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 総務省は12日、インターネット回線を使う「IP電話」が乗っ取られ、通信会社から多額の電話代を請求される被害が増えているとして、注意を呼びかけた。通信会社が不審な通話に気づいたら強制的に遮断できるといった対策案を7月中旬ごろにまとめるという。

 IP電話は通話料の安さが魅力で、総務省によると2014年末の契約数は全国で約3510万件にのぼる。

 だが、NTT東日本、西日本によると、回線と電話をつなぐ交換機を不正アクセスで乗っ取られ、アフリカのシエラレオネなどへの国際電話に使われるといった被害が多発。14年度に把握しただけでも被害は計100件を超え、請求額が約500万円に達した例もあるという。

 被害の多くは法人顧客の交換機で起きている。交換機のIDやパスワードが初期設定のままで見破られやすいなど、安全対策が不十分なケースが多いという。

 NTT東西では電話代が急に増えるなど不審点があったら、利用者に注意を呼びかけるようにしているという。ただ、被害に遭っていたとしても利用者に電話代を請求するのが原則で「自社の設備に問題があったわけでなく、料金を請求せざるを得ない」という。(真海喬生)