編集委員・細沢礼輝、東郷隆
2015年6月13日10時05分
8月に運行をすべて終える寝台特急「北斗星」が人気だ。東京・上野と札幌を週に約3往復する臨時列車は、ほぼ満席。ブルートレインの旅を楽しむ人も、運行を支えてきた人たちも、廃止を惜しみつつラストランまで見守り続ける。
JR上野駅13番ホーム。10日午前9時半過ぎ、北斗星がホームに滑り込んできた。17時間余の旅を終えた乗客たちは、客車を背に記念撮影をしていた。
2年ぶり7回目の乗車という東京都調布市の辻内裕之さん(42)は、妻聡子さん(46)との夫婦旅。どうしても引退前に乗りたくて、東京から新幹線と在来線を乗り継いで札幌に向かい、北斗星で折り返した。
「あけぼの」「日本海」「カシオペア」――。ゆったり流れる時間が好きで、独身のころから寝台特急の旅を繰り返した。北斗星に初めて乗ったのは1997年。やがて聡子さんとの2人旅になった。お気に入りは噴火湾に沿って走る室蘭線の区間。夫婦で酒を飲みながら車窓を楽しんだ。「ブルトレの旅を楽しめなくなるのは残念。でも、最後に乗ることができて良かった」
札幌から夫婦で乗った千葉県柏市の自営業後藤明弘さん(61)は4回目の乗車。「車窓からきれいなオレンジ色の朝日が見えた。そんな旅情が大好き」。北斗星の切符は乗車1カ月前に発売され、後藤さんは発売開始と同時にみどりの窓口に並んだが買えなかった。キャンセル待ちで2週間前、B寝台がとれた。
JR東日本によると、1列車あたり188人が乗れる。乗車率は5、6割で推移してきたが、廃止の方針が伝えられた昨年末以降、ほぼ満席が続いている。切符は窓口販売で、特に土曜日に上野を出発する列車は発売開始とほぼ同時に売り切れる人気ぶりだという。
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