先週末に米カリフォルニア州ポモナ市で開催された「ロボティクスチャレンジ」(DRC)決勝戦で、韓国科学技術院(KAIST)の呉俊鎬(オ・ジュンホ)教授の研究チームが製作した韓国初の人間型ロボット(ヒューマノイド)「ヒューボ」(HUBO)が優勝した。米国・日本・ドイツといったロボット大国から出場した23チームを抑えての快挙だった。優勝が決まった直後、呉教授は「15年前に日本の人間型ロボット『アシモ』に追い付こうと、研究費の支援もないまま無謀なチャレンジを始めた」と振り返る。しかし呉教授の下には、幼い頃にロボット映画を見て科学者としての夢を育ててきた若い学生たちがいた。彼らこそ世界のロボット界を驚かせた、いわゆる「ロボット・テコンVキッド」たちだ。
KAISTチームを紹介する映像の中でホ・ジョンウ博士は「幼いころ、人間型ロボットが登場する漫画や映画が数多くあった」「韓国ではロボット・テコンVが最も有名だった」と語る。1976年夏に封切られたキム・チョンギ監督の「ロボット・テコンV」は、ソウルだけで20万人の観客を集める大ヒット作となった。その後、1991年までに続編が次々と封切られ、「テコンV」は文字通り韓国におけるロボット映画の代名詞となった。テコンVを見た多くの子供たちは、ホ博士と同じく科学者になる夢を育てていったのだ。
テコンVの想像力はヒューボを通じて現実となった。ホ博士のインタビュー映像には、1984年のテコンVの画面が登場する。そこには「3段変身ロボット・84ロボット・テコンV」という字幕文字が見られる。今回ヒューボが優勝できた決定的な要因は、まさにこの「変身」だった。今大会のために製作された「DRCヒューボ2」は膝の部分と足先に車輪が取り付けられていた。平地を素早く移動するときには膝を折り曲げて車輪を使うが、階段を上るときは再び両脚で歩く。今大会に出場したロボットのうち、このように変身できるロボットはヒューボだけだった。他のロボットは下の方にあるドアノブやバルブを開け閉めする際にバランスを失い、倒れるケースが目立ったが、ヒューボは膝を折り曲げることで目線を合わせ、安定した姿勢で作業をこなすことができたのだ。