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 東京都は12日、謎の大量死が起きた葛西臨海水族園(江戸川区)の大型水槽にクロマグロ約80匹を投入し、22日からマグロの群泳展示を再開すると発表した。大量死の原因は不明のままだが、展示の目玉のマグロが1匹まで減った水族園に、約5カ月ぶりに「名物」が復活する。

 投入するのは、生後1年ほどの全長80~90センチのクロマグロ。高知県から運び、21日の閉園後に水槽に入れ、22日の開園時から見られるようにする。

 同園では3月末からアカシュモクザメやタカサゴ、ハガツオ、スマを順次投入し、音や光に敏感なマグロを投入できる環境か探ってきた。5月22日に29匹を入れたスマが6月8日までに計15匹死んだが、環境の変化になじめずに起きる水槽への衝突死とみられ、病理検査でもウイルスは確認されていないことから、水質や飼育環境に問題はないと判断したという。

 同園の錦織一臣副園長は「原因究明は続けるが、マグロの追加にこぎ着けられたのはうれしい。注意して面倒をみていきたい」と話した。(松沢憲司)