言うファンネルを出し攻撃するもの。
自動で攻撃する・自動で弾が回復するといった、他の武器にはない特色がある。
しかし、命中率が異常に悪いため、静止している敵以外には絶対に命中しないといったアレな性能。
そのため、使う場合は趣味オンリーで、旧来のOBばかりが使用された。
…何のための新要素だったのだろう?
また、AC2AAでは戦術の核を担ったOBだが、AC3では過剰調整が加えられた。
通常ブースト移動速度と比べるとOB速度はそれほど速くなく、AA時代のようにOBで素早く接近することが事実上不可能になった。
そのため、逃げる敵を追うことが難しく、引き有利のバランスに悪化した。
後ろに下がりながら射撃する『引き撃ち』という立ちまわりが今まで以上に強力なため、逆転性が乏しい対戦になりやすい。
(後述しているが、攻撃力に優れた逆転の武器ブレードが大きく弱体化したことも影響している)
右腕ブレードは発生が異常に遅い上に相手をホーミングしないので、絶対に当たらないどうしようもない武器だった。
正直、ゴミと断じてもいいような武器。
また、左銃は命中率は悪いもののブレードよりはいいので、結果としてパーツの選択肢を狭めてしまった。
なお、ブレードはホーミング機能が悪くなり命中率が低下、加えて判定が弱体化して多弾ヒットしなくなった。
当たりにくいし、当ててもリターンが非常に少ないため、対戦ではとても使えるような性能ではなくなった。
この調整がブレード好きには当然のごとく不評。
それらに加えてパージもまたゲームバランスに悪影響のみを及ぼした。
細かい解説は省くが、パージによりアセンの多様性が確実に失われてしまった。
特化機よりも汎用機のみが作られるようになってしまった。
正直、いらない要素かと。
アレコレ批判要素ばかり書いたが、実際にどれもこれも批判するしかないようなものばかり…
どれもACの魅力である多様性というものを殺しているので、今までのシリーズとは比べられない出来だった。
なお、本作のプロデューサーは佃という人。
この人はAC2のプロデューサーとして悪評ばかりと有名。
おまけだが、本作から4人対戦が追加。
――が、対戦バランスは最低を通り越してもはやシャレ。
対戦ゲームというよりもパーティゲームといった内容になってしまう。
しかも、ACはパーティゲームとして致命的な部分しかないし。
一部ユーザーは2on2の大会などを開いたりしたが…大会を開く価値なんてないと思う。
さらにおまけながら、通信対戦時に2P側の動作が遅れる対戦ツールとしては致命的な仕様があった。(通称2Pラグ)
そのため、AC3は元々の仕様の劣悪さと加えて、対戦ツールとしては問題外の出来になってしまった。
そんなわけからか各地のファンで開催されていたACの大会が非常に少なくなった。
AC熱は冷めてしまった、といえる。
AC3SL
正式名称『ARMORED CORE3 SILENT LINE』
俗称『SL』『列車』『佃煮』など。
使用ハードPS2
反省しろよ、フロムという作品。
なお、プロデューサーは佃。
当時はものすごいパッシングされてたなぁシミジミ
初めに言うとAAの頃とは違い、前作のダメだった要素をまったくといっていいほど改善していないのがSLだった。
EOは相変わらず当たらない、左右どちらのブレードも当たらない、引き撃ち万歳、2Pラグは相変わらず残っている、バグがわりとたくさん、加えてキー入力が稀に実行されない場面がある。
…ユーザーに対する心遣いというものがないと思うのは筆者だけだろうか。
SLの新要素は武器破壊とパーツ大幅追加。
武器破壊は武器にダメージを与えるとそのうち壊れるというもの。
しかし、武器破壊=攻撃する手段がなくなる=敗北確定と対戦を盛り上げるどころか、しらけさせる要素のため、発売1週間ほどで禁止事項にされた。
ゲーム性にまったくプラスを与えなかった悲しい新要素。
パーツは100程度増加しアセンの幅が広がった、となればいいのだが、現実は違った。
どうみても適当にパラメーターを決定したようなパーツがあまりにも多く、追加されたパーツの大半がまったく使えなかった。
使えるパーツも中にはあるのだが、それも既存のパーツの上位互換といったものが多く、結果として選択肢を狭めている。
パーツ調整も『出る杭を打つ』といった調整がされており、初代AC3で強かったパーツはとことん弱体化、ほとんど使えなくなってしまった。
