駐韓ロシア大使「制裁では南北間の緊張は解消できない」
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JUNE 11, 2015 07:33.
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アレクサンドル・チモニン駐韓ロシア大使(写真)は10日、「圧迫や制裁を通じては南北間の緊張を解消できない」と述べた。チモニン大使は同日、北朝鮮経済フォーラムと韓国交通研究院の主催でソウル市内のホテルで開かれた朝食懇談会に出席し、「南北関係改善のためには対話と経済協力で問題を解決していくべきだ」として、このように述べた。
大使の発言は、強い圧力で北朝鮮の態度を変えようとする韓国政府の政策基調に反するものだ。韓国は6者協議復元に向けて提案した「探索的対話」に応じていない北朝鮮が潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)の水中発射実験など挑発行為に明け暮れているだけに、国際社会と連携して人権問題を浮き彫りにするなど、北朝鮮への圧迫を強化することにした米国や日本と一致している。このため、北朝鮮への影響力の大きいロシアが、この基調に同意しなければ韓米日間の協力が期待するほどの効果を得るのは困難と見られる。
また大使は、南北とロシア間の3角協力に関連し、ロシアが推進している羅津(ラジン)−ハサン鉄道連結事業に、韓国の年内の実施的な投資を希望した。大使は、「韓ロ首脳が合意した同事業で、韓国の投資規模は2億ドル(約2220億ウォン)程度と予想される」と話した。依然として「経済性の検討」レベルに止まっている韓国とは大きな温度差を示したものだ。
ポスコ、コレイル、現代(ヒョンデ)商船で構成された韓国コンソーシアムはテスト運行を2度行ったが、未だに同路線の経済性に対して確信が持てずにいる。3社は出資規模も最大で1000億ウォン前後を想定しており、このうちの相当額を政府が南北協力基金で補填することを望んでいる。
チモニン大使は、「北朝鮮が南北とロシアを結ぶガス管や電力線の連結事業に積極的で、一部の埋設地域に関する協議も行った」とし、事業への韓国の参加を促した。だが、5・24措置(天安艦沈没事件を受けた対北朝鮮制裁)が解除されなければ、北朝鮮への韓国の大規模の新規投資は不可能だ。
チモニン大使は、金正恩(キム・ジョンウン)労働党第1書記がロシアの勝戦記念日式典への不参加を決めてことについては、「内部事情のために参加できなくなったとの北朝鮮の説明を十分理解している」とし、「(金正恩氏の)不参加が朝ロ関係や今後の経済協力に悪影響を与えることはないだろう」と述べた。