顔が大きく肌も赤黒く目も小さく、鼻も酷く丸く、少しのくせ毛だった。
羽はちぎれていた。切断面はもうひどい状態である。
死んで天使になったが容姿が良くないので、ひどい扱いをされて来たようだった。
「どうしてここにきたの?」
「飼ってくれる人を探してここまで来たの。。。だけど、もういいの」
羽がちぎれていてはもう、飛べないし移動はできないのだ。
「羽どうしたの?」
「風車に突っ込もうとしたカモメを避けさせようとしたら、当たった」
「優しいんだね」
「優しくなんてないよ いいことをしたら神様は可愛い顔にしてくれるって思ってやっただけ」
「カモメはどうなったの?」
「結局あたって死んだ」
僕や染色体からの出来損ないへの慰めの言葉はなんだったのだろう。
「顔がいいと人にも好かれるし、人に優しいい言葉をかけることもできるのに」
「僕は飼えない」
「そうだよね でもいいんだよ 今、すごく嬉しいことに気づいたんだ」
羽の付け根を見せた。
黒くなっていておそらく腐っている。
「自分の体が腐りに腐った時、本当に幸せになれそうな気がするの。」
どうしようもないから、こんな事にしか希望を見出すしかないのだろう。
「可愛い子も腐るんじゃないの?」