それなのに強化するべきパーツは一切手を加えられていないのが非常に多い。
結論としては初代AC3よりもアセンの幅は広がっているのだが…使えるパーツと使えないパーツの差が激しすぎるものになっているのが悲しい。
なお、新パーツの中には左銃が大量にあったのが特徴。
これは初代AC3の左銃とは違い、命中率が右腕銃並みにいいので非常に使いやすく、また右腕射撃武器と同時に使用することで楽に大ダメージを与えることができた。(通称Wトリガー)
ノーリスク・ハイリターンなので、対戦では左銃装備が前提となり、ブレードやシールドはまったく使えなくなってしまった。
(左銃の大幅な強化が施されたのに、ブレードの性能はまったく変わっていなかった)
左銃はアセンの方向性を単一化させるばかりで、まったくといってもいいほどプラスには働いていない。
かといって、左銃を禁止にすると、AC3シリーズの仕様からほぼ対戦にならない。
(武器の命中率が低いため、Wトリガーを使わなければ攻撃を当てることが難しい)
Wトリガーは賛否両論(というか否の方が圧倒的に多い)の要素であった。
――が、以降のシリーズにおいても、Wトリガー万能のバランスは一切変わっていないのはどうかと思う。
いろいろと批判したが、当時は熱心なプレイヤーの間ではそれなりに研究されていた。
ライトユーザーも楽しんでおり、AC業界はにぎわっていたといえる。
しかし、SL後期から前述の欠点が響き、どんどん熱は冷え込んでいった。
使えるパーツと使えないパーツの差が激しすぎるため、『自分の思い通りに機体を作る』という行為がまったくできないゲームになっているのは痛い。
ACNX
正式名称『ARMORED CORE NEXUS』
俗称『NX』『猫刺す』など。
使用ハードPS2
自分がACを止めた『AC』。
SL後期からACファンが「ACはこのままではいけない」とし、より良いACのための署名活動を行われていた。
集められた多くの署名はフロムに届けられ、フロムの考えを大きく変えた。
当時、SLベースで作られていたNXを根本から変更、新しい仕様の元にNXの開発が再スタートされることとなった。
(なお、この際にプロデューサーが佃から別の人に変更された)
この新しいNXは署名活動を行った代表者にプレイされ、またACに対する座談会が開発スタッフと共に開かれた。
新しいNXの内容、そしてフロムスタッフの考えにユーザーは多いに期待しAC業界は活気付いた。
だが、しかしッッ!!!
実際に発売されたNXはその座談会で出されたものとは、似ても似つかぬアレな出来だった。
要するに――
ユーザーは――
フロムに――
騙された――
ということになる。
いや、勝手な期待をよせたユーザー(自分含む)が悪いとは思うけど、こういうのはないだろう、フロム。
新要素はブースターによる熱追加・熱暴走によるエネルギー減少・格納武器の追加・チューニングの追加。
武装破壊はなかったことにされた。
ブースターによる熱追加はブースター移動をするとどんどん熱が追加されていく仕様。
アセン次第だが、恐ろしい速さで上昇していくため、非常に不便。
加えて熱暴走するとエネルギーが減少していくため、ブースター移動→熱暴走→エネルギー減少→まったく動けない、という事態が起こるようになった。
動きの制限が非常に大きくなったため、動かしていて面白くなくなってしまった。
加えて機体重量が全体的に増加したというのに、ブースター出力はほぼ据え置きなので機体の動きが遅く余計に動かしていて面白くなくなっている。
また、これらにより、対戦中下手に熱暴走を起こすと動けなくなり、そのまま勝負あり、という事態もわりとよく起きる。
格納武器は予備の武器を所持できる、というシステムだが、これもアセンの選択肢をかえって減らしているような。
これをふくめた様々な仕様の関係上、個性豊かな機体を組めなくなってしまっている。
チューニングは心の底からいらないと思った要素。
自分はアセンというものはジグソーパズルのピースを組み立てるような作業だと思う。
組み立てるピースを間違えると変な形になり、見事に組み立てるといい形になる。
アセンはいい形にするための効率を追い求める作業――
しかし、チューニングはジグソーパズルのピースを自分勝手に変える行為に似ている。
こんなことをすればどうなるのか?パズルとして非常に冷める行為なのは間違いない。
個人的にはただアセンの煩雑さを増しただけの要素だった。
対戦バランスに関しては、もう完全なパターンゲーというか、技術格差がほとんど関係ないという対戦じゃない『対戦』になっている。
というのも、機動力の低さから実質回避はほぼ不可能→下手に攻撃を食らうと熱暴走で動けなくなる→あとは撃たれ続ける→勝負あり、というものだからである。
なんかジャンプキック一撃で気絶してしまう格ゲーみたいだ。しかも、気絶から気絶へループ可能。
火炎放射器を装備するとサイトが拡大されるというどうしようもないバグがあるため、余計技術が関係ない対戦になり、またアセンの深さもない。
(各地で開催されたフロム公式大会優勝者の機体のほとんどが火炎放射器+グレネードの一発当たれば即死コンボのタンクだった。
それ以外の機体で優勝した人もいることにはいるが、それもガン引き機体というアレなものだった)
また、ブレードも本作からまったくホーミングしなくなったので、実質当てることが不可能な武器になった。
SLの時点で十分に弱かったのに、どうしてさらに弱体化させるのだろうか?Wトリガーはほぼ据え置きなのに。
以上からNXの対戦は非常に盛り下がるものだった。
誰でも勝つ可能性がある対戦バランスは、対戦で競うべきである技術が無意味であることを物語っている。
なお、今までのシリーズの戦術の核を担っていたOBが極限まで弱体化。
熱量が大きく増加し、OB速度も大きくダウン。
加えてOB予備動作中にブーストを使うと、熱量が最大まで上昇するという、理解不能な仕様まであった。
結果としてOBはほぼ使えないものになってしまった。
フロムはOBをここまで弱体化させて、いったい何をしたかったのだろうか?
フロムはあるのかどうかわからない『リアリティ』を求めて、様々な仕様を実装した。
(2足ロボットが飛んだり跳ねたりする時点で、リアリティなんてあってないようなものだから、そんなのは無視するべきかと)
だが、その結果としてNXは多くのACユーザーを絶望させた。
その反動でACサイトの多くは閉鎖。
現在、開いているACサイトも旧作の対戦をしている場所が多い。
盛り上がっていた頃のノリを知っている自分としては――それは、とても悲しく、とても空しい。
なお、ACシリーズはNB・FF・LRが続編として出ています。
んが、どれもNXベースなのでやっていません。
そのため、ここで言及するのは止めておきます。
他の人の意見を見るに『NXと変わっていない』という結論みたいですが。
自分は対戦ツールとしてのACに魅力を感じていて、その魅力がなくなったACにはほとんど興味が沸きません。
フロムはきっと「性能(勝敗)なんか気にせず自分の思うように機体を組め」と言いたいのでしょう。
DPSのNX有名プレイヤーもそんなことを言っていますし。
つまりは「対戦は楽しむモノ。勝つモノではない」と。
んが、開発者が『対戦で勝つことだけを目指したプレイやアセンをとにかく追及するストイックなプレイ』を否定してどうするのでしょう。
ゲームの遊び方はプレイヤーの自由なら、開発者はどの遊び方も尊重し、常に遊び方の幅を広げる努力をする必要があると思います(理想論ですが)。
そのはずなのですが、フロム開発者のそんな考えはむしろ遊びの幅を広げるどころか狭めています。
調整の不充分さと劣悪な仕様から、性能と趣味を両立した機体を現在のACシリーズではまず組めない事実に気付け、と。
だからこそ、自分なりの楽しみ方ができる人が減ってしまい、売上が全盛時の4分の1になってしまったと気付け、と。
そんなわけで自分は連ザフに流れているわけだったりします(ぇ
最後は愚痴に終わっていて非常に申し訳ないのですが、これを読んだ人は「ACはこういうものなんだな」と思ってくれれば嬉しいです。
DPSなどでは盛り上がっているように思えますが、実際はものすごく冷えこんでいます。
紹介されている有名プレイヤーはNXで名を挙げた人だけだし。
それでもACは今も好きなゲームです。
現在(いま)と未来(これから)は正直なところ真っ暗ですが、過去(おもいで)はいつだって輝いています。
そんな過去の栄光を取り戻すべく、PS3に出るらしい最新作はちゃんとしたものに仕上げてもらいたいです。
とりあえず、AC3以降の要素は全削除・AC2ベースに作る、といったことをやってください、フロム(ぉぉぉ
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